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原発検査「丸投げ」の実態―原子力安全基盤機構設立以来

2012-01-11 12:02:25 | 原発
 設立以来原子力安全基盤機構は検査を外部に丸投げ。検査院75人中はえぬきは4人のみで、他は原子力関連企業や電力会社などからの出向。

 要するに経産省などの天下り先を原子力産業の金を使って維持してきました、ということだ。

 この手のことは枚挙にいとまがない。役人と政治家が国民の税金を食い物にするのが当たり前になっている。

 *原子力安全基盤機構のHP→http://www.jnes.go.jp/
  タイトルは「JNESは原子力の安全確保に取り組む専門家集団です」

「<独法・原発検査>「丸写し」03年設立以来

毎日新聞 1月11日(水)2時30分配信

 原発関連施設の唯一の法定検査機関で独立行政法人の「原子力安全基盤機構」が、検査対象の事業者の作成した原案を丸写しした検査手順書(要領書)を基に検査している問題で、機構の第三者委員会(委員長・柏木俊彦大宮法科大学院大学長)が、同様の手法が機構発足当初(03年10月)から常態化しているとする調査結果をまとめたことが分かった。第三者委は「信頼に疑念を抱かせる。事業者への依存体質が原因で主体的検査に改善すべきだ」とする報告書を12日、機構に提出する。

 ◇報告書「理解と意識希薄」

 問題は昨年11月、毎日新聞の報道で発覚した。機構側はこれまで「問題ない」との立場だったが大幅な見直しを迫られる。

 学者ら5人で構成する第三者委が検査員への聞き取り調査などを実施。その結果、原発の核燃料を製造・加工する「グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン」(神奈川県横須賀市)に要領書の原案を作成させ、表紙などを差し替えただけの「丸写し要領書」を使った核燃料棒検査が発足当初から続いていることが判明した。

 第三者委の報告書は「検査は安全を担うシステムの一部。事業者に委ねることは許されない」と指摘。要領書さえ見ずに検査・合格させたケースもあることから「何を基準に検査をしているのか。検査への理解と意識の希薄さを示す」と厳しく批判する。

 報告書は関西電力大飯原発の定期検査(09~10年)で、関電の資料の不備を見落とし一部の検査を実施しなかった問題(昨年8月発覚)にも言及し「事業者の検査を形式的に追認していたと思われてもやむを得ない」と指摘。▽緊張関係を保つため事業者との打ち合わせを議事録化して残す▽教育・研修の強化--などを提言する。

 機構は東京電力トラブル隠し(02年8月発覚)で経済産業省原子力安全・保安院が東電による検査結果の改ざんを見抜けなかった教訓から03年10月に設立された。4月、保安院を解体して新設される原子力安全庁(仮称)の所管法人に移行するため「検査体制の抜本的な改善も4月以降になる」(機構幹部)という。【川辺康広】

 ◇解説 検査体制改善は多難

 原発関連施設の検査を巡る問題で、第三者委員会の指摘を受ける独立行政法人「原子力安全基盤機構」は早急に改善を迫られるが、その前途は多難だ。

 機構には昨年11月現在、75人の検査員(非常勤を除く)が在籍する。いわゆる生え抜きは4人に過ぎず、原発メーカーや電力会社など事業者のOBが39人を占め、元々検査で緊張関係が生まれにくい人事構造になっている。65%に当たる49人は50代で、今後次々と退職していく。しかし「待遇が悪いためか新卒者がきてくれない」(機構関係者)といい、人材確保の妙案はない。

 毎日新聞は昨年6月、東京電力福島第1原発の圧力容器の主蒸気逃がし安全弁に対する検査でミスがあり、東電に指摘されるまで気づかなかった問題も報じた。報告書はこれについても「重大な問題」と指摘する予定だ。所管官庁の経済産業省原子力安全・保安院は丸写し問題、検査ミスのいずれについても経緯を把握しながら機構に改善を指導してこなかった。原子力安全庁に移管しても、機構任せでは検査の抜本的な改革は難しい。安全の担保を抜きにした原発の再稼働などあり得ず政府の姿勢が問われている。【川辺康広】」


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