アラカン新米ママの東京ぐうたら日記

45歳でできちゃった婚、46歳でいきなりシドニー移住&出産、東京に戻り、右往左往のままはや娘は10歳を過ぎ・・・。

ジョン・オルセン( John Olsen)展、ドキュメンタリー「Whitely」、オーストラリアの大好きなアーチストたち

2017-05-12 17:24:12 | 日記

ネットから借用、「Five Bells」 ジョン・オルセン作

いいお天気が続いた先週、ニューサウスウェールズ州立美術館に行ってみました。
そばに植物園があって、お散歩にもぴったりのロケーションで、美術館内のカフェからの眺めもよく、大好きなスポットの一つです。


これもネットから借用、「King Sun」制作中のジョン・オルセン

でも、アボリジニ・アート以外、あまりこの美術館の展示作品に見るものはないなあ、と傲慢にも、密かに決めつけていたのですよ(笑)。
だって、なんだかヨーロッパの画家の二番煎じみたいな気がして・・・。
なので、この日も全く作品には期待せずに出かけました(笑)。


ネットから借用「Lake Eyre」シリーズの一点。

が、見事に期待が裏切られ(!?)、素晴らしい特別展「ジョン・オルセン展」に出会いました!!
眩しいほどの鮮やかな色合い、子供のような好奇心、遊び心、現実と想像が入り混じる楽しい空間が広がる
大きなキャンバスの数々に、心踊りながら、浸りきりました。


「Paella」そう、あのスペイン料理のパエーリャというタイトル!ジョン・オルセン作。


絵画を愛し、旅を愛し、釣りを愛し、料理を愛し、ジャズを愛し、オーストラリアの大地そのものから深い洞察を得て、
あふれんばかりの人生の喜びと深い精神性を感じさせる作品が並ぶ空間にいること、そのものが喜びでした。

この美術館の通常展の中に、いくつか気に入った作品があり、その一つがジョン・オルセンのものだと、この展覧会をみて
気がつきました(笑)。

なんだか好き、と思っていましたが、ちゃんと名前まで覚えてなかったんですね、もったいなかった・・・!


ネットから借用、現在89歳でまだまだ大活躍中のご様子。

6月12日まで「ジョン・オルセン展」が開催しています。もしシドニーにいらっしゃる予定がある方、ぜひ見てみてください!


ネットから借用、「The Balcony 2」ブレット・ホワイトリー作

さて、この「ジョン・オルセン展」を見る前に通常展をみていた時、「わあ、この絵、好きだったんだよね」と確認した
作品の一つが、この「バルコニー2」です。

シドニーのシンボル的存在のオペラハウスを臨むシドニー湾をバルコニーからみた風景を描いたもので、深い海の青の広がりが
なんとも気持ちがよく、バルコニーの白い枠もなぜかこの広がりを強調しているような気がします。

この絵、横3・5メートル以上、縦2メートルくらいの大きな絵です。描かれているオペラハウス、ハーバーブリッジやヨットなど、観光ハガキのような
アイテムばかりなのに、なぜか遠くの記憶や想像上のもののような、彼岸にあるような感じを受け、そこにも強く私は惹かれました。

この人はどんな人なんだろう、後で調べてみよう、と思った矢先「ジョン・オルセン展」をみてしまい、ちょっと印象が薄れてしまいました(笑)。


ネットから借用、制作中のブレット・ホワイトリー Brett Whitely

しかし、数日後、イザベル・ユベール主演の「Things to Come」という映画を見ようと映画館に出かけた時に、なんと「Whitely」という、
ブレット・ホワイトリーのドキュメンタリーの予告編が流れ、近日公開になると知りました!


ネットから借用「The American Dream」Brett Whitely作。

そして、さっき見てきました(笑)
これまた素晴らしいドキュメンタリー映画で、わずか1時間半ちょっとの間、わずか53歳でこの世を去った天才の人生にどっぷり浸りました。

ごく普通の中流階級の子供としてシドニーに生まれ、両親の離婚のために農業学校の寄宿舎に入れられ、この寄宿舎時代にゴッホを知り、
画家になることを決意。そこから、長い間彼のミューズであり、妻になる女性と出会い、広告代理店を辞職してイタリア留学、60年代初頭ロンドンで
の大成功、オーストラリアでの凱旋展覧会、ヒッピー旋風のあふれるニューヨークでの混乱、フィジーの森林への逃亡・・・と息もつかさぬスピードで人生を駆け抜けていき、常に作品を製作し続けたブレット・ホワイトりーの人生が、様々な映像手法を使って、描かれています。


イタリア留学時代のホワイトリー作品。

果たしてこの作品が日本公開になるかどうか、わかりませんが、シドニーにいらっしゃる予定の方(オーストラリアの他の都市でも
公開するはずです)、この映画、オススメですよ〜〜!!

ジョン・オルセン、ブレット・ホワイトリーブレット・ホワイトリー、両者ともオーストラリアの風景に最終的に真正面から取り組んでいますが、
どこか想像と現実、人物と風景、具象と抽象など、一見対立する要素がごっちゃになったところに、深みと同時に何らかの軽やかさがあるのが、
もしかしたらヨーロッパの二番煎じでない「オーストラリアン・アート」なのかな、と勝手に思ったり。


寒くなってきたので、ベストもきて、登校中。

アウトドア、スポーツに興味のない文科系のワタクシ、ビーチ、ハーバーの美しさ以外にあまりシドニーに惹かれるものはない、と思っていました。
が、どうやらそうでもなさそうだ、と今回、少しずつ再発見しております(笑)。