Cafe & Magazine 「旅遊亭」 of エセ男爵

志すは21世紀的ドンキホーテ?
はたまた車寅次郎先生を師に地球を迷走?
気儘な旅人の「三文オペラ」創作ノート

カレーの栞:真打ビィーフカレーの味と値段のバランスは?(6/6)

2007-11-22 15:20:20 | 食彩+酒の肴
<添付画像>:(広島リーガロイヤルホテルcoffee-shopにて……)


 さあ、いただきま~す!

 「……!」

 さすがです。

 いまや巷の「ありきたりの言葉」になってしまったけれど、まさに、この味はまろやかでコクがあって風味豊かな味わいであるぞ!

 でも、なんだかカレーライスに鎮座するビーフステーキがもったいない。

 小皿に取り分け、辛子醤油かバターを乗っけて、別に食したい気分である。

 「……?」

 「ハイ、お値段は確か、¥1,8?0.- 也……」

 先にご紹介した「スタンダード・カレー」よりも600円割高?

 さりとてこれがカレーライスだけの値段と思えば、確かに高い! 加えて、シーザーズサラダ&トマトジュースを合算すれば、トータル三千云百円の昼食代だから安くはない。

 何度か、ホテルの現役料理人から聞かされたことがある。 つまり、「なぜホテルのカレーが高いか!?」に、ついての話である。
 老舗のホテルは、まず、その「ホテル独自の味」を、かたくなに守り続けている。 中でもソースの味は何十年もの伝統に則って引き継がれている。 素人が考えるほどに簡単にはソースは作れない。 たとえば軽トラックの荷台一杯分の玉葱を調理し、炒め煮込んで丸3日間、ようやく1.5リッター程度のオニオンペーストが出来るというもの。
 あれこれ考えれば、この一皿分のカレールーを作るのに、あまたの調理人が数日時間を掛けて複数の食材を炒めて煮込んでいくのだから、食材経費はもとより人件費に光熱費を加えて割り出していけば、なんだか値段を云々することそのものが「申し訳ない!」などと、このカレーの調理に携わった関係者とこのレストランサービスに携わっているウエイターウエイトレスの皆々様ご一同にまずは感謝し、その後、直ちに謝らなくてはならなくなる。

 銭金(zeni-kane)を云々するようでは、ホテルレストランでカレーライスを食するに値しない顧客である!等と、あらためて痛感するのであります。

 かくして、納得のいくカレーを食すならば、

まずは、
  A.一流ホテルのコーヒーショップにて、

それが嫌なら、
  B.各自の家庭にて、
 
 ま、トコトン納得のいくカレーを各自自宅で調理するとなると、予定外の食材を用意し、それ相応の日数と時間を掛け、手間隙いとわずセッセと自己主張的カレーの味を工夫しなければなりませんぞ。

 ならば、このリーガロイヤルホテルの「ビィーフカレー」の一品に相当する「自分好みのカレー」を作るとなると、食材だけでも2,000円をオーバーするであろうし、調理創作の時間を(時間給的に)加算すれば、たぶん2~5万円くらいの値段になるのではないでしょうか。

 あれこれ比較対照的に考えると、レストランでいただく料理の価値が見えてくるのだ。と、納得してしまうのであります。


 <カレーの栞・-完->


 関連過去記事『カレーの栞(5/6)』 は、こちらから入れます。(戻れます…)