米航空宇宙局(NASA)の最近の発表によると、地球からごく近い
場所に、地球環境によく似た惑星が見つかったという。その名は
「ケプラー22b」。大きさは地球の2.4倍で、表面温度は22度前後
地球にとっての太陽にあたる恒星との距離が、生命を維持するのに
適した生命居住可能領域(ハビタブルゾーン…というらしい)に
あり、水などの水分もあるらしい。生き物にとっては正に理想的
な環境にあるという
「ケプラー22b」の年齢は定かではないが、地球と同程度か、それ
以上ならば、生命が誕生している可能性も高く、その中には知的生
物が存在するかもしれない。それはETのような格好か、それとも
アバターのような青い人か…。いずれにしても夢のある話だ。この
広い宇宙に「隣人」がいるかもしれないのだ
その「隣人」と交信することができれば、どんなにか素晴らしいだ
ろう。まずは挨拶から始まり、互いの歴史や宗教などを語り合うの
だ。意外にも、多くの共通点がみつかるかも知れない。彼らも同胞
との殺し合いを経験しているかも知れないし、宗教間で争ったこと
があるかもしれない。また、その渦中かも知れないし、その愚かさ
に気づいて乗り越えたのかもしれない。人類は彼らから相克の愚を
認識する智慧を授かるかもしれない
逆のことも考えられる。彼らは戦乱の最中で、人類は過去の愚行を
彼らに告げられるかもしれない。どちらにしても、互いに良い方向
に向かうための話し合い、智慧の交差は健全で平和で建設的だ
しかし問題がある。地球とケプラー22bとは、光の速度で600年も
離れているのだ。宇宙の広さから見れば“肩が触れ合う”程の近さ
だが、光通信で交信しても、挨拶だけで1200年かかってしまう
互いの智慧を授けあうには何億年もかかるのだ。その頃には、交信
がなくても、互いに賢くなっているか、それとも愚かに滅びてしま
っているかのどちらかだ
滅びるパターンの前提となるのは「力による宗教の布教」「侵略」が
横行している文化の場合だが、ここでは前者を前提に考えてみる…
文明が滅びず生き残り反映したからには、源泉となった智慧を手に入
れたということだろう。その智慧がないことには愚かを繰り返すこと
になるからだ。智慧は英知であり、慈悲である。慈悲ある生き物は
その英知・智慧を皆に伝えようとするだろう
時間的ロスを考慮し、挨拶は抜きにして、自らが手にした最高の智慧
を、自らの通信手段で相手に送ることを考える。それは最高度ゆえに
エネルギーと質量の法則「E=mc²」のように単純化した数式、記号、音
言葉となるに違いない。その「智慧」が送られてきた時、人類はどん
な反応をするだろうか。「なんだこれは?」となるか、それとも
「ああ、やはり最高の智慧は同じだった」と感涙するか。果たして…