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たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

スズメバチ事件の顛末 その5 ようやく巣撤去

2016-10-22 | 生物とのおつきあい

スズメバチ事件の顛末

 

 先日突然、問題となったスズメバチ騒動?、ようやく決着がつきました。祭りの主催者から話があった翌朝、気軽に、スズメバチ用の殺虫剤をもって現場に行きました。

5匹くらい飛び回っていたのでここだなと思い、早速、殺虫剤を周辺に振り撒きました。案の定、飛び回っていたハチは一時、退散したので、早速、鎌やノコギリで周辺の枝条を刈り払い始めました。すると次々とスズメバチがブーン・ブーンと攻撃をしかけてきました。本来、少し時間をおいてやればよかったのと、すぐに巣が見つかると高をくくっていたのとで、こちらが退散することにしました。さっと退散すればよかったのですが、殺虫剤があるのと、まださほど多くなかったので、攻撃してくるスズメバチめがけて振りまいて抵抗してしまいました。相手は機敏かつ見事な旋回で多少噴射にあたってもひるまず、次々とやってきたため、降参して逃げようとしたとき、一匹が左足膝をさっと刺していったのです。

これはまいったと逃げ帰って、まだ早朝なので、救急車を呼ぼうかと思ったのですが、痛みはあるものの意識はしっかりしているので、なんとかなると思い、119番で受け付けてくれる病院を教えてもらって治療を受けました。医師は慣れたもので、発熱もなく、血圧も正常で、意識もはっきりしていることから、ピンセットみたいな器具(なんどか看護師に指示していたのですが、看護師は慣れていないのか間違ったものを用意するため、最後は医師が自分で探しに行きました)で、針を抜いてくれ、点滴もすることなく、痛み止めなどの薬をいただいて終わりでした。その後痛みが強くなり、とくに脚全体に腫れが広がり、しびれもあり、昨日までこれが続き、やはりなかなか大変でした。

とはいえ、役場で防護服を借りてきて、翌朝は体が動かなかったので、その次の朝、再度挑戦しました。多少、スズメバチが少なくなっていましたが、雄蜂が徘徊しており、そこに殺虫剤を撒き、しばらくして防護服で周辺を刈り払い、巣を探したのですが、見つかりません。そこに再びスズメバチが次々やってきて、作業している体めがけてブーン、ブーンと脅してきます。防護服は大丈夫と思いつつ、すでに刺されているので、もし防護服を突き抜けて刺されたら、今度は危険だという不安がよぎると、作業がはかどらず、結局、途中で投げ出してしまいました。そして5m程度離れたところで観察していたのですが、数十匹が周囲を旋回し、近づくと再び攻撃してくるので、これではらちがあかないと思い、夜間の活動を停止しているときにやろうと、中断しました。

そして今夜は決行と思っていたら、祭りの主催者から連絡があり、他に相談したら、近くのA議員がやってくれるということなので、時間があえば一緒にやることにしました。夕方前に、作業するとの連絡が入り、こちらが仕事中で対応できないというと、防護服を貸して欲しいというので、どうぞということでやってもらったわけです。やっと仕事が終わり、帰ろうかと思ったとき、作業が終わったとの連絡があり、かなり大きな巣だったとのこと。この巣はどこかに処分したので、結局、私も見ることができなかったのです。それにしても1時間半ないし2時間近くかけて作業したのでしょうか、思ったより大変だったようです。防護服を着ていて、次々と襲ってくるスズメバチを網で捕獲したりしながら、作業したそうです。Aさんは相当慣れているのでしょうか、見事な仕事ぶり?を想像します。

今朝、現場に行って、写真を撮りましたので、アップします。木の切り株の下に巣をつくっていたのですが、その上に枝条が一杯あり、それは私が刈り払いしたのですが、その下は竹の枯れ葉や土で埋まっていて、巣が見えなかったのです。先日は木槌をもってきていて、どんどんとそこをたたいたのですが、目標の巣が見えなかったので、壊しきれなかったわけです。次はスコップで掘ろうと思ったのですが、Aさんはどうやったんでしょうね。今度会ったら聞いてみたいと思います。私が写真を撮っていると、毎日散歩している方が大勢で昨夕作業していたとのこと。私は早朝人通りのないときにやっていましたが、ちょうど仕事帰りで通る人がいたので、通行制限をしたりしていたようです。

ともかく、我ながら不甲斐ない対応でしたが、A議員さんの活躍で無事に巣を駆除し、祭り行事も楽しく行うことができると、主催者の人たちも喜んでいることでしょう。

スズメバチ事件の顛末はこれで終わりです。で、残しておいた問題5は明日にします。


問題4 スズメバチ事件の顛末その4 駆除の基準

2016-10-21 | 生物とのおつきあい

問題4 スズメバチを駆除する方法など基準があるか

まず駆除については、問題1で述べましたように、法律で定めているのが森林病害虫等防除法くらいで、それ以外は駆除自体を規制の対象としていませんので、基準もないといってよいと思います。自治体によっては補助制度の中で基準を定めた要綱があるかもしれませんが、その規定が直ちに法的拘束力があるとはいえないでしょう。

では、まったく自由にやってよいかというと、生態系保護や生物保護の観点からの制約、たとえば合理的必要性がないの駆除はできないと考えるのが基本だと思います。方法についても駆除の目的に必要最小限度の方法といった抽象的な目安は考えられると思います。なによりも駆除の際、駆除の方法(たとえば有毒性の薬剤など)によって他の人の健康被害を発生させないようにしないといけないことはもちろん、駆除対象が人を殺傷するような事態を回避することも求められるでしょう。

スズメバチの駆除で言えば、まずは人への殺傷の危険が相当程度、差し迫っている場合である必要があると思います。巣があれば殺してもよい、と言うわけにはいかないでしょう。駆除する場合でも、すべてのスズメバチを殺す必要性は認められないと思います。巣を壊せば、十分で、飛んでいるハチを追いかけて殺すことは避けるべきではないかと思います。巣の壊し方もいろいろあると思いますが、ま、これはある程度は自由かなと思うのです。他方で、周囲の人に危険が及ばないように、駆除作業中は、それが分かるよう警告表示をするのが望ましいと思います。もちろん作業する人は、防護服で体全体をしっかり覆うことを確認し上で、殺傷されないよう注意が必要ですね。

駆除とは異なりますが、イルカやクジラ、マグロなどの捕獲については、世界的に議論になっていますね。捕獲すべきか否か、捕獲のあり方など、それぞれ考え出すと奥が深く、ディープ・エコロジーといった見方を持ち出すまでもなく、議論がつきないと思います。

そういった激論になりやすい問題は少し横に置いておきたいと思っています。

で、問題5の駆除行為によって他人に健康被害を受けた場合について、駆除の基準を含めて検討してみようと思いますので、次に具体の裁判例を取り上げます。


スズメバチ事件の顛末 その1

2016-10-20 | 生物とのおつきあい

秋祭りが各地で賑わっています。昨日、ある主催者から害虫駆除の相談がありました。わが家の竹藪にスズメバチの巣があるようで、その駆除をして欲しいとのこと。竹藪が祭りの山車が練り歩く道路そばにあり、参加者が刺される恐れがあることを心配してのことです。

 

さて、このような場合にも法的な問題点を挙げることができます。たとえば

1 スズメバチの駆除(防除)を行政に求めることができるか

2 巣がある竹藪の所有者に要請できるか(土地所有者になんらかの責任があるか)

3 スズメバチに刺されるなどして損害を受けた場合に誰に賠償請求できるか

4 スズメバチを駆除する方法など基準があるか

5 駆除の際、殺虫剤等により誰かが健康被害を受けたとき責任を負う場合があるか

 

問題1について

現行法で、生物の「駆除」を明記しているのは、松食い虫等を対象とする森林病害虫等防除法くらいでしょうか。それ以外では、「捕獲等」(殺傷ないし殺処分等を含める)を認めている、アライグマやタイワンリスなど特定外来生物を対象とする外来生物法。イノシシやシカなどを対象とする鳥獣保護管理法、鳥獣被害防止特別措置法があります。それに伝染病の場合に殺すことを認める狂犬病予防法と家畜伝染病予防法も関連しますね。いずれも特定の鳥獣を含む生物が対象です。結構、対象が広いですが、それでも生物の種としてはほんの一部にすぎません。

では、それ以外はというと、いかなる生物も駆除・捕獲等を行政が行う法的根拠がありません。ある意味では、動物愛護の世界的金字塔ともいえる?「生類憐れみの令」の基本的精神が現在でも生きているともいえましょうか。むろん、農林水産業の鳥獣被害を理由に捕獲等を促進する鳥獣被害防止特別措置法は、地域の産業、人の生きる糧の保護を優先していますので、綱吉時代にはありえないでしょうね。

結局のところ、それ以外の生物は行政に駆け込んでも、スズメバチ、マムシどころかあらゆる有毒な生物も、害虫・有害生物も行政が法的には対応しなくてもよいのです。長い講釈になりましたが、行政は法的根拠がないと対応できません。

とはいえ、自治体(あるいは首長)たるものは、住民のニーズにいかに対応するかも腕の見せ所です。需要供給のバランス、費用対効果を考慮して、それぞれの自治体では相違工夫していると思います。ですので、中には積極的に自治体自ら駆除を実施する制度や、駆除費の一部を補助する制度を設けているところも相当あります。また、防護服一式などを貸し出すといったサービスを提供する自治体もあります。私は最後のサービスが利用できたので、それを借りてきました。


スズメバチ事件の顛末その2 関連問題

2016-10-20 | 生物とのおつきあい

関連 スズメバチ事件の顛末その2 所有者責任・特段の事情

 たしかに所有者はスズメバチの巣について法的責任はないと述べました。ただ、そういいきれるか、特段の事情を少し検討してみたいと思います。

 まず前提として、スズメバチの特性ですが、一般には強い有毒性の針をもっていて、刺されると強い痛みや腫れとしびれが広がり、場合によっては死に至ることもあります。ただ、通常は、それほど危険ではなく、近づいても、斥候役の雄蜂がやってきたら、おとなしく逃げればなんともありません。むろん近づかなければ大丈夫です。普通は1~2m先を通り過ごす程度であれば危険はないと思います。が、立ち止まって巣の方に近づいたり、斥候を無視していると、有毒針をもつ雌蜂が大勢やってきて、攻撃してきます。その場合でも、さいならといって逃げれば、彼女たち攻撃隊もさほど追尾してきません。ただその段階だと、5~10m周辺は雌蜂群がブーンと警戒音を鳴らして圏内に入ってくる人に攻撃態勢にはいっています。

 というわけで、通常は、巣の存在とスズメバチの出入りしている状態だけでは、通行人に危険が生じることは考えにくいのではないかと思います。しかし、祭りの山車のように、大勢が賑やかに行き交う場合、とりわけ香水をつけていたり、飲酒状態も加わると、スズメバチを興奮させる恐れが高まり、襲ってくるのは不可避ではないかと危惧します。この場合スズメバチの攻撃によって誰かが殺傷されたような場合、誰も責任がないといってよいのかとなると、そうもいいきれないかなと思うのです。

 そのような特別の行事を行う主催者側の責任もありうるし、他方で、そのような行列が通ることを知らされた所有者が責任ないともいいきれない。これは思案所ではないでしょうか。一般論としては両者で話合い協議が望ましいように思います。できれば共同作業で駆除を行うのが望ましいように思うのです。

で決着がつかない場合、これは明確に適合するような基準があるとは思えませんが、所有者は危険除去の責任を負う場合に該当する可能性(あいまいな表現です)があると思います。他方、祭り主催者側も、スズメバチの巣があるの知っているのですから、自ら除去するか、参加者にスズメバチの存在を指摘して香水・飲酒もちろんのこと、興奮させないように行動制限を注意する義務があると思います。後者は無理筋でしょうから、前者の駆除で対応するしかないでしょうね。

その責任の優先度とか分担は、やはり所有者が大きいと考えます(むろん異論があると思います)。とはいえ、所有者が遠隔地にいる場合や所有者(境界も含め)自体がだれか不明な場合は(竹藪ではよくある)なかなか責任を問いにくいのが実態でしょう。


「タケノコ狩り」の顛末

2013-03-28 | 生物とのおつきあい

今日は薄曇りで穏やかな日和。今年初めてのタケノコ狩りでもしてみようと思う。わが家から10分弱の「山歩き」としゃれ込んでみる。

まずは神社の参道で七分咲きの桜が迎えてくれた。神社の前では軽く頭を下げる気持ちで通り抜ける。朝早いと宮司さんが普段着で清掃していたり、枝打ちしていたりするのにお目にかかる。昼前でひっそりと静まりかえっている。

神社を通り過ぎると、鎮守の森のような樹木に囲まれた「宮谷池」というため池が鎮座する。池畔の高木に巣のあるアオサギが今日はどこか狩りにでかけたのか留守のようだ。目を転じると、ため池から流れ落ちるか細い水流が谷間を湾曲して流れている。といっても、その川筋は杉林や竹林に隠れている。

それから柿畑の傍を登っていくと、目的の竹林である。といっても桧林であったが、長年手入れをしないでいたため、いつの間にか竹林とのいわば混交林となっている。林の中は至る所桧の倒木だ。それでも密林状態だったのをここ数年かけて気持ち片付けたので、ほんの少し見通しがよくなった。

それで狙いのタケノコはと上へ下へと歩いてみたが、あちこちが掘られた跡である。掘られた所に、剥がされたタケノコの皮が真新しい。残念、収穫がまったくない。「タケノコ泥棒」だ。見事と言うしかない。4年前にここにやってきたときは、わが家で食べる位は残してもらっていた。それが次第に減って、今年は怪しくなった。泥棒さんも食べっぷりがいいのか、飢えに苦しんでいるのか。

その正体はイノシシである。当初は、長年放置していたので、誰かが取りに来ているのかと思ってしまった。といってわが家では数本もあれば十分なのでまあいいかとのんびり構えてしまう。他方で、掘ったままにしないで、立つ鳥跡を濁さず位にしてほしいなとため息もでてしまった。数年経験するうち、次第にその尋常でない掘り起こし方や食べ滓の皮、その出没情報から、イノシシ以外にはありえないと、昨年ようやく素人なりの結論にたどり着いた。

そのときカーンという甲高い音が遠くで響いた。涼やかな風が気持ちよい。どうやら竹どうしが当たって鳴っているようだ。いい響きだと思いつつ、この桧林に進入してきた竹林は、どうやら密集しすぎているように感じた。孟宗竹なのに、幹径が15cmくらいが多く、20cmを越え30cm近いものはほとんどない。背だけは10m近くもあるのに、ひょろひょろだ。

腱鞘炎の具合がよくなったら、少し間引いて、長岡京の「タケノコ畑」は夢のまた夢として、ちょっぴり小綺麗にしてみたいとの思いつきに満足して、帰路についた。