「輪」

医療関係者は、頼られる職業の一つ。数人から大勢の相談者から質的にも量的にも大きな差異のある問題を受けて如何にバランスよく、接遇し、処置していくか、深みに入っていくべきか、悩ましい。

一人の相談事でフルになってしまうと、次の相談者には申し訳ないことにもなる。暮れが近くなると身体的に加えて職場や家族などの社会的な要因によって深層の心にも関連していくので、複雑さが増してくる。

セカンドオピニオンと現状を精査してと、思いつめて受診してきた方と話をしながら、「実は私も」と、手を握り脈をとっていると不整脈が収まってしまったり、家族から携帯に電話がきて不整脈を発症する方もある。どちらも、一時的で収まって、経過を追って行きましょうで納得してもらえた。期外収縮や心房細動は、アタリの時の竿先の乱れに似ている。

個人情報保護と職業上知りえた情報を漏らしてはいけないという守秘義務が立ちはだかるので、気軽に周囲の医療関係者と相談できない。一方、長い間頼られてきたのに、急に頼られなくなるのも悲しいような、寂しいもの。朝ドラで師匠が言った「頼ってあげるのも大事なこと」。家族や仲間の中では、頼り頼られる関係を繋いで「輪」になっていないとね。