歌わない時間

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レオンハルト『バッハ_復活祭/昇天祭オラトリオ』

2012年01月21日 | CD バッハ
Johann Sebastian Bach
Oster-Oratorium BWV 249
Himmelfahrt-Oratorium BWV 11
Frimmer, Popken, Prégardien, Wilson-Johnson
Choir & Orchestra of the Age of Enlightenment
Gustav Leonhardt
480 2132

1993年録音。73分25秒。DECCA(PHILIPS)。バッハの『復活祭/昇天祭オラトリオ』。レオンハルトがCOAEと組んでPHILIPSに録音したカンタータシリーズ全5枚のうち、DECCAから廉価盤で再発されたのはいまのところこの1枚のみ。ほかの4枚も聴いてみたし。

この2曲は、知名度は高くないと思うけれど、どちらもとてもいい曲。じつはどちらもOVPPのパロット盤でも持ってますが、もすこし人数の多い演奏が聴きたくなってこれを購入。合唱は1パート何人ぐらいで歌ってるんだろう。4人から5人くらいかしらん。華やかというより手堅い演奏。レオンハルトのやや古めかしいというか頑固一徹というか、ぶれのない渋好みの音楽作りと、COAEの人たちの若々しい才能が一体となって、よい成果を上げている。

今から20年くらい前なので、プレガルディエンが若くてよい。プレガルディエンはこの前ケルンで、ヘレベッヘの『マタイ』で福音史家を歌ってましたよ。この人はもう四半世紀ほど、バロック演奏の第一線で活躍し続けてるわけですね。バスのウィルソン-ジョンソンの声はピノックの『ヘンデル_ベルシャザル』以来、久しぶりに聴いた。悪くない。カウンターテナーのポプケンは、いつもこういう歌い方なのかも知れないけど、もすこし余裕がほしい。

『昇天祭オラトリオ』は『ロ短調ミサ』にアルトのアリアを拠出させられたせいでかえってマイナーになっちゃった気がする。冒頭の合唱曲を一度聴いたら忘れられなくなりますよ。おしまいのほうのソプラノのアリアもすてきで、このアリアは、パロット盤で歌っているカークビーの録音が彼女のベスト盤にも収録されているほど。ここで歌っているモニカ・フリンマーはボーイソプラノを思わせる細い声で、いまいち華がないけれど、レオンハルトの音楽にはしっとりと嵌っている。『復活祭オラトリオ』は、40分を越える堂々とした曲ですがそれぞれの楽章はむしろ繊細なおもむき。

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