豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

富士山吉田口登山道の入山規制ってシーズン中にどんくらいありそうなの?

2024年05月15日 | 入山料・入山規制
富士山吉田口登山道の入山規制ですが、予約制のシステムを作るという話が報道されています。

山梨県が富士登山の「通行予約システム」を導入。通行料2,000円も事前決済で
ヤマケイオンライン 2024.05.14

詳細はリンク先を読んでいただくとして、大ざっぱに書きますと、登山者数の上限は4000人で、事前に3000人までが予約可能とのこと。そして当日分として1000人分の枠が設けられています。

4000人ですが、昨年夏に山梨県知事が突如規制を言い出した時の数字ですね。

で、気になったのですが、吉田口を登る登山者が4000人を超える日ってどれくらいあるのかと思って調べてみました。
参考にしたのは環境省のサイトです。

富士山登山者数調査結果

このサイトには「富士山登山道別・日別登山者数情報」というデータが掲載されていて、2009年以降の各登山道における入山者数の計測値が日ごとに見れるようになっています。

ここから2023年のデータを見てますと、吉田口登山道で一番登山者が多かったのは7月16日の3974人であり、実はこの年の夏、4000人を超えた日はありません。

2023年の場合、4つの登山道からの入山者数の合計は22万人程度です。2005年以降で一番登山者数が多かったのは2010年の32万人なのですが、この年に吉田口登山道からの入山者数が4000人を超えたのは13日です。

合計の登山者が30万人を超えるような年だと約2ヶ月のシーズンのうち、規制がかかるのは10日ぐらいありそうです。が、20万人ちょい程度だとほんの数日といったところでしょうか。2009~2023年における吉田口登山道で入山者数が4000人を超えた日が何日あったのか、環境省のサイトに出ているデータから数字を拾って書き出してみました。

数字は「4000人を超えた日数/吉田口登山道の入山者数合計/4つの登山道の入山者数合計」の順番です。入山者数の合計ですが、年によっては7月から9月末までだったり、8月末で打ち切りだったりと、カウントした期間が違います。が、だいたいの傾向はわかると思います。

2023  0/137,236/221,322
2022  0/93,962/160,145
2021  0/54,392/78,548
2020  なし
2019  6/149,969/235,646
2018  6/150,845/208,161
2017  5/172,657/284,862
2016  4/151,969/248,461
2015  4/139,096/240,666
2014  5/173,545/292,326
2013  9/201,066/345,398
2012  14/189,771/318,565
2011  12/165,038/293,416
2010  13/184,320/320,975
2009  12/169,217/292,058

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