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アートネタなど日々のあれこれ

危険な関係

2018-04-26 00:51:19 | 映画
恵比寿ガーデンシネマで「危険な関係」を見てきました(ここでの上映は既に終了しています)。

他にも見たい映画があったりとか、元々、原作に興味があったりとか(ヨン様主演の「スキャンダル」も見ましたとも(爆))ということもあるのですが、それより何より、音楽がセロニアス・モンクだったということが足を運んだ最大の要因です。一歩間違えば昼メロみたいになりかねない原作とモンクのあのピアノがどう結びつくんだろう、と興味をそそられ・・・。

音楽と映画の関係、でいえば、なるほどこういうのもありなのか・・・と思わされる映画でした。フランス上流階級の退廃的な雰囲気とモンクの飄々とした不協和音が意外にマッチしています。アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの「危険な関係のブルース」もハマってましたし。フランス映画とジャズって意外に相性がよいのかもしれませんね。マイルスが音楽を担当していた「死刑台のエレベーター」も有名ですが、フランスの監督さんはジャズ使いがうまいということなのかもしれません・・・。

映画自体の感想はといえば、とにかく主役の二人が凄かった。ジャンヌ・モローとジェラール・フィリップ。ジャンヌ・モローの頽廃的な美しさ、ジェラール・フィリップの軽薄そうでいてどこか陰影のある表情。ジェラール・フィリップはこの作品が遺作となり、36歳で亡くなってしまいます。かたやジャンヌ・モローは大女優として天寿をまっとう・・・その対比にも思わずしみじみしてしまいます。

そして、この映画、とにかく女性の撮り方が綺麗&エロい。いったいこの監督さん、どういう人なんだろうと思って調べてみたら、さもありなん、という経歴でした。ブリジッド・バルドーが元妻で、カトリーヌ・ドヌーヴとの間に一子をもうけ、ジェーン・フォンダと結婚&離婚・・・って、どんだけ華麗な女性遍歴やねん、と思わず突っ込んでしまいたくなります。「危険な関係」でマリアンヌ役だったアネット・ヴァディムも元妻って、なるほどそういうことか、そういうことか・・・。

そんなわけで、思っていた以上に楽しめた映画でした。なんでも「危険な関係」って、本作含めて8度も映画化されているとか。時を超えて人の心を刺激し続ける何かがあるのでしょう。それにしても、今でもこの映画のことを思い出すと、モンク独特の不協和音が、頭の中でつーん、と鳴ってしまいます・・・。
コメント
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