アラカン新米ママの東京ぐうたら日記

45歳でできちゃった婚、46歳でいきなりシドニー移住&出産、東京に戻り、右往左往のままはや娘は10歳を過ぎ・・・。

「人生スイッチ」久々に映画で、どひゃ〜!

2016-02-23 03:41:53 | 日記
飯田橋のギンレイホールで「さよなら、人類」と「人生スイッチ」の2本立ての映画を見てきました。



「さよなら、人類」の監督、ロイ・アンダーソンの前作「愛おしき隣人」をDVDで見て、いかにも北欧風の静謐な映像がさらに
進んで、緻密に構築された絵画が連続しているような感じ、そして「クフフ」と押し殺した笑い声が出そうなブラックユーモアが
好きでした。

この映画も、前作を凌ぐ静謐で緻密な、超丁寧な職人技のような映像で、冒頭から「むむ、これは!」と思わせます。が、個人的には
あまりにペースが一定すぎて、途中でちょっと眠くなってきちゃった(笑)。

とはいえ、最後の方に出てくるシーンが、悪夢という設定の、あまりに恐ろしくて、この日の夜、私も悪夢を見てしまいました!



そして2本目がこの「人生スイッチ」というアルゼンチン映画。音楽や映像が、ラテンでベタなメロドラマな感じもあり、製作のペドロ・アルモドバル監督の
作品を少し彷彿させるな、と思っていたら、いやはや、とんでもなくぶっ飛びな結末のエピソードが6本続き、思わず「え〜!」という驚きと「あはは〜!」
という爆笑の声を何度も上げてしまいました!!このポスターですとスラップスティックな感じですが、そんなもんじゃありませんですよ。


「子供のアトリエ」で紙芝居を作りました。

英語のタイトルは"Wild Tales"、ワイルドな話という、ほぼスペイン語の原題 "Relatos Salvajes" の直訳みたいですが、もうね、ワイルドなんて
カタカナにしてられない、野蛮、とか、野生本能むき出し、ですよ。
きゃあきゃあ言いながら、最後まで見終わると、ラテンの激情の追求度に半ば呆れつつも、ものすごい爽快感を感じていることに気づきます。
ここまでやると、カタルシスも半端じゃないです(笑)。


ノリノリで紙芝居実演中。

アルゼンチンでは歴代1位の興行成績をあげたそうですが、かの国に住む人々のフラストレーション解消にどれほど役だったかが、ということ
なんでしょうねえ。

経済破綻する直前と直後のアルゼンチン、ブエノスアイレスを訪れたことがあり、システムが破綻しても生活しなくてはいけない人々の
諦めとたくましさを感じたことを思い出しました。でもやっぱり諦めきれてなくて、こういう映画で憂さ晴らししたんだろうなあ・・・。

ハリウッド大作のアクション映画とは違う意味の、「どっひゃ〜」な感じを経験したい方には、オススメの映画でございます!



「オーディションで選ばれた素人のおばさんばかりを集めた映画」というようなコピーに惹かれて、見てみたDVD「滝を見に行く」も
それほど意外性はなかったけれど、すっきりまとまって、好印象の映画でした。中高年の女性ばかり集まって、うっとおしい感じが
最初はあるのですが(自戒を込めて!)、半分遭難しそうになってから、どんどん人生の垢が落ちてきて、みんな女学生みたいに
なっていくのが、なんだか可愛らしくて、妙に懐かしくて、実はちょっと涙が出ました。


こんなシーンもあります。

以前よく通訳させていただいていた、表現アートセラピーのトレーニング合宿が長野の女神山トレーニングセンターという、自然の美しいところで行われていました。

たまに男性もいるけれど、メインは、中年の女性です。初対面の人がほとんどで、最初は、これから1週間合宿するという不安と期待で、なんだかギクシャクしているのですが、
美しい林の中で、感情を爆発させたり、幼稚園のお遊戯みたいなことしたり、おバカなことをやったりしながら、みんな少しずつ「すっぴん」になっていきます。


同じ画面に娘が二人いるの、変な感じ(笑)。

この映画を見て、そのことを思い出したのです、まさに自然の中で、人生にいろんなものを背負ってきた「おばさん」たち(若い人もたまにいますが!)が、他人、もしくは
自分自身とぶつかり合いながら、どんどん素が出てくる、子どもみたいになっていくプロセス。

背負ってる荷物を、ちょっとだけ下ろせる感じ。あるいは、同じものが違って見える、不思議な感じ。ちょっとしたおとぎ話に入った感じ。
そしてそれが日常生活にも少しずつ浸透しけるかも、と思える感じ。

それはある種の感動でもあって、それを思い出して涙が出たのかもしれません・・・。


去年の撮影なので、今よりずっと赤ちゃんぽい顔立ち

ところで、このウエブサイトに、今娘が出ております、と最後にまたもや親バカ(笑)。

http://www.toitoitoi.net/