読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

鬱屈した主婦が怒ると怖い、「アライブ」(米、独、加/2008)

2009-04-11 04:43:10 | 映画;洋画
原題:While She Was Out
監督:スーザン・モントフォード
制作:ドン・マーフィー
製作総指揮:ギレルモ・デル・トロ
脚本:スーザン・モントフォード(screenplay)、Edward Bryant (short story)
音楽:パウル・ハスリンガー
出演:キム・ベイシンガー、ルーカス・ハース、クレイグ・シェイファー、Jamie Starr、Leonard Wu、Luis Chávez、Luke Gair、Erika-Shaye Gair

~キム・ベイシンガーが演じる、日常に疲れた専業主婦、デラ・マイヤーが、クリスマス前にひょんな事で事件に巻き込まれ森へと逃亡する、というスリラー作品。この作品は制作費をあえて低く設定しており、緊迫感のあるドキュメンタリー・テイストの強い仕上がりとなっている。(TimeWarp)~

「While She Was Out」という原題に対し、当初「彼女のお出かけ」という暢気な邦題がつけられていたようですが、ホラー&スリラー映画で、さすがにそれはないだろうと「アライブ」に変更になったようです。しがない証券マンの夫と双子の子供との生活に鬱屈した毎日を送る主婦がクリスマスプレゼント用の包装紙を買いにショッピングセンターに出かけたことから始まるストーリー。

正直言って、まさかこういう展開にはならないだろうと思っていると、どんどんそういう展開になったことが残念な作品です。主人公のデラを演じるキム・ベイシンガーの「セルラー」(2004)では携帯電話が重要なファクターになっていましたが、本作ではその携帯電話が全く使えない状況下で深みにはまっていく展開になっています。生還したデラが自宅に戻るエンディング部分で、ずぶ濡れのまま二階の子供の寝室に向うシーンで、酔った夫が、彼女がつけたブーツの足跡を見て、「日本人はちゃんと靴を脱ぐぞ。オレも脱ぐけど」というセリフがあって、ちょっと笑えましたがその後大変なことに・・・。

本作は制作費6億円というインディーズ作品だそうです。最近、制作費が100億~200億円というコミック系の作品を観てきたので、ある意味、懐かしのあるつくりになっていましたが、もうちょっとなんとかならなかったかと思います。大好きなキム・ベイシンガーの主演作ということで手に取りましたが、本作では製作総指揮の一役も担っています。

監督のスーザン・モントフォードは、スコットラン出身の本来、脚本家でありプロデューサーのようです。このブログでも取り上げたクライヴ・オーウェン主演の「シューテム・アップ」(2007)に携わっています。本作のプロデューサーであるドン・マーフィー(1966.4-)がご主人。彼は、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」(1994)、「トランスフォーマー」(2007)を製作しています。

<妊婦との縁が巻き起こすマフィアと大統領候補との闘い、「シューテム・アップ」(アメリカ/2007年)>
http://blog.goo.ne.jp/asongotoh/e/ea538df310151b21024cebd641316f82

<ちょっとだけ日本が登場する洋画(2)、「トランスフォーマー」(米/2007年)>
http://blog.goo.ne.jp/asongotoh/e/1b3db4caf92fc84599a92d4dc18c5976

<Susan Montford- Wikipedia>
http://en.wikipedia.org/wiki/Susan_Montford

<Don Murphy - Wikipedia>
http://en.wikipedia.org/wiki/Don_Murphy

主演のキム・ベイシンガー。今年、55歳であります。本作ではおそらく、40代前半の女性の設定でしょうが、全く違和感がありません。今年公開になるグレゴール・ジョーダン監督の「The Informers」、「バベル」(2006)を撮ったメキシコ人映画監督ギジェルモ・アリアガの作品でシャーリーズ・セロンと競演する「The Burning Plain」に期待したいと思います。彼女については「ザ・センチネル」で取り上げました。

<「24」は越えられないけどいい、「ザ・センチネル(陰謀の星条旗)」(アメリカ/2006年)>
http://blog.goo.ne.jp/asongotoh/e/565db7081656be8f386ecaa6aa57201e

デラを狙ったばっかり大変なことになる不良グループのリーダチャッキーを演じるのは、ルーカス・ハース。なんとハリソン・フォード主演の「刑事ジョン・ブック/目撃者」(1985)でその目撃者となった少年サミュエル・ラップ役だったんですね。当時9歳の少年が、今や33歳。「アルファ・ドッグ破滅へのカウントダウン」、「ダーウィン・アワード」という作品に出演しているそうです。

ルーカス・ハース(Lukas Haas、1976年4月16日 - )は、「アメリカ合衆国の俳優。カリフォルニア州ロサンゼルス市内のウエストハリウッド生まれ。母親は作家、父親はアーティスト。芸能一家に産まれる。幼少時代から両親の影響もあり、自然と音楽や演劇、一つの表現として役者を心目指す。ハースが4歳の時、父親から俳優養成学校に通うようにアドバイスされる」。

「弱冠5歳でオーディションに合格し、子役として『刑事ジョン・ブック 目撃者』に出演を果たした。アーミッシュの少年を演じて強い印象を残した。その後は学業を優先したいが為に、芸能活動を自粛していた。近年では『24 -TWENTY FOUR-』の第4シーズンにも出演している。また、マイ・ケミカル・ロマンスのミュージック・ビデオにも友情出演している」。

「ミュージシャンでもあり、ヴィンセント・ギャロのバンドでギターを弾いている。派手なギタープレイを得意とする。アルコールが大好きで、毎晩、ブランデーを1本空けるのは有名な話である。ハースの趣味は多趣味で沢山の資格を持っている。親友は俳優のレオナルド・ディカプリオ」。(ウィキペディア)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿