白夜の炎

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いわき市市議・佐藤かずよしさんの議会質問から

2011-06-21 16:52:59 | 原発
 いわき市議の佐藤さんのブログからの引用です。

 ちょうど今日-6/21-に市議会で行う質問を転載しました。

 いわき市だけでなく今後私たちが考えるべき問題が多く含まれていると思います。


 「1、いわき市の原発震災対応の問題点と課題について

(1)なかった原発震災想定の地域防災計画と初期対応について

 いわき市は原発震災を想定した原子力災害対策を立てませんでした。

 その結果、原発震災が発生した現在、はたして、市民の生命・身体・財産の安全は確保されたのか。市民が放射線被曝の脅威にさらされている今、いわき市はこれまでの対応をどのように検証、総括するのか。まず伺いたいと思います。

ア、 原発震災は、地震・津波に伴い原子力発電所事故が発生し、通常の震災と放射能災害が複合増幅する災害だが、いわき市はなぜ原発震災を想定した原子力災害対策をたてなかったのか。

イ、 原子力防災対策を重点的に充実すべき地域=EPZに入っていなかったことが、避難指示などの対策がなされず、市民の放射線被曝を拡大する結果になったのではないか。

ウ、 原発震災と市民の被災という現実で、2007年9月定例会でのわたしの原発震災に関する質問への執行部答弁について、どう総括しているのか。

エ、 原子力安全・保安院は、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム=SPEEDIで3月11日の午後10時半に総理大臣に第一原発2号機の「燃料溶融」を報告したが、この予測が公表されたのは3月27日で、事故情報が隠された。いわき市は原子力災害対策特別措置法によって国の指示待ちになり、初期対応の判断を誤ったのではないか。

オ、 いわき市は原発震災を想定した地域防災計画をたてず、初期対応も国の指示待ち状況だった。市民の生命・身体・財産を守るために、地方公共団体は、災害対策基本法の趣旨に則り、国の指示を待たずに迅速に住民に対して必要な指示等を行うことが可能とされているが、今回の事態を反省して、今後は、住民に対して必要な指示等を迅速に行なうべきではないか。


(2) 放射線量の高い福島第一原発から30キロ圏内地区への対応について

 福島第一原発から30キロ圏内のいわき市川前町荻、志田名地区にある川前町第10区と第16区の区長さん連名で、5月23日、市長に対して、要望書が提出されました。両区長は、地域住民が安心して生活できるよう、早急な回答と対応を求めております。

 そこで、福島第一原発から30キロ圏内の川前町荻、志田名地区はじめ、小川町上小川、大久町、久之浜末続など屋内退避地区に指定された地区住民に対する対応が適切であったのか。地区住民からの要望にどう応えるのか。1年の期間内に積算線量が20ミリシーベルトに達するおそれのある区域にどう対応していくのか。伺っていきます。

ア、原発から半径20kmから30km区域の屋内退避地区について、川前町荻・志田名、久之浜末続地区の住民には説明がなかったというが、対象住民へ適切な説明が行なわれなかったことをどう考えているか。

イ、いわき市内の半径20kmから30km区域が「計画的避難区域」「緊急時避難準備区域」に指定されなかったが、外れた理由は何か。

ウ、指定から外れた際に、内閣官房長官の「いわき市からの要請があった」旨の発言をめぐり市長とのやり取りがあったが、事実関係はどうなっているのか。

エ、国は、事故発生から1年の期間内に積算線量が20ミリシーベルトに達するおそれのある区域を「計画的避難区域」に設定したが、いわき市は、積算線量が20ミリシーベルトに達するおそれのある区域を把握しているのか。

オ、積算線量が20ミリシーベルトに達するおそれのある区域を「計画的避難区域」に、今後なお緊急時に屋内退避や避難の対応が求められる可能性が否定できない状況にある区域を「緊急時避難準備区域」に、それぞれ設定するよういわき市として国に求めるべきではないか。

(3)市民の放射線被ばくをより低く抑えるための対策について

 3月11日の原発震災以来、東京電力はもちろんのこと、国・県・市行政のあり方に疑問を持った市民が、放射能災害から身を守るために自主的に立ち上がり、活動しています。
 こうした市民の自主的な行動に、行政はどう応えていくのか。市民の放射線被ばくをより低く抑えるために、具体的な対策を伺っていきます。

ア、市内の学校、幼稚園、保育所、児童施設、行政区毎に1台のガイガーカウンターを配備し、保護者・市民が日常的に放射線量を確認できるしくみを作るべきではないか。

イ、学校給食については、牛乳はじめ食材の分析結果、放射性物質が検出された場合は、その食材を利用しないことを宣言し徹底すべきではないか。

ウ、子どもたちを守るため、夏期休業中に1ヶ月程度のサマーキャンプや「林間学校」を県内外で開催して保養を進めるべきではないか。

エ、食品等の放射能汚染を測定するために、いわき市が放射能測定器を導入し、いわき市放射能測定室を整備すべきではないか。

オ、市民が自分の内部被曝を知り健康を管理するため、いわき市にホールボディカウンターを早急に導入し、いわき市放射線被曝健康管理室を整備すべきではないか。

カ、原発震災による被曝者に対する特別措置法の制定により、「被曝者健康手帳」の交付を行ない、定期的な健康診断などの健康管理、診察、医療行為を無料で保障するよう、国及び県に対して強力に働きかけるべきではないか。

(4)原発震災による被害補償と損害賠償について

ア、原発震災によるいわき市の地方公共団体としての損害額はどの程度になるか。

イ、いわき市として東京電力に対し、原発震災による損害賠償請求を行なうべきではないか。


2、原発震災復興といわき市の脱原発宣言について

(1)原発にたよらない社会を原発震災復興の基本にすることについて

 原発震災は、原子力発電所が地震で大事故を起こし、通常の震災と放射能災害とが複合増幅しているものであり、原発震災からの復興の基本は、いわき市自らが原発に頼らない社会を目指すこととかんがえる。

ア、市長の言う「エコ日本一のまちづくり」や「世界に誇れる新産業・研究都市づくり」を実現するためには、原発震災からの復興の基本として、いわき市自らが原発に頼らない社会を目指すことを、いわき市の脱原発宣言として、全国・全世界に向けて、強力に発信することからはじめるべきではないか。

(2)復旧・復興計画の策定に当たり重視することについて
ア、復旧・復興計画の策定に当たり重視することの第一に市民の安全・安心の最大限の確保を挙げ、地域防災計画の見直しをかかげているが、市民の安全・安心の最大限の確保は、市民の放射線被ばくをより低く抑えるための対策を最重点に具体化することではないか。

イ、復旧・復興計画の策定に当たり重視すること第二に活力を備えたまちの創造を挙げ、新エネルギーの導入促進と新産業・研究都市づくりをめざすとしているが、政府の科学技術部門や放射線医療研究機関の誘致もあわせて進めるべきではないか。

ウ、原発事故対策前線基地としてのいわき市の現状を踏まえ、市民の放射線被曝低減や、各産業、各業種、各企業、個人の被害補償や損害賠償にいわき市が責任を持ってバックアップすることなど、原子力災害の復旧・復興に対応するため、原子力の専門家を含めて必要な人材を招聘し、東京電力・国・県との折衝はじめ今後全ての原子力に対応する部門として、原子力対策室を設置すべきではないか。



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