全てがズレている…

　　　 　　小野沢弘史専務理事



ロンドン五輪の女子柔道日本代表を含む15人が、
園田隆二監督ら全日本柔道連盟（全柔連）指導陣
から殴られるなどの暴力と言葉によるパワーハラ
スメントを受けたとして、日本オリンピック委員会
（ＪＯＣ）に告発した件。現役アスリートが指導者
を告発するなど、よくよくのことなのだ
それも全柔連にではなくＪＯＣに訴えた。全柔連では
解決する能力、否、解決する気がないと思ったからだろう。

実際、五輪後に選手から暴力の実態が知らされ
全柔連がとった行動は、園田監督に対して
“始末書の提出と厳重注意処分”のみ。

納得がいかない選手たちはＪＯＣに訴えたのだ。
そうしてＪＯＣは全柔連に事情を聞き注意をした
のだが、全柔連は１ヶ月以上も問題を公表しなかった。
更に、暴力が公になり仕方なく記者会見を開いたのだが
その中身は「園田監督は深く反省している。二度と
暴力はないだろう。監督は続行させる」と
事なかれ主義、隠蔽体質。解決能力ゼロ、選手より
体制が大事という本音が露呈した会見だった

暴力をふるう指導者なんて、百年反省したとしても
信用などできない、というのが選手たちの本音では
ないか。そんな指導者のもとで、なんのわだかまり
なく心からまっすぐに練習などできるはずもない。
そんな状態で金メダルなど無理な話だ。

全柔連幹部は、そんなことも判らないほどズレているのだ
金メダルがとれない云々の前に、組織として完全にズレて
いることを、自分たちがズレていることを、まずは認知す
べきなのだ。そして、暴力反対の若い指導者に、全てを委ね
自らは引退すべきだ…と、僕は思うのだが