Cafe & Magazine 「旅遊亭」 of エセ男爵

志すは21世紀的ドンキホーテ?
はたまた車寅次郎先生を師に地球を迷走?
気儘な旅人の「三文オペラ」創作ノート

美しき道具(1/3) 「愛用のペティーナイフ」

2005-11-09 02:28:50 | 趣味の話&本と雑学メモ
 すでに12~3年間に亘り、愛蔵し愛用する我輩のペティーナイフを紹介する。

このぺティーナイフ、「男の道具」として旅人である我輩に終始従属し、外国各地を転戦し活躍した、歴戦の「つわもの」である。

刃の素材は「ダマスカス鋼」。
イスラム文化全盛時代、かの中東ダマスカスに於いて製錬鍛造されたという所以を聞いた聞きかじり耳学問情報がある。が、しかし、このナイフは純然たる国産すなわち日本製。たぶん、物好きな刃物職人様が(失礼!物好きは我輩の事なり!)、上述のダマスカス鋼による刀剣に魅せられ、物好きな刃物愛好家に対し趣向をもって鍛造された刃物であろう。
(ケースには「牛刀」と記されているが、実際の用途はペティーナイフである。と思う・・・)
見れば、細い糸屑を解きほぐし、刃の全面に貼り付けたような紋様が特徴である。何故こうなるか?こういう紋様が出るのか?専門的・理論的には良くわからないが、そもそも刃物とは堅い鋼(はがね)と、軟らかい軟鉄を合体させているからこそ、良い切れ味が出て、且つ折れ曲がらないと、聞く。このダマスカス鋼、もともと鋼(はがね)と軟鉄を幾重にも折り曲げ鍛えたのち、このような紋様が出来上がったのか?と、勝手に我輩判断している。(若し、願わくば、読者の中にご専門の方が居られれば、正解のご解答を賜りたく、あつかましくも当記事を通してお願い申し上げる次第であります)
尚、
画質がもっとよければ、紋様の仔細ご覧に入れること可能であるが、難しいか。我が愛用の旧式デジカメの性能がイマイチであるからして、刃の表面の紋様の確認が難しい事、お許しいただきたい。

 日本で購入して後、直ちにハンガリーで活躍。
朝食は週に2~3度、自分で作る。さらに月に2~3度、当時の下宿先の家族と共に夕食をとった。

朝食時は、(といっても、ほとんどブランチに近いものであった)
時に、ブロックのままの生ハムをスライスする・・・
ほぼ毎回、生ベーコンを一口分のブロックに切り分ける、
必ずや毎回、サラミを切り、口に運ぶ、
定番にて毎回、生パプリカを切る、
時々は、プチトマトまたはオニオンをスライスする、、、
(現地で云うオニオンとは親指大の小振りな玉葱に細ねぎが生えてしまったような珍奇なものであった)

たまに下宿先家族との夕食会を催した。
そんな時、このナイフの役割は重要であった。
ディナーの主催者(我輩)が、オーブンにて丸焼きにした「鴨肉」を、メンバーに切り分ける役目を仰せつかるのだ。下宿先の台所にもナイフはあった。がしかし、ブリキ板で作ったも同然のシロモノで、微細にモノを切るには決して役に立たなかった。下宿先家族達とて、自分達の調理にはほとんど自前の一番小さな刃物、すなわち果物ナイフ程度のペティーナイフを器用に使い、ほとんど「まな板」を使用せず、材料を左手に持ち、小さなナイフを右手で操り食材をひねり切り、切り取った食材はそのままナイフの刃先から、親指をひねり使って調理容器に落としていった。つまり、日本のようにまな板に食材を於き、菜切り包丁でトントンと切り刻む行為は、ついぞ見れなかった。調理方法も、お国変われば仕方が違う。食材と調理方法が違えば、鍋釜の造作種類も全く違っていた。
しかし、夕食時には概ね我輩専用の食事用のナイフとなる。なぜならば、食卓で使うフォークの良し悪しはあまり問わない。が、ナイフにはその違いが歴然と現れる。まともに普通に、ビーフステーキや鳥の胸肉、ポークチョップのたぐいの切り分けられるナイフは、その下宿先には一本も存在しなかったのである。地元の連中は、老若男女問わず、「力ずく」で押し切る。しかし我輩、すんなりと肩と両腕指先の力を抜いて、愛用のナイフを料理に当てがうだけで切り分け、ただ単に「優雅」に、ディナーを食したかったのである。(ゆめゆめ、こういう行為はレストランでは厳禁、と心得、ただただ下宿先フラット内での行為に留めておいたこと云うまでもない)

その後、インドネシアに渡り、
東ジャワ州マラン市の下宿先でも活躍した。
時たまオーストラリア産牛肉2~3kgの塊を購入し、(日本より持参の)牛刀で切り分け冷凍保存しておく。その日の嗜好により、朝から解凍。夕刻の早い時間から地元ビンタンビールをあおりながら、ステーキを焼く。ミディアムレアーとなったところで皿に移し、そのままこのぺティーナイフを使用して、ステーキを切り分け食す。しかし多くは、東ジャワ州マラン市郊外にて生産された良質の若地鶏の丸焼きをさばき、さらに食するのに使用した。

バリ島ではほとんど自炊をしなかったので、このナイフの活躍の場はキッチンから書斎へと、勤務場所を変えた。趣味と仕事の都合上、B~B3の鉛筆及び赤鉛筆を使用するから「鉛筆削り」専用ナイフへと役目が変わり、現在に至った。

このナイフの刃渡りは標準(10cm位か?)よりも、約1.5センチくらい長い。長いからいささか扱いにくい。しかし慣れればこの長さがちょうど良くなる。正直言って、果物の皮を剥くには少々長すぎるから要注意、うっかりしていると自分の指先または手の皮を剥く羽目になる。

本来、プロ仕様のペティーナイフらしいが、我輩プロの調理人ではない。そして若し、我輩がプロの調理人であったなら、このナイフの刃渡りは、もう少し短くなっている事、間違いない。なぜなら、刃物は適宜研がなければ道具としての用を成さない。したがってプロは、ほとんど毎日のように刃物を研ぐ。しかし我輩、この刃物の手入れを決して怠ったてはいないものの、今日に至るまでに「研いだ回数」は、いまだ4~5回にとどまっている。

  <・・・続く・・・>

次回は、自分流「刃物の研ぎ方」?を、ご紹介したい。

*人気ブログランキング参加中!人気blogランキングへ