あお!ひー

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ー数寄の玉手箱ー三井家の茶箱と茶籠(三井記念美術館)

2008-07-02 22:01:26 | アート系
最終日に、ー数寄の玉手箱ー三井家の茶箱と茶籠を見てきました。

母がお茶の先生だったので、抹茶を頂くのは好きなのだけれども、さて実際にその世界に興味があるかというとちょっと微妙。

ある程度、もう少し年齢を重ねることで面白さが見えてくるようなものではないかなあと思ってるのです。

まあ。お稽古ごとは時間がないと無理ですし。

というわけで今回の展示は見てもそこまで思うところがあるのかなあと、ちょっとだけ後ろ向きな気分だったのです。

ところがかなり楽しめる内容でびっくりしました。

やはり、三井さんところはいい物もってます。

茶籠とその中に収められた茶器の数々。

お茶碗だけでも展示が成立する深い世界。

でも、お茶碗だけだと、わたしのようなひとは興味がどこまで湧くのかは疑問なところ。

こうやってトータルで小宇宙を見せてもらって大正解。

特に目を引かれたのが、唐物竹組大茶籠。

中に収められた茶器の点数がものすごい。

同じセットのものを揃えたものではないのに、個性の強い小物たちがうまく調和を成してるのです。

これは単にお金持ちなだけではダメで、やはりチョイスするセンスがないと成立しないですね。

三井高福さんて素晴らしいコーディネートが出来た方だったのでしょうね。

しかし、このマニアック茶器を携えたピクニックというカフェ文化を持ってたというのは日本がもっと誇るべきでしょう。

今もこういう贅沢な遊びをやられてる方っていらっしゃるんでしょうか?

ゴルフとかはぜんぜんやりたくないのですが、アウトドアで一流の茶器を使って愉しむイベントなら是非、参加してみたいって思います。

日本人ってほんと箱庭に長けてます。

この茶箱の小さな世界もそうだし、駅弁もそうですよね。

俳句もミニマム様式美の際たるものです。

お茶関係も楽しめましたが、やはり絵のほうもいいんですよね。

毎度のことながら応挙が普通に何点も出てくるあたりさすがだなあと。

中でも、「破墨山水図」がツボでした。

「応挙」を名乗る前の「仙嶺」の号です。

おおよそは普通の山水画。

山々があり橋がかかり、人が歩いてる。

ところが画面の右にダイナミックな筆でずどんと垂らした墨の跡。

バックの山水は淡いグレー、対してこちらは真っ黒の墨。

このギャップ、相当にくせもの。

で、一番気になったのはこのカオティックな描写は何を描いたのかなあということ。

猛り狂う筆の勢いは氾濫した水害とかなんでしょうか。これ、すごく気になりました。

あと、最後にすごいのがありました。

「檜、槇、秋草図襖」

襖絵でこんな風にまっすぐな太い木がでーんと描かれてるのってあまり見たことがありません。しかも金雲も描かれてます。

枝から伸びる葉と下に生える草花がとてもかわいらしい。色使いもとてもしっくりときてる。

でも、琳派の作風なんですよね。

伝尾形光琳となってますが、どうなんでしょうね。実際はどうであれ、これはすごくいい作品だなあと思いました。

結局のところ全部見終わるまでに1時間半もかかってて、かなり見所があったってことですね。

やはり、三井記念美術館はいい収蔵品をたくさん持たれてますね。

次回の「NIPPONの夏」も楽しみです。

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2 コメント

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Unknown (はろるど)
2008-07-03 01:17:04
こんばんは。私もお茶全然分からないのですが、今回の仰るような箱庭世界には素直に惹かれました。この器にこの箱に…などと、思い思いに色々と取り合わせていたのでしょうね。ぱっと箱を開けると見えるのが応挙下絵の蒔絵なんて、何て贅沢なことだろうと感心しました。

それにしてもここの応挙はいつ見ても見事ですよね。破墨山水図、少し荒削りな感じが好きです。

三井で応挙展が見たいです!
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あらためて (あおひー)
2008-07-04 06:57:22
すみません!大変失礼しました。
酔って意味不明のコメントになってしまいました。

というわけで改めてお返事です。

茶籠ってもの自体知らなかったのですが、あの小宇宙に魅せられてしまいました。組み合わせは無限ですもんね。

>三井で応挙展が見たいです!
これ実現したら、相当にヤバい内容になると思います。いつか、開催してもらいたいですね。
返信する

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