歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

マクリーシュ『パーセル/めでたし!輝かしきセシリアよ』

2008年10月16日 | CD パーセル
Purcell
Ode for St. Cecillia's Day 1692 "Hail, bright Cecillia!"
"My beloved spake" "O sing unto the Lord"
Hemington Jones, Wilson, Daniels, le Brocq, Podger, Harvey, Pott, Purves
Gabrieli Consort
Gabrieli Players
Paul McCreesh
471 728-2

1992,94年録音。70分16秒。Archiv。《めでたし!輝かしきセシリアよ》がおよそ50分。それからそれぞれ約10分くらいのバース・アンセムを2曲。ポール・マクリーシュのパーセルを初めて聴きました。ガーディナーの演奏では満足できなかったセシリアのオードがまづ素晴らしいです。それぞれの歌手たちのテクニックがすぐれている上に、マクリーシュの目指すパーセルにむかって、すべてのプレイヤーの心がひとつになってずばっと切り込んでいく。えー、うまく説明できないけどなんかそういう感じなの。とにかく密度の濃い演奏になってます。わたしはマクリーシュの演奏を聴いてはじめて《めでたし!輝かしきセシリアよ》って曲の真価が分かりました。これたしかにいい曲です。

ソリストが8人登場しますが彼らは合唱にも加わっていて、つまりトリニティ・クワイヤと同じシステムですな。ソロ歌う人も含めて、合唱は上から6・4・4・5のようです。いい感じの規模ですね。ソプラノにはコンスタンツェ・バッケスとかサリー・ダンクリーとかいますよ。ダンクリーはタリス・スコラーズ(その他)で有名な、泣く子も黙るおばちゃんですが、バッケスはこの人ガーディナーのモーツァルト・オペラのシリーズに出てたはず。こういう仕事もしてたんや。

"'Tis Nature's voice"はテナーの難曲ですがチャールズ・ダニエルズは的確に音をころがして端正に聴かせてくれます。この人、パドモアやアグニューよりもたぶん上の世代で、地味なので目立ちませんが、ノートルダム楽派あたりからバロックまでいろんなCDで歌ってるので、聴く機会が多いです。

バース・アンセムを2曲収録。パーセルのアンセムはいろんな指揮者やアンサンブルがいろんな曲をリリースしていて、それぞれのCDで収録曲が重なったりもするので聴きくらべが楽しいです。アンセムもいい演奏ですよ。