白夜の炎

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歴史に言及できない安倍

2013-01-10 10:37:56 | アジア
 韓日議連を安倍首相が迎えたが、お決まりの日韓連携の必要性を訴えるだけ。

 先方は未来志向の前に、「歴史を直視」を持ってきている。

 中国も韓国も未来を見据えるためには、過去の歴史をどう認識し、いかなる歴史認識に基づいて政治を行うのかが大前提だと考えている。

 安倍にはそれにこたえる力がない。

 彼の歴史観と言えば以下のようになる。

 1 従軍慰安婦→日本の国家とも軍とも無関係。自発的な売春婦に過ぎない。

 2 アジア侵略・太平洋戦争→自存・自衛のための聖戦であり、第二次大戦中のアジアでの戦いは欧米の植民地からの解放戦争であった。

 3 東京裁判→連合国による勝者の裁判であり、認めることはできない。

 こんな歴史観では世界に居場所はない。

 世界の常識はおおよそ以下の通りだと思う。細かいところはともかく。

 日本は満洲事変で侵略戦争を引き起こし、拡大し、世界大戦に世界を引きこんだ戦争犯罪国である。

 アジアの広大な地域で、虐殺、正当な手続き抜きの裁判・処刑、レイプ、細菌戦(中国華東地域でやったことは日本側の記録で確認されている)、化学戦(映画監督の小津安二郎もこの関係の舞台にいた)、捕虜虐待、破壊行為を繰り返したことは明白。

 東京裁判はこのような犯罪行為、侵略戦争を引き起こした(満州事変以前に、ケロッグ=ブリアン条約という、戦争を違法行為とする条約が成立していた)という行為自体が過ちであったことを明確にし、世界秩序の新たなルールとなった。日本は連合国の主張を全面的に受け入れることで、国際社会への復帰を「許された」。

 国連と日本の外務省が約している組織の英語明は、Uniteed Nations つまり連合国である-中国では連合国と訳している。

 戦後世界秩序はファシズム連合を打破した連合国が気付いたのであり、それに異を唱えることは、世界と戦争することを意味する。

 安倍の歴史観では、当面は繕えても長持ちはしないだろう。


「安倍首相、日韓改善に意欲=韓日議連は「歴史直視」言及も

黄祐呂韓日議員連盟会長(右)と握手する安倍晋三首相=9日午後、首相官邸

 安倍晋三首相は9日午後、首相官邸で韓日議員連盟の黄祐呂会長ら韓国与野党議員と20分間、会談した。黄氏は、朴槿恵次期大統領に近い与党セヌリ党の代表。首相は「日韓は双方にとり最も重要な隣国だ。ミサイル発射など北朝鮮問題への対応で協力することが地域の平和と安定に重要だ」と述べ、日韓関係の改善に意欲を示した。

 首相は会談で「首相として初めてお迎えする外国からの賓客だ」と歓迎の意を示すとともに、「日韓に何か問題が起きたとき、問題解決のため、(日韓、韓日)両議連の果たす役割は非常に大きい」と期待を示した。

 これに対し、黄氏は「両議連間で緊密な交流を通じ、友好協力を増進させるべく最善を尽くしたい」と表明。また、「歴史を直視しつつ、未来志向で信頼関係を築いていきたい」と述べた。(2013/01/09-19:41)」

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013010900820


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