「へンくつ日記」

日常や社会全般の時事。
そして個人的思考のアレコレを
笑える話に…なるべく

ゾンビは死なない

2019年11月22日 16時45分23秒 | Weblog
二十数年前のことと記憶している。英国のネス湖に
潜むとされてきた恐竜〝ネッシー〟は、実は自分達の
悪戯だったと、ある老人が死ぬ間際に告白した
おもちゃの潜水艦に30センチメートルほどの
恐竜の首の模型を付け、それを撮影したというのだ
エイプリルフールのジョークのつもりだったが
世界的な話題になり、引くに引けなくなったという
このことは大々的に報じられ、ネッシー信者(石原
慎太郎氏など)を落胆させ、迷信否定論者の溜飲を下げた 
だが最近、その〝ジョークのネタ〟が「本当のこと」
としてネットなどに拡散している
まるで、死んだはずのゾンビが復活するように…
そして、そのゾンビを信じる者も現れだした

東京都杉並区の佐々木千夏区議(46 元N国)が
区議会本会議の一般質問で、江戸時代の朝鮮通信使
は「女性への暴行、殺人、強盗を繰り返していた凶悪
犯罪者集団だった」と発言。不適切な発言だとして
議長から注意を受けた
朝鮮通信使は、本当に犯罪を犯したのか?
朝鮮通信使を研究している仲尾宏・京都造形芸術大
客員教授は「朝鮮通信使が犯罪をしたとする史料は
見たことがない」
つまり事実無根。全くの嘘なのだったのだ
 
何故、そんな嘘をついたのか。実は彼女、朝鮮半島
に住む人々を差別する右翼系の団体の元幹部だった
彼等は、何処かで生まれた作り話に飛びつき、それを
「真実」として吹聴していたのだ
 
世間には、この手の輩は多い
雑誌で「ホローコスト(第二次世界大戦中、
ヒットラー率いるナチスがユダヤ人などの根絶
を目的にした、強制労働やガス室での大量虐殺)
は無かった」との邪説を披露した日本人医師等は
その代表選手の一人だろう
(彼はヴィクトール・E・フランクの『夜と霧』や
『アウシュヴィッツを志願した男』小林公二 著を
読んだことがないのか。あまりに無知だ)
 
だが世間は、嘘を簡単に信じてしまう傾向もある
特に、自分が普段思い込んでいるステレオタイプの
嘘には、面白いように引っかかる。「やはりそうか!」
といった具合に
切り取り報道を元にコメントするワイドショーの
コメンティターも付和雷同の類いだが、そんな彼等の
話を鵜呑みにし、さも自分の意見のように言う人の
哀れさは格別だ

「私は神の啓示を受けた」「私は神と話した」
こんなことを公に言えば、統合失調症の疑いを
かけられ、「まずは検査しましょう」と諭される
のが落ちだが、一昔前、そして呪術が信じられて
いた数百年前、更には原始宗教が広がっていた
数千年前に誰かが言ったとしたら、どうだろう…


今となってはもう取り返しがつかん。この話は
嘘だと知っている連中が黙ってみている間に
その全くの嘘っぱちが伝説になるまでに膨れ
上がってしまった
」(英国の作家ジョセフィン
・テイ著「時の娘」より)
伝説になった嘘は、後でどんな確固とした証拠を
見せて嘘だと証明しても、誰も信じない
真実の座が嘘に渡ってしまうからだ
嘘が中央に鎮座すれば、世界は暗黒時代に戻る
だから、嘘は芽のうちに摘み、根っこまで
引き抜かねばならない…と思うのだが

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