読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

夏目漱石と三角関係、そして雨

2007-02-09 09:38:24 | Weblog
私は20歳の頃、夏目漱石に浸りました。彼の小説、評論、漱石論など手に入るものはほとんど読みました。そして、自分なりの漱石論を書きました。その中心は漱石の世界における「雨の設定」でした。「我輩は猫である」「坊ちゃん」以降の作品の主題はほぼ三角関係です。作家として成功した漱石は日本を代表する文化人となり、倫理ある生活を甘受しました。

その生活からの開放、それが小説の中で三角関係を描くことでした。許されぬ恋、その逢瀬で使われたのが雨でした。その二人の恋心の高まりによって、雨は五月雨から台風まで形を変えています。漱石にとって雨は、カーテンの機能を果たしていました。雨を降らせ、二人の世界を外界から遮断させる機能。漱石はそんな雨が好きでした。

夏目 漱石(1867年2月9日(旧暦1月5日) - 1916年12月9日)は、「本名、金之助。『吾輩は猫である』『こころ』などの作品で広く知られる、森鴎外と並ぶ明治時代の文豪である。江戸の牛込馬場下横町(現在の東京都新宿区喜久井町)出身。俳号は愚陀仏」。

「大学時代に正岡子規と出会い、俳句を学ぶ。東京帝国大学英文科卒業後、松山中学などの教師を務めた後、イギリスへ留学。帰国後、東大講師の後、『吾輩は猫である』を雑誌『ホトトギス』に発表。これが評判になり『坊っちゃん』『倫敦塔』などを書く。その後朝日新聞社に入社し、『虞美人草』『三四郎』などを掲載。当初は余裕派と呼ばれた」。

「『修善寺の大患』後は、『行人』『こころ』『硝子戸の中』などを執筆。則天去私の境地に達したといわれる。晩年は胃潰瘍に悩まされ、『明暗』が絶筆となった」。(ウィキペディア)


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