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漫画『たいようのマキバオー(3)』★★★★
この巻になって話が動き始めます。人気を集めるっていうことの難しさ、危うさについて考えさせられます。自分たちのアイデンティティーを失うことなく、むしろそのアイデンティティーを武器に売り出していくことの大切さを教えられた気がします。ところどころ、つの丸流の笑いがありおもしろかったです。
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文庫『きよしこ』(著:重松清)★★★
重松清の自伝的小説です。話としては重松清が読者から作者自身の「どもり」について手紙をもらうことから始まります。そこから今まで「どもる」ことで言えなかったことや、苦労したこと…まぁ一概に悪いことだけだったかっていったらそんなことはないですけど、そういった作者の思い出がつづられています。読んだ感想は『どうしたらいいかわからない』でした。『大変でしたね』と同情するのも違うし、『どもってたって関係ないですね』と励ますとも違う…とりあえず『そうだったのか』と思いとどめるような感じです。私はあまり共感しませんでしたが、話の途中で出てくる『泣いた赤鬼』には考えさせられました。
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文庫『口笛吹いて』(著:重松清)★★★
人生の負け組について書いています。人生に勝ち負けなんてないとはいいつつも、かならずどこかに存在している勝ち負け。それを社会の厳しさというのかもしれません。どんなに一生懸命生きようとしても、必ず報われる保証はなく、負けたルートを進まなければいけない人生。若い時は拒否できた、無視できた負け。でも年老いた大人にはそうすることができない。救われない日々にさいなまれる短編小説集。私の世代が読むと『大人もつらいよな…』って思うかもしれないし、『大人ってつらいよな…』って思うかもしれません。私は前者を最初に感じましたが、次の瞬間には後者を感じました。『大人だからつらいんだよなぁ…』って。泣くに泣けない、引くに引けない。どこで間違ってしまったのかわからない。やりきれないストーリーです。これ読んで私は『私も負け組かなぁ』なんて思ってしまいました。同世代にはあまり勧められません。
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文庫『サッカー・ボーイズ 再会のグラウンド』(著:はらだみずき)★★★★
はじめて読む作家さんでした。文章は癖のある書き方で読みづらい部分もあったんですが、サッカーの試合シーンでは実際に試合会場にいるようでした…それは言いすぎかな、映画を見てる感じに近かったですね。最初はあんま登場人物に期待持てなかったんですけど、時間が経っていくにつれ熱くなりました。いやー少年たちの熱き友情にオジサンはいたく感動してしまったわ。チームっていいよなぁ、友達っていいよなぁって単純に思えました。割とどの世代にもお勧めできる本です。