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抗糖化 で 減らせAGEs 

炭水化物も要注意    

チーズはコレステロールを低下させる という研究

2011-11-22 11:32:08 | Medical Papers 紹介
コレステロールに関しては動物性脂肪が良くないと

従来から言われ続けてきました。


動物性脂肪の摂取をできるだけ避けて

コレステロール値を下げましょう、と推奨されてきたんだけれど、

チーズは健康に悪くない可能性を示す研究結果が

コペンハーゲン大学の研究者らによって公表されました。


The American Journal of Clinical Nutrition

10月26日号オンライン版に掲載された次の論文がそれ。


Cheese intake in large amounts lowers LDL-cholesterol concentrations

compared with butter intake of equal fat content




被験者は49名で、1日当たり脂肪から摂取するカロリーの

13%に相当するチーズもしくはバター(いずれも牛乳から加工)を、

6週間にわたり摂取した。


最初の6週間の摂取期間が終了すると、

ウォッシュアウト期間として14日間、通常食を摂取したのち

引き続き6週間は、先にチーズを摂取した者はバターを、

先にバターを摂取した者はチーズに切り替えて摂取を行った。


この結果、

総脂質量も飽和脂肪酸も少ない通常食の期間中と比べても、

チーズ摂取期間にLDLコレステロールや総コレステロール値の

上昇は認められなかった。


しかし、バター摂取期間には、同じ被験者のLDLコレステロールが

平均約7%上昇した。


チーズ摂取期間の被験者のHDLコレステロール値は、

バター摂取期間よりもやや低下したが、

通常の食事期間と比べると低下していなかった。


血糖値はチーズ摂取期間のほうがバター摂取期間より高かった。



このようなチーズの作用機序としては

チーズに含まれるカルシウムによって消化管から排泄される

脂肪の量が増加することが明らかになっている。


この研究でも、チーズ摂取期間に便中の脂肪量がやや増加したが、

その量は統計学的に有意なものではなかった。


他の機序としては、


 1.チーズに含まれる大量の蛋白質

 2.チーズの発酵過程


が考えられ、

いずれもバターと比べた場合、

チーズの消化過程に影響を及ぼしている可能性がある。


なお、この研究はデンマーク酪農研究基金とデンマーク酪農評議会の

支援を受け行われたものです。


Abstractは、↓ をクリックでどうぞ。

Cheese intake in large amounts lowers LDL-cholesterol concentrations
compared with butter intake of equal fat content