先週、夜診を左腰背部痛で受診した26歳女性。
仕事の関係で、毎晩ワイン1ボトル程度を飲むという。
休肝日は、日曜だけとか。
予断を持って、先に検査を指示。
ところが、
検尿やら血液検査の結果、尿路結石も膵炎も否定的。
肝機能もまったく正常。
結局、痛みの部分を触れてみると、
左の傍脊柱筋の緊張があきらかだった。
腰帯点も築賓も、患側に著明に圧痛を認めた。
なので、芍薬甘草湯とミオナールなんぞを処方。
「じゃぁ、お薬出しますから」
というと、
「それから・・・」 と、まだ何かあるらしい。
「禁煙したいんだけど・・・・・。」
「どのくらい吸ってるの?」
「1箱くらい。」
「1mgの?」
「6mgのマルボロー。」
最近は、他の外来でも禁煙希望者をしばしば認める。
舘 ひろしさんのCMの効果なのだろう。
けれど、自分の経験からすると、
要点は 禁煙へのモチベーション がどこにあるか?
だと思うのです。
(ちなみに筆者は、
抗加齢医学会の研修講習会 その5 最終回
にも書きましたが2009年末に突然、煙とオサラバしました)
それまでは、抗糖化サプリを服用しながらも、
そして、アンチエイジングだなんだと言いながらも、
1日5本程度が止められずに、ズルズルしていたのでした。
が、そんなことでは意味ないじゃん!と閃いたとたんに
なんともアッケなく、煙と縁を切れたのでした。
そこで、この方には
「一卵性双生児の姉妹がいて、若い頃から片方だけが喫煙。
その結果、2人が中年になって
肌状態の圧倒的な違いとなって現れたんです。
化粧品にお金かけるより、タバコをねぇ・・・。」
という、よく知られた話なんかしてみたのでした。
ところが、今回、
喫煙は閉経の早期化と関連
なんていう研究があることを知りました。
Menopause:The Journal of The North American Menopause Society
オンライン版で9月に発表の以下の研究がそれ。
Meta-analysis suggests that smoking is associated with
an increased risk of early natural menopause
およその内容は以下のとおり。
米国、ポーランド、トルコおよびイランの
女性約6,000人を対象とした研究6件により、
非喫煙者は平均46~51歳で閉経に至るのに対し、
喫煙者では全体的にみて閉経が早く43~50歳であった。
また、50歳もしくは51歳をカットオフ年齢として
女性を「早期」閉経群と「晩期」閉経群に分類した他の5研究では、
対象とした43,000人超において、
早期に閉経期を迎える可能性は、
喫煙者の方が非喫煙者よりも43%高かった。
閉経が早期化すると、
骨粗しょう症、心血管疾患、糖尿病、肥満、アルツハイマー病など
閉経後の健康障害が増加し、そのリスクが高まる可能性のあることは
一般的によく理解されているところです。
「総合的にみて、早期閉経はその後の死亡リスクを
わずかではあるが増大させるとも考えられている。」
と、研究者の一人、Dr. Dvornykは補足している。
喫煙が閉経の早期化を引き起こす理由の説明としては、
1、喫煙が女性の身体でのエストロゲン産生機序
もしくはその除去機序に影響する可能性。
2、紙巻きタバコの特定の成分が卵胞を死滅させる。
という2つの説が存在するようだ。
さてさて、もし彼女が次に受診したなら、
今度はこの話を聞かせてあげることにしよう。
Abstractはこちらをクリックで。
↓
Meta-analysis suggests that smoking is associated with
an increased risk of early natural menopause
仕事の関係で、毎晩ワイン1ボトル程度を飲むという。
休肝日は、日曜だけとか。
予断を持って、先に検査を指示。
ところが、
検尿やら血液検査の結果、尿路結石も膵炎も否定的。
肝機能もまったく正常。
結局、痛みの部分を触れてみると、
左の傍脊柱筋の緊張があきらかだった。
腰帯点も築賓も、患側に著明に圧痛を認めた。
なので、芍薬甘草湯とミオナールなんぞを処方。
「じゃぁ、お薬出しますから」
というと、
「それから・・・」 と、まだ何かあるらしい。
「禁煙したいんだけど・・・・・。」
「どのくらい吸ってるの?」
「1箱くらい。」
「1mgの?」
「6mgのマルボロー。」
最近は、他の外来でも禁煙希望者をしばしば認める。
舘 ひろしさんのCMの効果なのだろう。
けれど、自分の経験からすると、
要点は 禁煙へのモチベーション がどこにあるか?
だと思うのです。
(ちなみに筆者は、
抗加齢医学会の研修講習会 その5 最終回
にも書きましたが2009年末に突然、煙とオサラバしました)
それまでは、抗糖化サプリを服用しながらも、
そして、アンチエイジングだなんだと言いながらも、
1日5本程度が止められずに、ズルズルしていたのでした。
が、そんなことでは意味ないじゃん!と閃いたとたんに
なんともアッケなく、煙と縁を切れたのでした。
そこで、この方には
「一卵性双生児の姉妹がいて、若い頃から片方だけが喫煙。
その結果、2人が中年になって
肌状態の圧倒的な違いとなって現れたんです。
化粧品にお金かけるより、タバコをねぇ・・・。」
という、よく知られた話なんかしてみたのでした。
ところが、今回、
喫煙は閉経の早期化と関連
なんていう研究があることを知りました。
Menopause:The Journal of The North American Menopause Society
オンライン版で9月に発表の以下の研究がそれ。
Meta-analysis suggests that smoking is associated with
an increased risk of early natural menopause
およその内容は以下のとおり。
米国、ポーランド、トルコおよびイランの
女性約6,000人を対象とした研究6件により、
非喫煙者は平均46~51歳で閉経に至るのに対し、
喫煙者では全体的にみて閉経が早く43~50歳であった。
また、50歳もしくは51歳をカットオフ年齢として
女性を「早期」閉経群と「晩期」閉経群に分類した他の5研究では、
対象とした43,000人超において、
早期に閉経期を迎える可能性は、
喫煙者の方が非喫煙者よりも43%高かった。
閉経が早期化すると、
骨粗しょう症、心血管疾患、糖尿病、肥満、アルツハイマー病など
閉経後の健康障害が増加し、そのリスクが高まる可能性のあることは
一般的によく理解されているところです。
「総合的にみて、早期閉経はその後の死亡リスクを
わずかではあるが増大させるとも考えられている。」
と、研究者の一人、Dr. Dvornykは補足している。
喫煙が閉経の早期化を引き起こす理由の説明としては、
1、喫煙が女性の身体でのエストロゲン産生機序
もしくはその除去機序に影響する可能性。
2、紙巻きタバコの特定の成分が卵胞を死滅させる。
という2つの説が存在するようだ。
さてさて、もし彼女が次に受診したなら、
今度はこの話を聞かせてあげることにしよう。
Abstractはこちらをクリックで。
↓
Meta-analysis suggests that smoking is associated with
an increased risk of early natural menopause