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「おいぬ様」の御岳山へ

2013年01月12日 22時48分50秒 | 同上 (山歩き)
1月12日(土)

皇太子さまの愛された山、奥多摩の御岳山(みたけさん)は、実は古くからのオオカミ信仰に基づく、現代「おいぬ様」の山だ。(ややこしい言い方しとるねキミは。あいかわらず)

今週1月8日付の日経新聞首都圏版に、埼玉、多摩にはオオカミのお札のある神社が多いとの記事があった。秩父の三峰神社、青梅の御岳神社がその代表格だと。

「ふーむ?オオカミが神様になってしまうんか?」 
今週土曜日は、青梅のダルマ市だから、併せて御岳山へまた登ってみようか。




▲ 朝6時に自宅を出て、7時に御岳神社へ上がるケーブルカー前の駐車場に到着。2番目の到着だった。ケーブルカーの1便は7時30分だったが、朝食も摂らずにかけつけたので、クルマの中で食事にした。
今日は、我が家の「お犬様」ポロンを連れてきているので、彼にもドッグフードをふるまった。

8時15分発の3便に乗った。片道人間大人570円、お犬様120円なのだ(笑)。


6分ほどで、ケーブルカーは御岳山駅に到着。ポロンは新しい乗り物に乗ったので、車中私の膝の上でブルブル震えていて、シッコされるのではないかと気が気でなかった。



▲ 早朝なので、参拝者も登山者も少ない感じだった。ワンコを連れているのは、私一人。

まもなく、こんな看板が。



▲ 日本武尊(やまとたけるのみこと)の山中の難を救った「おいぬ様」をご参拝下さい、と。


▼ あの山の頂(いただき)あたりに、御岳神社があるのだろう。



ポロンは、何も知らずに、久しぶりの散歩なので喜んで、私をグイグイ引っ張って歩いていく。




▲ 集落、山門の商店街(みせものや)を過ぎて、大鳥居と随身門のあるところまで来た。

ここを通って石段を上がりつづけると、本殿が見えてくる。



▲ 本殿。神社の正式名は、「武蔵御嶽神社」だ。



▲ 本殿の奥には、いろいろ万(よろず)の神の社(やしろ)が続いている。一番奥に「大口真神」(おおくちまがみ)の社がある。ここがオオカミ信仰のコア地だ。

本殿の前、両サイドに通常は狛犬(こまいぬ)がいるところには、まずこれだ。



▲ 右側



▲ 左側

実に、堂々とした、筋肉隆々の、狛犬ではないな。狼・狛犬か。

▼ このマッチョ狼狛犬の前では、ポロンなど吹き飛んでしまう存在だ。



ポロンの方でも、マッチョ過ぎて、関心の対象外のようだ。

やはり、こんな場所があった。



▲ 愛犬祈願所。神社のHPによると、昨年から「ワンちゃんの健康をお祈り」してくれるサービスが始まったようだ。どんな風に祈願するのか、興味があったが、まだ早くて愛犬家が誰も来ていない。ウチは? 宗旨が違うからダメと、Soraは頑なだ。ポロンちゃん、残念だね。

他にも、おいぬ様グッズが色々とあった。



▲ なんといっても、家に貼るお札だ。「武蔵國 大口真神(おおくちまがみ) 御嶽山(みたけさん)」黒い犬はオオカミだ。先の日経新聞記事によると、農家ないし元農家でこのお札を貼ることが多いとか。「作物を荒らすイノシシ、シカを退治する存在として、江戸時代からオオカミへの信仰が広まった」。かってオオカミは食物連鎖の頂にあった。農家はその力にあやかり、お札で大事な作物を守ろうとしたわけだ。その後に、盗難よけ、火難よけのご利益も加わり、オオカミは「おいぬ様」として一般に広まった。

お札の数え方は1対、2対だが、このオオカミのお札に限っては1匹、2匹だって。




▲ かわいい絵馬だ。



▲ 犬用のお守りもあるヨ。



▲ 絵馬を、こう並べるときれいだ。


私は宗旨が違うからか、ケチなだけか、一つも購入しなかったが。

本殿の裏へ回ってみる。



▲ 左に「神明社」。真ん中の奥に「大口真神社」。右に「旧本殿」が立ち並ぶ。


先ずは、「神明社」の前で鎮座する狼狛犬を見てみよう。



▲ 先ほどの本殿前のマッチョ狼のコンパクト版だな。顔・体つきは十分に立派。タテガミが獅子風だな。

次は、「旧本殿」前の両オオカミはどうかな?



▲ なんか腹の出たオッサン風のオオカミだな(笑)。ポロンがすり寄って頬ずりしてるよ。愛らしいんだよな。



▲ 右側のオッサンオオカミも同じ。ポロンは親しみを禁じえないのだろう。

そして、手前の「皇御孫命社」のオオカミは?



▲ これはオオカミというより・・・体形・鼻形からして、ブタかイノシシだよ。
ポロンは後ろに回って、なんか匂いを嗅ぎ始めたぞ。



▲ 私も後部に回って、微細に観察してみると。おh、菊紋まで、リアルだな。どおりで。


さあ、いよいよオオカミ信仰の本丸の社(やしろ)、「大口真神社」を見てみよう。



▲ 一番奥にある社だ。



▲ 縁起が書いてある。御岳山は日本書紀にも記述がある、由緒ある山なのだ。日本武尊(やまとたけるのみこと)が大白鹿に襲われた時、尊を助けたのが大白狼。そして、そのオオカミは大口真神と共に、この山にとどまっていると。

さあ、ここのオオカミはどうじゃ?



▲ ウーン、これはオオカミだ。この口いっぱいに、歯と牙が剥き出た、恐ろしげな口!!。赤ずきんちゃん助けて!(なんのこっちゃ) そして、この獰猛(どうもう)そうな目!!
本当に、オオカミのイメージだ。男はみんな、オオカミだぞ。



▲ ポロンちゃんは、この2匹のオオカミを見て、後ずさりします。
そして、吠え始めました。オオカミに向かってです。
「オイ、オイ、そう真剣にならなくてもいいんだよ。これ石だから。」だめです、ききません。


けどね、ほんものの狼はこれだよ。社の前に立たされなくて、横の原っぱの石碑なんかの間に一匹だけいるんだけどね。



▲ 皮膚も風雪でだいぶやられているけどね。荒野のローンウルフって感じでね。独りで、吠えているんだよ。特に月夜の時は、ウオーン、ウオーンと一人泣くんだよ。
一匹狼、って誰のことだ。



さあ、これで農民のオオカミ信仰が、商業的に都会人のワンちゃん祈願に転化して、存続していくことのフイールドワークは終えましょう。

今日の、青梅市でのダルマ市開始(午後1時半)までは時間があるので、私とポロンちゃんは、御岳山のお隣の日の出山まで歩くことにした。

片道約1時間の行程だった。



▲ 頂上到達。ポロンとの山行は初めてで、ポロンは足でまといになるかと思ったが、まったく逆。私をどんどん引っ張って上がっていった。アップダウンは、四足、四駆の強みだね。体全体を波打たせて上がって行ってしまう。私は2駆FRで坂に弱い。 おいぬ様、おみそれしました。



▲ 日の出山頂上。富士山もほんの一部トップだけ見えた。



▲ のどかな山並みだなー。


【続く】