歌わない時間

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リフキン『バッハ_カンタータ集2』

2009年12月29日 | CD バッハ
J. S. Bach
Kantaten BWV 106, 131, 99, 56, 82, 158
The Bach Ensemble
Joshua Rifkin
458 087-2

1985,88,89年録音。55分45秒/51分10秒。DECCA/L'Oiseau-Lyre。CD1がBWV106、131、99。CD2がBWV56、82、158。CD2はこれ3曲ともバスのためのソロ・カンタータ(歌っているのはJan Opalachという人)だったんですね。それ知らずに買っちゃった。OVPPによるバッハのカンタータ演奏は今ではより成熟して、このリフキンのより密度の濃い演奏がいろいろありそうです。このリフキンのシリーズはその出発点だったもの。今聴くとあまりに素朴でコクに欠けるのは否めない。

リフキンがオワゾリールに録音したバッハのカンタータでは、CD2枚組になったのがもう1組あって、そちらのほうが有名曲がいろいろ入っていて人には薦めやすい。こっちの2枚組はよりマニア向けだと思いますね。いやしかし、それにしてもこの人懐っこさはなんだろう。たしかに、大人の成熟したバッハではないけれど、なんともういういしくて、これはこれでまあ、いいんぢゃなかろうか。古楽器の音色は美しいし、筋は悪くないですよ。

歌い手はすべてアメリカの人たちで、当時の若手実力派をそろえたんだろうと思います。こういう中からバーバラ・ボニーとかシルビア・マクネアーとかも出てきたわけだから、アメリカ人てだけでバカにしちゃいけません。BWV106と131はおなじチーム(4人)が歌っています。ソプラノはAnn Monoyios。この人はいいソプラノ。じつに爽やかでピュアな声で歌います。メンバーは替われど99もほぼ同じ雰囲気。

ヤン・オパラッハはリフキンのこのシリーズに皆勤のバス。いい素質を持ってはいるけど、バッハのソロ・カンタータを歌うにはまだ若すぎました。2枚目の3曲の中ではBWV82がわりとよく歌えていると思います。56はただ譜面をなぞっただけに聞こえた。158はその中間かな。バッハはバス独唱用のカンタータを何曲書いたのか知りませんが、バス歌手のソロのための曲としては貴重なレパートリーですね。

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