海外の有名ブランドが次々に
日本から撤退するという報道が流れる
株価が1万円を切ったとか
零細企業の倒産が加速しているとか
従来の“不景気”という言葉では
表現できないような
深刻な経済不安が続いている
年収300万円を大きく下回る家庭が
日本の4割近いというデーターもある
最低限に生きるのも辛い年収だ
日本産業カウンセラー協会の発表によると
9月の自殺予防週間の3日間に実施した
「働く人の電話相談室」には
昨年の2倍の1千件が寄せられた
貧困などを理由に
自殺願望を打ち明ける人も多かったという
だが、相談内容の1位となったのが
「生き方」の不安感によるものだった
それも男性では天命を知るはずの50代
女性は60代の相談者が最も多かった
この、漠然とした不安の原因は何だろう…
細い平均台に立つと不安になる
不安がよけいに足元をフラつかせる
フラつきが不安を加速し恐ろしさが増す
心にも同じことが起こるようだ
心の足場が細いものだと
漠然とした不安から恐怖に変わる
心の足場を堕ちてしまえば
怪我ではすまない
生きていけないのだ
そんな人の不安に付け込み
様々な悪徳商法がはびこって来る
占い・霊・先祖や水子供養等を材料に
壷や印鑑、パワーストーンを買わせる
スピリチュアルなんとかと称して
「僕は霊と話せる」と嘘をつく
(そもそも霊が存在すると誰が証明した?)
証明の出来ないのをいいことに
“信者”を増やし高額な公演料をとり
国技館を借り切って「お説教」をする
会場のロビーでは“ご利益”のある
いろいろなグッズを売りさばく
そんな「不安産業」に就いている者は
全員がダンテの言う
「地獄の門」を潜ることになるだろう
その先の底で七転八倒を繰り返し
永遠に悔やむがいい
ともかく「不安産業」
「振り込め詐欺」
「儲かりすぎる投資」には
くれぐれも注意だ
サンプラザ中野じゃないが
「♪ ぜーんぶ嘘さ
そんなもーのは
まぼろし~」だ
「気をつけなはれや」
おっと、話題がそれた
漠然と「生き方」に不安を持つのは
現代社会で生きる人間の病だ
精神科に行けば「精神安定剤」をくれる
また、寺に行き幾ばくかの供養(金)をして
道徳に毛の生えた程度の「話」を聞き
意味不明の経本(例えその内容が生命否定の
おぞましいものだとしても)を書写することで
少しは気が休まる、かもしれない
だが根本的に不安を消す特効薬は無い
生きている限り不安はあるのだ
不安を消す方法はないか考えていたら
全く違うことが脳裏に浮かんできた
太陽のことだ
あと50億年したら
自ら輝き続け、全ての生命に
膨大な恩恵を与えた太陽も寿命が来る
最期を迎えた太陽は
巨大化し水星と金星を包み込む
やがて急速に小さくなり
地球ほどの大きさになる
その後大爆発を起こし
超新星となる説もあるが
小さくなったままで
ダイヤの鉱石と化すという説もある
地球大のダイヤモンドだ
いずれにしてもロマンだ
自らの命を燃やし人のために生き
最期は死というトンネルを経て
新しく輝きの星として生まれ変わるのだ
または、人のために生きた功績が
自らをダイヤモンドに変え
大宇宙の中で煌き続けるのだ
太陽の人生に生きる不安はないだろうな
そんなことを考えていたら
不安を感じる自分が
とても小さいものに思えてきた