イケムラレイコ「うつりゆくもの」に行ってきました。
ペインティング、ドローイング、テラコッタの立体、写真まで。
あれもこれも出来るがトーンはつながってて、でも一致はしていない。
なんというのだろう、ほころび=出口をそのままにして作品が制作されているというような感じがしました。
てっきり年代順に初期から始まるのかとおもったらさにあらず。
コーナーは番号で区切られています。
「1.イントロダクション」
いきなり近作からスタート。
ジュートの目の荒いところが前述したほころび。でも、きっちりとしているよりもこの出口へ向かって開いてる感じがちょうどいいように思えるのです。
「2.新作:山水画」
新作で登場していた山水画と題されたシリーズ4点。
カラーだけどくすんだ色彩と筆のタッチが確かに山水ちっく。
右から2つめのが墨の面持ちでこれが一番好き。
しばらく進むと突然、暗い部屋に。
「4.横たわる人物像」というコーナー。
ここが今回の展示で一番好きな部屋。
真っ暗な壁面にぼうっと浮かび上がる赤い少女の絵画2点。
手前の床にはテラコッタの少女たちが横たわる。この佇まいがなんともいい。
いずれの少女も中ががらんどう。立体もこういうほころびが存在してる。
これは出口だし見えない世界へとつながってるよう。
特に「二羽の鳥をかかえた黄色い服」が印象に残りました。
少女は首がなく胸の前にクロスした腕の一方の先に止まる鳥。タイトルに二羽とあるのでもう一羽は?そう思ってぐるりと回ると背中の側にも3本目の腕がありその先にもう一羽。
明らかにおかしいのだけど、首がないあたりで前と後ろは特定できないところが一応の帳尻ってことなんだろうか。
赤い少女の絵画はぼうっとしていてなんとなくそこにそういうものが存在しているという感じ。ディティールが描かれている必要はない。空気感を放つことに注力すればよい。
この部屋は結構長いこと居ましたね。とても居心地のいいところ。
そして、写真と絵画のインスタレーションを挟んで、「6.うみのけしき」。
ざっくりとしてるのに繊細な感じがする海の景色がなんとも不思議。
そして、朱色のパステルで描かれた樹のシリーズ。
これを超えて「8.成長」。
部屋の最初と終わりにはブロンズの柱。??。ナンバーからタイトルを照合。「うさぎの柱」、「うさぎの柱M」。
なるほど!すごく普通の柱だけどもてっぺんが二股に分かれててうさぎの耳モチーフ。
戦国武将の兜でうさぎの俊敏な動きにあやかろうと「うさみみ」を付けたのがあったのを思い出しました。雰囲気はまるで違うのですが。
部屋の左にはガラスケース越しにテラコッタの像が並んでみました。
うさぎモチーフが多かったのですが尾張のうほうにあった「白い像」がすきですね。
女性のふとともから胸より下くらいまでを切り取ったフォルム。ぎりぎりで抽象にならずにとどまってるくらいの按配がいい。美しい。
あと、このテラコッタの向かいの壁にはテキスト。
そして、しばらく居ると微妙なタイミングでなにがしかの存在を感じさせるサウンド。音楽というのではなく限りなく音効的なサウンド。
次の部屋では本が閲覧できるようになっておりゆっくりも出来ます。
わたしはイケムラの画集を何冊かさらっと見てきました。
そして、「10.ブラック・ペインティング」。
黒い背景に描かれた少女の姿。
像は光。
筆で描かれた同系色のリオは微妙に明度を変えてほのかな広がりを与えている。
たおやかでやすらかな記憶。
このコーナーのはどの絵もいい!とても響きました。空間としてではなく個別の作品の持つエネルギーとして。
続いては、少女以前の東部と胴体が一緒になったモチーフ。これはちょっと微妙にグロテスクさや生っぽさも孕んでいつつもどこか抜けた感じ。
「12.アルプスのインディアン」このコーナーの作品はびっくり。
ぜんぜん線と色の使い方が違う。分けのわからないはずのタイトルに納得させられてします。
「13.1980年代の作品」
このドローイングは線に力があってよし!しかもヘン。
絵画もまた雰囲気が違う。かなりパワフル系。
続いて映像コーナーがあり、その向こうに「15.新作:人物風景」
「黒いヘッド」のシリーズは木炭で描かれててどこか仏像のちょうな面持ち。
「メキシコのあの世」も線のいびつさが面白い。
このコーナーにも微妙なタイミングでサウンドが鳴っていました。
心地よいエーテル。ないようだけどそこにあるなにものか。
会場には作品に振られた番号だけでキャプションはなし。
感覚がとぎすまされる。そんな風に思えて展示でした。
お勧めです!
10/23まで。
ペインティング、ドローイング、テラコッタの立体、写真まで。
あれもこれも出来るがトーンはつながってて、でも一致はしていない。
なんというのだろう、ほころび=出口をそのままにして作品が制作されているというような感じがしました。
てっきり年代順に初期から始まるのかとおもったらさにあらず。
コーナーは番号で区切られています。
「1.イントロダクション」
いきなり近作からスタート。
ジュートの目の荒いところが前述したほころび。でも、きっちりとしているよりもこの出口へ向かって開いてる感じがちょうどいいように思えるのです。
「2.新作:山水画」
新作で登場していた山水画と題されたシリーズ4点。
カラーだけどくすんだ色彩と筆のタッチが確かに山水ちっく。
右から2つめのが墨の面持ちでこれが一番好き。
しばらく進むと突然、暗い部屋に。
「4.横たわる人物像」というコーナー。
ここが今回の展示で一番好きな部屋。
真っ暗な壁面にぼうっと浮かび上がる赤い少女の絵画2点。
手前の床にはテラコッタの少女たちが横たわる。この佇まいがなんともいい。
いずれの少女も中ががらんどう。立体もこういうほころびが存在してる。
これは出口だし見えない世界へとつながってるよう。
特に「二羽の鳥をかかえた黄色い服」が印象に残りました。
少女は首がなく胸の前にクロスした腕の一方の先に止まる鳥。タイトルに二羽とあるのでもう一羽は?そう思ってぐるりと回ると背中の側にも3本目の腕がありその先にもう一羽。
明らかにおかしいのだけど、首がないあたりで前と後ろは特定できないところが一応の帳尻ってことなんだろうか。
赤い少女の絵画はぼうっとしていてなんとなくそこにそういうものが存在しているという感じ。ディティールが描かれている必要はない。空気感を放つことに注力すればよい。
この部屋は結構長いこと居ましたね。とても居心地のいいところ。
そして、写真と絵画のインスタレーションを挟んで、「6.うみのけしき」。
ざっくりとしてるのに繊細な感じがする海の景色がなんとも不思議。
そして、朱色のパステルで描かれた樹のシリーズ。
これを超えて「8.成長」。
部屋の最初と終わりにはブロンズの柱。??。ナンバーからタイトルを照合。「うさぎの柱」、「うさぎの柱M」。
なるほど!すごく普通の柱だけどもてっぺんが二股に分かれててうさぎの耳モチーフ。
戦国武将の兜でうさぎの俊敏な動きにあやかろうと「うさみみ」を付けたのがあったのを思い出しました。雰囲気はまるで違うのですが。
部屋の左にはガラスケース越しにテラコッタの像が並んでみました。
うさぎモチーフが多かったのですが尾張のうほうにあった「白い像」がすきですね。
女性のふとともから胸より下くらいまでを切り取ったフォルム。ぎりぎりで抽象にならずにとどまってるくらいの按配がいい。美しい。
あと、このテラコッタの向かいの壁にはテキスト。
そして、しばらく居ると微妙なタイミングでなにがしかの存在を感じさせるサウンド。音楽というのではなく限りなく音効的なサウンド。
次の部屋では本が閲覧できるようになっておりゆっくりも出来ます。
わたしはイケムラの画集を何冊かさらっと見てきました。
そして、「10.ブラック・ペインティング」。
黒い背景に描かれた少女の姿。
像は光。
筆で描かれた同系色のリオは微妙に明度を変えてほのかな広がりを与えている。
たおやかでやすらかな記憶。
このコーナーのはどの絵もいい!とても響きました。空間としてではなく個別の作品の持つエネルギーとして。
続いては、少女以前の東部と胴体が一緒になったモチーフ。これはちょっと微妙にグロテスクさや生っぽさも孕んでいつつもどこか抜けた感じ。
「12.アルプスのインディアン」このコーナーの作品はびっくり。
ぜんぜん線と色の使い方が違う。分けのわからないはずのタイトルに納得させられてします。
「13.1980年代の作品」
このドローイングは線に力があってよし!しかもヘン。
絵画もまた雰囲気が違う。かなりパワフル系。
続いて映像コーナーがあり、その向こうに「15.新作:人物風景」
「黒いヘッド」のシリーズは木炭で描かれててどこか仏像のちょうな面持ち。
「メキシコのあの世」も線のいびつさが面白い。
このコーナーにも微妙なタイミングでサウンドが鳴っていました。
心地よいエーテル。ないようだけどそこにあるなにものか。
会場には作品に振られた番号だけでキャプションはなし。
感覚がとぎすまされる。そんな風に思えて展示でした。
お勧めです!
10/23まで。