「[東京 19日 ロイター] - 2015年通年のGDP伸び率は前年比6.9%で、政府目標の7%前後に沿う内容となった。ただ、1990年以来25年ぶりの低水準となった。同時に発表された12月の鉱工業生産や小売売上高も市場予想に届かなかった。市場関係者のコメントは以下の通り。
<中国招商証券(深セン)のエコノミスト、ZHANG YIPING氏>
第4・四半期のGDPの伸び鈍化には季節的な要因もあるが、最大の要因は伸びの鈍化がここ数カ月続いている不動産投資だと思う。2015年にとられた不動産に対する支援策の効果はまだ見られていない。
<コメルツ銀行(シンガポール)のアジア新興国市場担当シニアエコノミスト、チョウ・ハオ氏>
ヘッドラインの伸び率は堅調そうだが、内訳を見ると中国経済全体の低迷を示している。
中国経済の2016年成長率については、市場が6.5%前後とみているのに対し、われわれは6.3%と予想している。投資のさらなる鈍化が避けられない一方で、サービス産業に支えられ安定的に伸びている消費は中国経済が直面する「テールリスク」を低減するのに役立つだろう。
全体的には、中国が今後1年で「ガタガタ揺れる着陸(bumpy landing)」を経験するとみている。
レバレッジ解消を促すため、中国の金融政策は引き続き極めて緩和的になるだろう。中国人民銀行(中央銀行)は向こう数カ月以内に預金準備率を引き下げ、追加利下げを行う可能性がある。
<OCBC銀行(シンガポール)のエコノミスト、TOMMY XIE氏>
中国経済には安定化の兆しがやや見られるが、ファンダメンタルズの点では、力強さがまだ十分ではない。中国は過剰設備や高水準の企業債務など異なる種類の問題に直面している。こうした問題は成長見通しの重しとなり続ける可能性が高い。
中国人民銀行(中央銀行)は追加の緩和策を講じるだろう。ただ、追加利下げの余地は引き続き非常に限定的である可能性がある。
私は第1・四半期に利下げが1度あるとみている。商業銀行向けの預金準備率(RRR)については、複数回引き下げられる可能性を見込んでいる。
重要なのは通貨のボラティリティーで、これは中国にとって新たなリスクだ。人民元が下落を続ける場合、ボラティリティーと資金流出は悪い方向に向かい、中国経済が成長する上での課題をもたらす可能性が高い。
<GUODU SECURITIES(北京)のアナリスト、XIAO SHIJUN氏>
第4・四半期と2015年の国内総生産(GDP)の数字は予想と一致していた。そのため、市場はさほど反応しなかった。市場は、2016年も中国経済の減速が続き、成長率は6.5%近辺になると予想している。成長率が6.5%を大幅に割り込まない限り、株式市場にとって大きなマイナス要因にはならない。
<オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)香港のエコノミスト、LIU LI GANG氏>
財政および金融政策ではさらなる追加措置が講じられるだろうが、特に金融政策では大規模な追加策が保証されるとは思わない。
中国が借金状態にある点、デフレが景気減速を招いた点、今後数年は減速が続くという成長トレンドを伝統的な金融および財政政策によって変えるプロセスは非常に難しいことを警告したい。
今年の成長率は6.5%に鈍化し、17年は6.0%に一段と鈍化すると予想している。この間、中国政府は国内企業セクターと地方政府セクターにおける借り入れの問題を解消することで改革を加速させる必要がある。
<オックスフォード・エコノミクス(香港)のアジアエコノミスト、LOUIS KUIJS氏>
少なくとも、株式市場の大混乱時に浮上した実体経済めぐる懸念は行き過ぎだったと思う。
今回発表されたような数字は、実体経済について特に取り立てて言うべきことがないことを示唆している。不動産部門の低迷が経済全体を圧迫し、2016年も成長は鈍化する。
景気が突然減速したり、経済が6週間前に想定していたよりも悪い状況になるという兆候はみられない。」
http://jp.reuters.com/article/china-analyst-instantview-idJPKCN0UX09H?sp=true
<中国招商証券(深セン)のエコノミスト、ZHANG YIPING氏>
第4・四半期のGDPの伸び鈍化には季節的な要因もあるが、最大の要因は伸びの鈍化がここ数カ月続いている不動産投資だと思う。2015年にとられた不動産に対する支援策の効果はまだ見られていない。
<コメルツ銀行(シンガポール)のアジア新興国市場担当シニアエコノミスト、チョウ・ハオ氏>
ヘッドラインの伸び率は堅調そうだが、内訳を見ると中国経済全体の低迷を示している。
中国経済の2016年成長率については、市場が6.5%前後とみているのに対し、われわれは6.3%と予想している。投資のさらなる鈍化が避けられない一方で、サービス産業に支えられ安定的に伸びている消費は中国経済が直面する「テールリスク」を低減するのに役立つだろう。
全体的には、中国が今後1年で「ガタガタ揺れる着陸(bumpy landing)」を経験するとみている。
レバレッジ解消を促すため、中国の金融政策は引き続き極めて緩和的になるだろう。中国人民銀行(中央銀行)は向こう数カ月以内に預金準備率を引き下げ、追加利下げを行う可能性がある。
<OCBC銀行(シンガポール)のエコノミスト、TOMMY XIE氏>
中国経済には安定化の兆しがやや見られるが、ファンダメンタルズの点では、力強さがまだ十分ではない。中国は過剰設備や高水準の企業債務など異なる種類の問題に直面している。こうした問題は成長見通しの重しとなり続ける可能性が高い。
中国人民銀行(中央銀行)は追加の緩和策を講じるだろう。ただ、追加利下げの余地は引き続き非常に限定的である可能性がある。
私は第1・四半期に利下げが1度あるとみている。商業銀行向けの預金準備率(RRR)については、複数回引き下げられる可能性を見込んでいる。
重要なのは通貨のボラティリティーで、これは中国にとって新たなリスクだ。人民元が下落を続ける場合、ボラティリティーと資金流出は悪い方向に向かい、中国経済が成長する上での課題をもたらす可能性が高い。
<GUODU SECURITIES(北京)のアナリスト、XIAO SHIJUN氏>
第4・四半期と2015年の国内総生産(GDP)の数字は予想と一致していた。そのため、市場はさほど反応しなかった。市場は、2016年も中国経済の減速が続き、成長率は6.5%近辺になると予想している。成長率が6.5%を大幅に割り込まない限り、株式市場にとって大きなマイナス要因にはならない。
<オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)香港のエコノミスト、LIU LI GANG氏>
財政および金融政策ではさらなる追加措置が講じられるだろうが、特に金融政策では大規模な追加策が保証されるとは思わない。
中国が借金状態にある点、デフレが景気減速を招いた点、今後数年は減速が続くという成長トレンドを伝統的な金融および財政政策によって変えるプロセスは非常に難しいことを警告したい。
今年の成長率は6.5%に鈍化し、17年は6.0%に一段と鈍化すると予想している。この間、中国政府は国内企業セクターと地方政府セクターにおける借り入れの問題を解消することで改革を加速させる必要がある。
<オックスフォード・エコノミクス(香港)のアジアエコノミスト、LOUIS KUIJS氏>
少なくとも、株式市場の大混乱時に浮上した実体経済めぐる懸念は行き過ぎだったと思う。
今回発表されたような数字は、実体経済について特に取り立てて言うべきことがないことを示唆している。不動産部門の低迷が経済全体を圧迫し、2016年も成長は鈍化する。
景気が突然減速したり、経済が6週間前に想定していたよりも悪い状況になるという兆候はみられない。」
http://jp.reuters.com/article/china-analyst-instantview-idJPKCN0UX09H?sp=true
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