青い空とわたし

青い空の日  白い雲の帆船をみていると

どこかへ どこまでも Harmonyと

走っていきたくなります

白い山・甲斐駒ケ岳に登る(続き)

2014年09月16日 23時43分52秒 | 同上 (山歩き)
9月14日(日)

早朝、4時に起床。
5時頃に仙流荘前のバス出発場に向かう。



▲ バス停前でもう並んでいる。始発は6:05なのだが、もう運行は始まっている。
(伊那市営南アルプス林道バス)
乗車券販売機の前にも長蛇の列。昨日、事前に往復乗車券を買っておいてよかった。

5時12分に私の乗った満員のバスは出発した。
一般車両は通行禁止のスーパー林道を、約50分ほどバスに揺られて北沢峠2033mに到着。

きれいな水洗トイレで準備をして、登山道を登り始めたのが 6:20AM。



▲ 針葉樹林帯の続く登山道を、小さくジグザグを切りながら登って行く。
針葉樹は密集はしていなくて、比較的明るい。




▲ しばらく急登が続いたあと、最初のポイント双児山2649mの頂上に出た。7:56AM。

ここで、ガイドブックをコピーした地図をどこかで落としてきたことに気付いた。ナイ!
どうしょう。海図なき航海は・・難破する。

近くにいたご夫婦らしい方に、ここはどこでしょう? 甲斐駒まではあとどのくらいでしょう?
と馬鹿なことを聞くと、同情された奥様が「これあげますよ」とご自分のガイドブックコピーをくださった。
もう、もう有難うございます。(上右の写真の右の方でした)

これで、続けられる。なんせ、今回の甲斐駒は急に決めたため、予習不足で簡単な地図でも持っていないと全体の行程がよく分からないのだ。良かった。




▲ 双児山から次のピーク、駒津峰2740mへはいったん下る。そしてハイマツ帯の斜面を登り返して行く↑。

このあたりから後方、横の展望が開けてくる。




▲ 後方の右手前が、先ほど頂上に出た双児山。その後ろにそびえるギザギザ模様の頂きの山が、仙丈ヶ岳3033m
仙丈ヶ岳をズームすると。




▲ 下り落ちる稜線のさまがいいねー。甲斐駒ケ岳の愛称が「南アルプスの貴公子」なら、仙丈ヶ岳の愛称は「南アルプスの女王」なのだ。 荒々しさと優美さ、好対照の山と二つは言われる。
ヨシッ、来年の夏は「女王様」に登るぞ !

更に左横のはるか、かなたには・・



▲ ピラミッド状にとんがった山が見える。北岳3192mだ。富士山に次ぐ日本第2位の高峰も南アルプスにある。
でも北岳は、ベースから距離が長すぎて山小屋に1泊しなければ行けないな。





▲ 駒津峰2752mに到着。8:50AM。出発地の北沢峠から2時間半要した。モデル時間どおり。

そして、ここからの前方にはもちろん、あの白い岩肌が輝く南アルプスの貴公子・・




▲ 甲斐駒ケ岳2967mだ。

甲斐駒の頂上を極めんと、登山者が登って行く・・

ズームすると、




▲ おう、おう、皆さん登っているな・・

その後部には、白い雪渓が・・、ではなくて白の岩肌が見える。




▲ では、私も頂を目指して登ろう。

とはいうものの、最初はどんどん50mほど下って標高2700mまで降りる。
そしてまた登る。




▲ うーん、だいぶ近づいたかな。





▲ いやまだまだ、この尾根を伝っていかねば。





▲ 尾根をたどって、六方石と名付けられた巨大な岩の脇を、順番にすり抜けていく。

この六方石を過ぎると、直登コースと巻き道コースとが分岐するところへ。
もちろん、巻き道コースを選択する。





▲ 山腹を右に巻いていくとしばらくは灌木があるが、これは砂漠のオアシスみたいなもの。
まもなく樹木の無い砂漠地帯に入る。




▲ 岩塊と白い砂の斜面が現れる。




▲ これは、まぎれもなく砂だ。岩は花崗岩だ。




▲ 花崗岩は風雨、風雪にさらされて砂状になったのだろう。

丸くなって、ゴロゴロ転がっている。




▲ 花崗岩も浸食されて、えぐられて溝状になっている。




▲ 岩はキラキラした粒状のごま塩模様、確かに花崗岩だ。

甲斐駒ケ岳は地下の花崗岩が火山活動で押し上げられてできた山なのだ。




▲ こんな奇妙な形状になった岩もある。




▲ 白い砂状の斜面をストックを点いて登っていく。

砂が陽に照らされて、キラキラ輝き、目がクラクラするよ。ほんと。




▲ ああ、あの尾根を伝っていくのか・・・ ヨシッ!




▲ そこは、もう白砂だけ。

これは、いわゆる真砂土(まさど)だ。花崗岩は粒子が粗いうえに、各粒子の熱膨張率が異なる。したがって温度差の大きいところでは、花崗岩がバラバラの粒子になってしまうのだ。

この真砂土が堆積したところの粘着率は小さいから、土自体もくずれやすい。先般の広島の大規模土石流の災害は、この真砂土がくずれ流されたのが原因だったことは、記憶に新しい。

おーこわ。これが、白い貴公子の秘密の岩肌だ。





▲ 山頂までもう少しだ。

最後の登りがいつもキツイ。あえぐ。




▲ 山頂到着。10:40AM 登攀開始から4時間20分要した。




▲ 石の祠(ほこら)が置かれている。

なぜか、ワラジが2足ぶら下げてある。



▲ 360度パノラマといきたいところだが、北と東の方向は雲がかぶさってきて見えない。

南西の方角だけ晴れている。




▲ 正面は、仙丈ヶ岳だがこれも片半分が雲がかかっている。

朝、降りてきた人は頂上は完全なパノラマで、槍ヶ岳も見えたと証言していたが・・
残念だけど、これでもよし、としよう。

お弁当を食べる。昨日の午後、伊那の町のコンビニで買った海苔弁だが・・美味くなかった。
米がいつも以上に固いし、魚のフライを食べる気にはならなかった。

やっぱり、助六寿司弁当でなければだめだ。
(なぜ、とは問わないでいただきたい・笑)


それでも頂上に40分ほどもいて、下山開始。11:25AM。




▲ 降りるときは、砂で足がすべらないようにしなければならない。




▲ 赤子を背中に背負って登ってくるお母さんに出会う。

まあ、まあ。

スキー場で、家族で来ていて、お父さんが背中に子供を負ぶって滑っている人はマレに見るが。
こんな高い山で、しかもお母さんが・・・

帰路は、駒津峰までは同じ道を降りて、駒津峰からは仙水峠経由で別ルートで北沢峠に戻ることに。
往路と復路が同一のピストンよりは、少し距離が長くなるが違う道のほうがいい。




▲ 仙水峠2264mで。




▲ 甲斐駒の頂上の方角は、完全に雲の中だ。もう何も見えないだろう。
山ってこんなものだ。ままにならない。

駒津峰からのこれまでの下りは起伏が無くて、傾斜は急坂だが楽だった。
もう登るのはカンベン、の心境だ。

往路は、岩を両手両足を使って体を引き上げて登る場面が多くて、筋肉の引きつりを警戒した。引きつりそうに感じたときもあったが、なだめてクリアしてきた。

でももう大丈夫。あとはダラダラ降りればよい。




▲ 仙水小屋を通り過ぎて下るころから、沢沿いの道になる。


傾斜は小さいが、長いねー、この道は。



▲ 3時近くに、ようやく北沢長衛小屋へたどり着いた。下山はこれでほぼ終わりだ。

小屋の近くではテントを張っている。


ここから少し坂道を歩いていくと、出発点の北沢峠だが・・



▲ 北沢峠では、もうすでに長い列ができている! 帰りのバス待ちの列だ。

早速、私も並ぶ。15:00PM。


朝6:20AMに登攀開始だったから、8時間40分の山行だ!

これは長時間の部類だ。下りで膝の腱が痛くなることが多い私だが、今日は距離があったにもかかわらず痛くならない。あせらず、ゆっくりおりてきたからだろうか。
前回の、燧ケ岳も無傷だった(笑)。この調子の登山なら、いいなあ。


バスに乗って出発したのは、午後4時だった。

***************


駐車場に戻ってきた。バスの下りは早い。午後4時半。



▲ 駐車場のクルマは、いくぶんまだらになっていた。

Harmonyが、奥で私を待っている。

Sora君よくやった。ごくろうさん。


まず、風呂にはいろうぜ。



▲ 仙流荘には、宿泊者だけでなく立ち寄り湯も可。600円。

登山者であふれかえっているかと思いきや、入浴しているのはほとんどが宿泊者だった。
みなさん、下山と同時に家に向かうのだろうか。

おかげで楽に入れた。

サラダの残りと、レトルトビーフカレーをかき込んで、7時過ぎにバタンキューだった。
痛いところは無いとはいえ、全身がもう疲れていた。
多分今日1日で、年末まで週末ジムでする運動量を全部やってしまっただろう。


*****************

今日の山行コース: