EXEのハーネスの部品のうち、外注に頼んでいるものは、実は、バックプレートのジョイントに使用しているスプリングのみ。
その他の部品は、EXEの工場内で全て生産されています。
生産時に使用する機械は、主に旋盤とボール盤と高速カッター。
ハーネス工場内に旋盤を備えているのは、世界でもEXEとモイス社だけ。
工作機械がハーネスと同じ工場内にあるために、EXEは他社の真似の出来ないスピードでハーネスを開発することが出来ます。
また、ハーネス製造者がコンペティターであり、ミシン職人であり、また、旋盤職人でもあるのは、おそらく、EXEだけでしょう。
さて、本題へと入りましょう
写真はメインラインをスライドさせるスライダーです。
これも旋盤を使用し、材料はジュラコンです。
このスライダーは、写真のジュラコンの丸棒から旋盤で削りだされます。
次回からはその手順をご紹介致します。
さて、いかにしてネオプレンとゴムベルト、伸びる二つの素材を同じ長さで縫製してきれいに仕上げるか?
写真をご覧下さい。
これは、バイアステープやゴムベルトを、生地の端に巻きつけて縫製する時に使うバインダーという道具ですが、実は、この金具の間隔を調整して、ゴムベルトが通り抜けるときの摩擦力を調整しているのです。
一般には、ネオプレンの端にゴムベルトを縫製すると、ゴムベルトの方がミシンの送りの関係で送られすぎてしまい、曲がってしまいますが、そうならないように、バインダーのゴムベルトが通る場所の間隔を狭めてしまい、摩擦を作っているのです。
この方法で何とかネオプレンにゴムベルトをきれいに縫製することが出来ました。
しかし、これはあくまで大ざっぱなところまで…。
実は、その日の湿度が変わると、このバインダーの摩擦力も変わってしまうため、最後はわずかですが、縫製のときに手のひき加減で調整してやる必要があるため、まさに職人技が要求されます。
この作業もそうですが、縫製作業では湿度が大きく影響する事があるため、いつも気を使っています。
ちなみに、一番最初の工程のフォーム材に生地を接着することと、最後の方の工程の、ハーネス表面、オーバーサーフェイス部を裁断するときは、決して雨の日には行いません。