白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

各サイクルの見直しは必至!?

2011-07-15 17:26:00 | 原発
 高木文科大臣が、高速増殖炉もんじゅの見直しを表明した。

 もんじゅ-高速炉は、日本の核開発の中で最も重要な施設の一つだ。

 http://www.geocities.jp/tobosaku/kouza/cycle.html 

 上記のサイトは簡単に核燃料サイクルを説明しているが、ようするに沸騰水型原発や加圧水型原発など、日本国内で稼働している原発の燃料の燃えカスを処理して出てくるプルトニウムを、高速増殖炉でウランとともに再利用し、さらなるプルトニウムを作り出し、それを再度燃料として使うことによって、「エネルギーの自立」を図れる、というアイディアである。

 しかしそのためには-いくつも重要なポイントがあるが―高速増殖炉がきちんと稼働して、ウラン=プルトニウムの混合燃料を燃焼させて、そこからより多くのプルトニウムを生産するという仕組みを実現しなければならない。

 しかし高速増殖炉もんじゅは、1991年に運転を開始したものの95年にはナトリウム漏えいの重大事故を引き起こし、2010年になってようやく運転を再開するものの、同年8月に炉内中継器(重量3.3トン)が原子炉容器内に落下するという事故を引き起こし、再度運転停止に追い込まれる。

 この装置は2011年6月23日になって引き上げられたものの、高速増殖炉の完成は遅れに遅れ、六ヶ所村の再処理施設-こちらもトラブルで機能していないが―などと合わせ数兆円が今までに投じられながら何等完成するという展望がない。

 ようやく菅首相の「脱原発」の方針を受けて「もんじゅ」の見直しに向かいつつある。これも正しい方向だと思う。原発関係者、経産省その他の官僚層、東大・東工大など主として国立大学に巣くう御用学者連中、そして無責任で力と金になびききっているメディア関係者に負けず、ただしい方向に突き進んでもらいたい。



「<もんじゅ>文科相、開発継続の是非を検討

  毎日新聞 7月15日(金)11時56分配信

 高木義明文部科学相は15日の閣議後会見で、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、「原子力政策、エネルギー政策の見直しの中で、一つの課題として方向性を出す。

 結論はおのずと出てくる」と述べ、開発継続の是非を検討する方針を明らかにした。菅直人首相が「脱原発依存」を打ち出したことを踏まえた発言で、原発の使用済み核燃料の再利用を図る「核燃料サイクル」が改めて問われそうだ。

 菅首相が13日の記者会見で「段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもやっていける社会を実現していく」と表明し、高速増殖炉への対応も注目されていた。

 高木文科相は「(東京電力福島第1原発事故は)相当に重大な事故なので、改めて議論することは当然。政府のエネルギー・環境会議での議論を踏まえ、もんじゅに対しても対応していかなければならない」と語った。

 もんじゅは95年12月にナトリウム漏れ事故を起こし、運転が止まった。昨年5月に性能試験を再開したが、同8月に燃料交換用機器の一部が炉内に落下するトラブルがあった。文科省によると、今年度予算には運転費や耐震工事費など216億円を計上。これまでの総事業費は1兆円近くに達する。【西川拓】」


最新の画像もっと見る

コメントを投稿