次は、分割フレームをつなぐジョイント部の製作をご紹介します。
RXCシリーズのハーネスには、写真のような二つのバックプレートをつなぐジョイントが使用されています。
このジョイントには、二つの形があり、一つは先端がボール形状、もう一つはお皿の形になっていおり、この二つのジョイントをスプリングが覆ってフレームをつないでいます。
この形は、一般の工場用にはあまり使われてないもので、むしろ、生物の関節部に近い構造をしています。
このような特徴的なジョイントを使用したのには、もちろん、大きな理由があります。
一つは、構造が単純で壊れないこと。この形式ならば、無理な力がかかっても、スプリングがその力を逃がしてくれます。
もう一つの理由なのですが、皆さん、ちょっと考えてみてください。
ある程度の厚みのある「板」を二枚用意します。そして、その板をピッタリと包み込むように袋をかぶせたとします。
さて、この二つの板が入った袋を、スムーズに曲げることが出来るでしょうか?
答はノー。曲がるとき、曲がりの外側の袋の部分が無理やり引き伸ばされてしまい、スムーズには曲がらないはずです。
鎧シリーズ、RXCのジョイントにスプリングを使っているのはこのためなのです。
二つの間のジョイントに、縮むことができるスプリングを使えば、バックプレートがハーネスの袋の中に入っていてもスムーズに曲がることが出来るのです。
弊社以外にも二分割フレームを使うハーネスはありますが、このことを考慮しジョイントを工夫しているのはRXCシリーズのハーネスのみ。
私は、二分割フレームのハーネスは、このジョイント部の構造がスムーズに曲がるようなものになっていてこそ、二分割フレームは完成した形とは言えないと思います。
スペインの有名な建築家、アントニオ ガウディ-はすばらしい言葉を残しています。
「お手本は自然の中にある。設計者はそれを真似るだけ…」。
まさにその通り。自然界には淘汰された上の、完成された形が存在しているのです。