四万十市のイデグチに住む
義理の爺さんが今朝
入院していた病室で
静かに眠るように亡くなった
八十八歳だった
穏やかな顔だったという
大往生だ
生前はいつも日焼けして真っ黒だったが
臨終は映画俳優のように白く二枚目として
霊山へ旅立ったのだ
茶目っ気のある爺さんだった
僕らをとても可愛がってくれた
この写真は以前僕が撮ったものだ
これを葬儀の写真にするという
ただ葬儀では加工して、シャツ姿ではなく
キチンとした背広姿になるのだという
それを知ったなら
彼は大笑いしたことだろう
「ノルくん 俺は背広なんぞ着た事はないゾ」
本当に愛すべき人だった
ありがとう 爺ちゃん
本当にありがとう
懇ろに追善供養の題目をおくる