8月26日(金)
川上村の奥地、毛木平駐車場にて車中泊の朝。
予想どおり空は明るく、晴れ。
▲ 駐車場脇の登山口を6時半ごろに出発。
今日の予定コースは、
▲ 上方の駐車場をスタート後、左側(西側)の水源地コースをとる。
駐車場1460m ➡ ナメ滝 ➡ 水源地 ➡ 甲武信ヶ岳頂上2475m コースタイム 4時間10分
同じコースを戻れば、CTは3時間20分。
しかしそれではおもしろくないので、戻りは右側(東側)の十文字峠コースで帰りたい。
ただしこの戻りコースのCTは、5時間5分。ピストンに比べて2時間近く上乗せになるので、体調と時限をみて。
▲ 林道を歩き始めるとまもなく、黄色い花の群生が。
あとで調べると、キク科のマルハダケブキだ。
ピークは過ぎていて、正直気持ちの悪い群生だ(笑)。
後にも先にも、花はこれだけだった。
▲ ウムー、千曲川源流地まで4km先か。
ほぼ歩き始めた時から、左側に川がある。
▲ 駐車場には熊出没の表示があったし、このこんもりした山道。
とにかくひとけがない山道なのだ。(出会った登山者は2、3名のみ)
山歩きは哲学の時間。いつもはウルサイと思うのでつけないチンチロリンを初めてぶら下げた。
チロン、チロン、チロン ♪
▲ 左側の千曲川の源流は見えたり見えなかったりするのだが、見えなくてもゴーという流れの音は常に聞こえた。
▲ 出発から2時間近くたったころ、ナメ滝と呼ばれるスポットに来た。
頂上まであと2時間? うん、そんなものだろう。
▲ 平らな岩盤の上を、なめるように川が流れるからナメ滝。
でも、ナメて上を歩くと滑るよ。
▲ この山はこんもりと森林に包まれているから、林床が苔(こけ)むしているところが多い。
実は甲武信ヶ岳は、この信州側の千曲川だけでなく、埼玉側では荒川の、山梨側では笛吹川(富士川)の源流が出ている山。それだけ、豊かな森林と水を包容する山なのだ。
▲ おお、千曲川源流まであと350mか!
千曲川もだいぶ細ってきたな。
▲ ほぼ水源地近くの千曲川の様子。
もう水流というか水量も少ない。
数日前に大雨が降ったあとで、これだからね。
▲ トーチャコ!
シラビソの原生林に囲まれて立つ 「千曲川信濃川水源地標」。
水源の川はこの地標の左側にある。
▲ その川床を覗いてみると。
赤丸のところが、公式的な千曲川水源スポット。
▲ そのスポットには、ブルーのコップが置いてある。
▲ 葉の下の小さい洞(ほら)状の処から清流が、コンコンと湧き出ている・・。と書きたいが、チョロチョロと染み出ている。他のブロガーさんのレポでは、ここは干上がっていたと数週間前にレポしていたから、ボクはラッキーなのだろう。
ブルーコップを洗って、この源流水、日本最長川大河への一滴を、飲んでみると・・
あああ、これは・・・(嘆息)
冷たいけれど、普通の水だった(笑)。
でも、ありがとう千曲川の始まりよ。
さあ、次は甲武信ヶ岳の頂上へ歩を進めよう。
▲ 20分ほど上り詰めると、尾根に出た。
右に行けば、国師ヶ岳2592mへ、そして金峰山2599mへ縦走できる(もう登った)。
左を選んで、甲武信ヶ岳へ行く。
この分岐点から頂上までの30分弱は、一気に急登になる。
▲ ガレ場と空が出てきた。
あの上が、目指す頂上だろう・・
▲ はい、甲武信ヶ岳頂上2475m だった。10:28AM
頂上からは、北に浅間山、東に八ヶ岳、南には富士山を眺める・・
と、ガイドブックには書いてあるが、ああ残念。
山頂は雲に包まれていて、何も見えない。
それでも、一瞬、雲の下部が切れて垣間見れたのが、次の写真。
▲ ま、これじゃあ、何も分かりませんわな。
頂上には、よく有る祠(ほこら)もなければ、三角点もない。
「甲武信ヶ岳は、昔から名山とたたえられた山ではない。・・決して目立った山ではない」と、深田先輩も認めている。しかし、彼が甲武信ヶ岳を「百名山」に加えた理由は、
甲州、武州、信州の三国の継ぎ目に位していて、その名前の付け方の魅力。
しかも、この頂上に降った一滴は、千曲川に落ちて信濃川となり日本海に入る。
他の一滴は荒川に落ちて大東京を貫流し、東京湾に注ぐ。
更に次の一滴は笛吹川に落ちて富士川となり太平洋となる、地勢的意義、深林と渓谷の美しさ
を理由としているようだ。
山頂には1時間弱ほど、とどまっていた。
登りの後半にはソロの男性と登っていて、ランチと共に色々話していたからだ。
彼は、そのままピストンで復路を戻った。
足が遅いからとその理由を言っていたが、埼玉のもう一つの百名山・雲取山を、普通1泊するのに11時間かけて日帰り!したそうだから体力はお持ちのようだった。
で、ボクは?
登りは、コースタイムどおりの4時間で登ってきたし、まだ11時。
疲れてないし、じゃああと5時間かかるが、予定どおり十文字峠周回コースといこうか。
甲武信ヶ岳頂上から真北へ向けていったん下って、また登ること約30分。
▲ お隣の三宝山(さんぽうざん)の頂上へ到達。
ここは標高2483mで、甲武信岳より8m高く、埼玉県内での最高峰だそうだ(笑)。
▲ 三宝山からの眺望は殆ど無いのだが、切れ間があって、雲がかかっていなければ向こうに↑、下に円錐形の甲武信岳が見えて、さらに右上には富士山が見えるそうだ。
三宝山から、又どんどん下っていく。
誰にも出会わない。
わざわざ、こんな周回コースをとる人は少ないのだろう。
▲ 尻岩と呼ばれるところまで下ってきた。
前方の巨大な丸い岩が、尻に見えるからの命名だろう。
この後は、写真のソロの男性と、2人組の女性との同走行となった。
全員初めてのコースであり、他に行き会う登山者もない中、コースを確認しあいながらの自然発生的な呉越同舟となった(笑)。ありがとうございました。
▲ 十文字峠コースは、かなりアップダウンが繰り返されるコース。
時々の高台から後ろを振り返ると、この山容↑が始終目に入ったが、どれが三宝山なのか、、甲武信岳なのか、金峰山なのか、もう全く見当がつかなかった。
▲ ジャーン。
呉越同舟の女性の一人が撮ってくれた写真。
「脚が長く見えるように撮って」 と言ったら、かなりローアングルから構えて撮ってくれた(笑)。
hiroko様、汗だくのTシャツのSora です(爆)。
▲ 次のポイント、大山の頂上2225m へようやく到達。
甲武信岳を下って既に3時間たっているのに、標高的にはまだ250mしか下っていない。毛木平の駐車場へは、あと770m下る必要がある。これは確かに5時間の下りコースだ。甲武信ヶ岳をもう一つ登っているようなもの(笑)。
十文字峠、十文字小屋近くで、事前に警告されていたように先日の暴風雨での倒木があった。
▲ 迂回するのは面倒なので、同行者ともに倒木をまたいで、乗り越えていった。
▲ 十文字小屋2035m に到着。
小休止後、すぐスタート。
ここからは、駐車場まで1時間半の行程のはずだ。
中途で、八丁坂という急傾斜の山道を下る。
なんともなかった右脚の膝が少し痛くなってきた。
今まで痛くなるとすれば、左脚の膝だったのだが。
その左脚は何も感じないから、右脚を少しかばい気味にして下りてきた。
▲ ああー、やっと駐車場が見えてきた。
4時半に無事、帰還。
お疲れさまでした。
休憩も入れて、約10時間の山行となった。
10時間というのは、利尻富士以来だ。
あの時は山道が素直だから、どこも痛みが生じなかったが、今回は岩コロ道が多かったうえ帰りにアップダウンがあったので、右膝に若干痛みが生じたのかも。
クルマの中で、いつものようにスタバフレチローストを淹れて、キューッと口に注ぎながらドーナッツをかじって、1時間ほど休息。
▲ クルマを走らせて、着けたのが清里丘の公園にある「天女の湯」。
美人の湯はあちこちにあって、また皆さんあちこちで試されているでしょうが、ここは天女の湯。
天女までになりたい方はどうぞ。
お風呂のあとは、道の駅・南きよさとへ移動してそこで車中泊。
翌日、また年金生活者らしく無料国道20号線を伝って無事帰った。
了
関連記事: 義母の見舞い 2015.12.5
川上村の奥地、毛木平駐車場にて車中泊の朝。
予想どおり空は明るく、晴れ。
▲ 駐車場脇の登山口を6時半ごろに出発。
今日の予定コースは、
▲ 上方の駐車場をスタート後、左側(西側)の水源地コースをとる。
駐車場1460m ➡ ナメ滝 ➡ 水源地 ➡ 甲武信ヶ岳頂上2475m コースタイム 4時間10分
同じコースを戻れば、CTは3時間20分。
しかしそれではおもしろくないので、戻りは右側(東側)の十文字峠コースで帰りたい。
ただしこの戻りコースのCTは、5時間5分。ピストンに比べて2時間近く上乗せになるので、体調と時限をみて。
▲ 林道を歩き始めるとまもなく、黄色い花の群生が。
あとで調べると、キク科のマルハダケブキだ。
ピークは過ぎていて、正直気持ちの悪い群生だ(笑)。
後にも先にも、花はこれだけだった。
▲ ウムー、千曲川源流地まで4km先か。
ほぼ歩き始めた時から、左側に川がある。
▲ 駐車場には熊出没の表示があったし、このこんもりした山道。
とにかくひとけがない山道なのだ。(出会った登山者は2、3名のみ)
山歩きは哲学の時間。いつもはウルサイと思うのでつけないチンチロリンを初めてぶら下げた。
チロン、チロン、チロン ♪
▲ 左側の千曲川の源流は見えたり見えなかったりするのだが、見えなくてもゴーという流れの音は常に聞こえた。
▲ 出発から2時間近くたったころ、ナメ滝と呼ばれるスポットに来た。
頂上まであと2時間? うん、そんなものだろう。
▲ 平らな岩盤の上を、なめるように川が流れるからナメ滝。
でも、ナメて上を歩くと滑るよ。
▲ この山はこんもりと森林に包まれているから、林床が苔(こけ)むしているところが多い。
実は甲武信ヶ岳は、この信州側の千曲川だけでなく、埼玉側では荒川の、山梨側では笛吹川(富士川)の源流が出ている山。それだけ、豊かな森林と水を包容する山なのだ。
▲ おお、千曲川源流まであと350mか!
千曲川もだいぶ細ってきたな。
▲ ほぼ水源地近くの千曲川の様子。
もう水流というか水量も少ない。
数日前に大雨が降ったあとで、これだからね。
▲ トーチャコ!
シラビソの原生林に囲まれて立つ 「千曲川信濃川水源地標」。
水源の川はこの地標の左側にある。
▲ その川床を覗いてみると。
赤丸のところが、公式的な千曲川水源スポット。
▲ そのスポットには、ブルーのコップが置いてある。
▲ 葉の下の小さい洞(ほら)状の処から清流が、コンコンと湧き出ている・・。と書きたいが、チョロチョロと染み出ている。他のブロガーさんのレポでは、ここは干上がっていたと数週間前にレポしていたから、ボクはラッキーなのだろう。
ブルーコップを洗って、この源流水、日本最長川大河への一滴を、飲んでみると・・
あああ、これは・・・(嘆息)
冷たいけれど、普通の水だった(笑)。
でも、ありがとう千曲川の始まりよ。
さあ、次は甲武信ヶ岳の頂上へ歩を進めよう。
▲ 20分ほど上り詰めると、尾根に出た。
右に行けば、国師ヶ岳2592mへ、そして金峰山2599mへ縦走できる(もう登った)。
左を選んで、甲武信ヶ岳へ行く。
この分岐点から頂上までの30分弱は、一気に急登になる。
▲ ガレ場と空が出てきた。
あの上が、目指す頂上だろう・・
▲ はい、甲武信ヶ岳頂上2475m だった。10:28AM
頂上からは、北に浅間山、東に八ヶ岳、南には富士山を眺める・・
と、ガイドブックには書いてあるが、ああ残念。
山頂は雲に包まれていて、何も見えない。
それでも、一瞬、雲の下部が切れて垣間見れたのが、次の写真。
▲ ま、これじゃあ、何も分かりませんわな。
頂上には、よく有る祠(ほこら)もなければ、三角点もない。
「甲武信ヶ岳は、昔から名山とたたえられた山ではない。・・決して目立った山ではない」と、深田先輩も認めている。しかし、彼が甲武信ヶ岳を「百名山」に加えた理由は、
甲州、武州、信州の三国の継ぎ目に位していて、その名前の付け方の魅力。
しかも、この頂上に降った一滴は、千曲川に落ちて信濃川となり日本海に入る。
他の一滴は荒川に落ちて大東京を貫流し、東京湾に注ぐ。
更に次の一滴は笛吹川に落ちて富士川となり太平洋となる、地勢的意義、深林と渓谷の美しさ
を理由としているようだ。
山頂には1時間弱ほど、とどまっていた。
登りの後半にはソロの男性と登っていて、ランチと共に色々話していたからだ。
彼は、そのままピストンで復路を戻った。
足が遅いからとその理由を言っていたが、埼玉のもう一つの百名山・雲取山を、普通1泊するのに11時間かけて日帰り!したそうだから体力はお持ちのようだった。
で、ボクは?
登りは、コースタイムどおりの4時間で登ってきたし、まだ11時。
疲れてないし、じゃああと5時間かかるが、予定どおり十文字峠周回コースといこうか。
甲武信ヶ岳頂上から真北へ向けていったん下って、また登ること約30分。
▲ お隣の三宝山(さんぽうざん)の頂上へ到達。
ここは標高2483mで、甲武信岳より8m高く、埼玉県内での最高峰だそうだ(笑)。
▲ 三宝山からの眺望は殆ど無いのだが、切れ間があって、雲がかかっていなければ向こうに↑、下に円錐形の甲武信岳が見えて、さらに右上には富士山が見えるそうだ。
三宝山から、又どんどん下っていく。
誰にも出会わない。
わざわざ、こんな周回コースをとる人は少ないのだろう。
▲ 尻岩と呼ばれるところまで下ってきた。
前方の巨大な丸い岩が、尻に見えるからの命名だろう。
この後は、写真のソロの男性と、2人組の女性との同走行となった。
全員初めてのコースであり、他に行き会う登山者もない中、コースを確認しあいながらの自然発生的な呉越同舟となった(笑)。ありがとうございました。
▲ 十文字峠コースは、かなりアップダウンが繰り返されるコース。
時々の高台から後ろを振り返ると、この山容↑が始終目に入ったが、どれが三宝山なのか、、甲武信岳なのか、金峰山なのか、もう全く見当がつかなかった。
▲ ジャーン。
呉越同舟の女性の一人が撮ってくれた写真。
「脚が長く見えるように撮って」 と言ったら、かなりローアングルから構えて撮ってくれた(笑)。
hiroko様、汗だくのTシャツのSora です(爆)。
▲ 次のポイント、大山の頂上2225m へようやく到達。
甲武信岳を下って既に3時間たっているのに、標高的にはまだ250mしか下っていない。毛木平の駐車場へは、あと770m下る必要がある。これは確かに5時間の下りコースだ。甲武信ヶ岳をもう一つ登っているようなもの(笑)。
十文字峠、十文字小屋近くで、事前に警告されていたように先日の暴風雨での倒木があった。
▲ 迂回するのは面倒なので、同行者ともに倒木をまたいで、乗り越えていった。
▲ 十文字小屋2035m に到着。
小休止後、すぐスタート。
ここからは、駐車場まで1時間半の行程のはずだ。
中途で、八丁坂という急傾斜の山道を下る。
なんともなかった右脚の膝が少し痛くなってきた。
今まで痛くなるとすれば、左脚の膝だったのだが。
その左脚は何も感じないから、右脚を少しかばい気味にして下りてきた。
▲ ああー、やっと駐車場が見えてきた。
4時半に無事、帰還。
お疲れさまでした。
休憩も入れて、約10時間の山行となった。
10時間というのは、利尻富士以来だ。
あの時は山道が素直だから、どこも痛みが生じなかったが、今回は岩コロ道が多かったうえ帰りにアップダウンがあったので、右膝に若干痛みが生じたのかも。
クルマの中で、いつものようにスタバフレチローストを淹れて、キューッと口に注ぎながらドーナッツをかじって、1時間ほど休息。
▲ クルマを走らせて、着けたのが清里丘の公園にある「天女の湯」。
美人の湯はあちこちにあって、また皆さんあちこちで試されているでしょうが、ここは天女の湯。
天女までになりたい方はどうぞ。
お風呂のあとは、道の駅・南きよさとへ移動してそこで車中泊。
翌日、また年金生活者らしく無料国道20号線を伝って無事帰った。
了
関連記事: 義母の見舞い 2015.12.5