外科医 アンチエイジングに目覚める!?

目指そう サクセスフル・エイジング !

抗糖化 で 減らせAGEs 

炭水化物も要注意    

喫煙は閉経の早期化と関連

2011-10-24 15:24:51 | Medical Papers 紹介
先週、夜診を左腰背部痛で受診した26歳女性。

仕事の関係で、毎晩ワイン1ボトル程度を飲むという。

休肝日は、日曜だけとか。


予断を持って、先に検査を指示。


ところが、

検尿やら血液検査の結果、尿路結石も膵炎も否定的。

肝機能もまったく正常。


結局、痛みの部分を触れてみると、

左の傍脊柱筋の緊張があきらかだった。


腰帯点も築賓も、患側に著明に圧痛を認めた。

なので、芍薬甘草湯とミオナールなんぞを処方。


 「じゃぁ、お薬出しますから」

というと、

「それから・・・」 と、まだ何かあるらしい。


「禁煙したいんだけど・・・・・。」


 「どのくらい吸ってるの?」

「1箱くらい。」

 「1mgの?」

「6mgのマルボロー。」



最近は、他の外来でも禁煙希望者をしばしば認める。

舘 ひろしさんのCMの効果なのだろう。


けれど、自分の経験からすると、

要点は 禁煙へのモチベーション がどこにあるか?

だと思うのです。

(ちなみに筆者は、

 抗加齢医学会の研修講習会 その5 最終回

にも書きましたが2009年末に突然、煙とオサラバしました)


それまでは、抗糖化サプリを服用しながらも、

そして、アンチエイジングだなんだと言いながらも、

1日5本程度が止められずに、ズルズルしていたのでした。


が、そんなことでは意味ないじゃん!と閃いたとたん

なんともアッケなく、煙と縁を切れたのでした


そこで、この方には

 「一卵性双生児の姉妹がいて、若い頃から片方だけが喫煙。

  その結果、2人が中年になって

  肌状態の圧倒的な違いとなって現れたんです。

  化粧品にお金かけるより、タバコをねぇ・・・。」

という、よく知られた話なんかしてみたのでした。


ところが、今回、

 喫煙は閉経の早期化と関連

なんていう研究があることを知りました。

Menopause:The Journal of The North American Menopause Society

オンライン版
9月に発表の以下の研究がそれ。

Meta-analysis suggests that smoking is associated with

an increased risk of early natural menopause



およその内容は以下のとおり

米国、ポーランド、トルコおよびイランの

女性約6,000人を対象とした研究6件により、

非喫煙者は平均46~51歳で閉経に至るのに対し、

喫煙者では全体的にみて閉経が早く43~50歳であった。


また、50歳もしくは51歳をカットオフ年齢として

女性を「早期」閉経群と「晩期」閉経群に分類した他の5研究では、

対象とした43,000人超において、

早期に閉経期を迎える可能性は、

喫煙者の方が非喫煙者よりも43%高かった。


閉経が早期化すると、

骨粗しょう症、心血管疾患、糖尿病、肥満、アルツハイマー病など

閉経後の健康障害が増加し、そのリスクが高まる可能性のあることは

一般的によく理解されているところです。


「総合的にみて、早期閉経はその後の死亡リスクを

 わずかではあるが増大させるとも考えられている。」

と、研究者の一人、Dr. Dvornykは補足している。


喫煙が閉経の早期化を引き起こす理由の説明としては、

1、喫煙が女性の身体でのエストロゲン産生機序

  もしくはその除去機序に影響する可能性。

2、紙巻きタバコの特定の成分が卵胞を死滅させる。

という2つの説が存在するようだ。



さてさて、もし彼女が次に受診したなら、

今度はこの話を聞かせてあげることにしよう。


Abstractはこちらをクリックで。
      ↓
Meta-analysis suggests that smoking is associated with
an increased risk of early natural menopause