飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

鎧が出来るまで その30

2009-09-28 19:00:29 | ハーネス(HG harness)

Dscf0023 次は、分割フレームをつなぐジョイント部の製作をご紹介します。

RXCシリーズのハーネスには、写真のような二つのバックプレートをつなぐジョイントが使用されています。

このジョイントには、二つの形があり、一つは先端がボール形状、もう一つはお皿の形になっていおり、この二つのジョイントをスプリングが覆ってフレームをつないでいます。

この形は、一般の工場用にはあまり使われてないもので、むしろ、生物の関節部に近い構造をしています。

このような特徴的なジョイントを使用したのには、もちろん、大きな理由があります。

一つは、構造が単純で壊れないこと。この形式ならば、無理な力がかかっても、スプリングがその力を逃がしてくれます。

もう一つの理由なのですが、皆さん、ちょっと考えてみてください。

ある程度の厚みのある「板」を二枚用意します。そして、その板をピッタリと包み込むように袋をかぶせたとします。

さて、この二つの板が入った袋を、スムーズに曲げることが出来るでしょうか?

答はノー。曲がるとき、曲がりの外側の袋の部分が無理やり引き伸ばされてしまい、スムーズには曲がらないはずです。

鎧シリーズ、RXCのジョイントにスプリングを使っているのはこのためなのです。

二つの間のジョイントに、縮むことができるスプリングを使えば、バックプレートがハーネスの袋の中に入っていてもスムーズに曲がることが出来るのです。

弊社以外にも二分割フレームを使うハーネスはありますが、このことを考慮しジョイントを工夫しているのはRXCシリーズのハーネスのみ。

私は、二分割フレームのハーネスは、このジョイント部の構造がスムーズに曲がるようなものになっていてこそ、二分割フレームは完成した形とは言えないと思います。

スペインの有名な建築家、アントニオ ガウディ-はすばらしい言葉を残しています。

「お手本は自然の中にある。設計者はそれを真似るだけ…」。

まさにその通り。自然界には淘汰された上の、完成された形が存在しているのです。

コメント
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