白夜の炎

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インドの政治的危機は改革の好機

2011-09-12 16:18:49 | 国際
 これも前のブログ同様、新興国の中産階級のインパクトを論じている。

 現状のインドの政治的危機こそ、インドに必要な改革の好機ととらえるべきだというもの。

 →http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/22088



 「」焦点〕インド反汚職デモは構造改革の好機、政府は中産層の台頭認識

2011年 08月 30日 15:44

 [ニューデリー 29日 ロイター]
 インドで起きた大規模な反汚職デモは、政府にとって改革や経済成長押し上げの好機かもしれない。

 実際、成長促進は喫緊の課題だ。高金利や政治の停滞を背景に、4─6月の国内総生産(GDP)伸び率は前年比7.7%と、かつての高ペースから鈍化。8月の企業信頼感も2年ぶりの低水準に落ち込んだ。

 著名な社会活動家アンナ・ハザレ氏による断食を受けて、議会は腐敗防止法案の推進を余儀なくされた。さらに今後、地方票やカースト票集めのためのポピュリズムよりも、ガバナンス(統治)のほうが重要だという事実に、与党の国民会議派が気付くきっかけになるかもしれない。

 フィードバック・コンサルティングのV.ラビチャンダー会長は「漂流と政治的停滞の1年だった。ハザレ氏による政府批判が最後の打撃となった」と述べ「政府が死んだふりを続ける余裕はない」としている。


 インドでは12億人の人口のうち地方の居住者が過半数を占める。国民会議派はこうした比較的貧しい地方層の支持を背景に勢力を伸ばしてきた党であり、これまで中産階級は重要視してこなかった経緯がある。

 反汚職デモは転換点になる可能性がある。デモには都市の中産階級が多数参加、地方層と比べて軽視されがちだった階級の力を見せつけた。

 ハザレ氏の主要な支持者である都市部の若い中産階級を取り込むには、都市部経済の成長押し上げや、規制緩和などの改革が必要だろう。


 フィードバックのラビチャンダー会長は「政府が優位な立場に立つことを望むならば、改革はその方法の1つだ。地方・貧困層におもねるだけではだめだということを認識すべきときだろう」との見方を示した。

 
 政府は長年、地方の貧困層を重視した政策をとっており、地方の雇用促進プロジェクトや、食料助成金への財政支出は、巨額に上っている。

 その半面、都市部の居住者には朗報となる、スーパーマーケット・セクターに対する外資の投資開放といった、構造改革は滞りだちだった。



 <成長は鈍化>

 クリシルの首席エコノミスト、D.K.ジョシ氏は「インドは現在、政治の混迷と高金利という2重苦に直面している」と指摘。「政府が構造改革を進めれば、信頼感は回復するだろう」との見方を示している。

 7月のインドの国内乗用車販売台数は、前年同月比16%近く減少し、2年半ぶりに減少に転じた。中国は同月、7%近く増加している。

 一部のアナリストは、構造改革を行わなければ、インドの経済成長率は、いずれ7%にまで鈍化する可能性がある、との見方を示している。

 インド議会の今期の会期は、あと残すところ1週間となった。投資家は、構造改革がどの程度進むか、注視している。改革は魔法の杖ではないが、企業の信頼感回復や投資環境の改善につながるかもしれない。

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 (Alistair Scrutton記者;翻訳 吉川彩;編集 吉瀬邦彦)」


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