先週の日曜日、最終日に「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」に行ってきました。
平山郁夫はちょっと微妙だけどもせっかくの東博での特別展。
しかし、なんだって国立近代美術館でやったばかりの平山郁夫でやるのか?
とても謎に感じてました。
ところが行ってみたらなかなかに楽しめる内容でした。
第一部 文化財の保護と継承――仏教伝来の道
平山郁夫ってこんなにも海外に頻繁に訪れていたのか。。。
地図に記された時代別に色分けされたマーキングポイントは世界各地に散っていました。
冒頭から続く世界各地のスケッチはなるほど、これだけの裏打ちあってのものだったのですね。
この後からは遺跡がメインになります。このあたりは博物館モードに。
ところが面白いのはポイントとなる箇所に平山の絵画が入り込むところ。
これが悪くないのです。
絵画って博物館でもあるのはありますがやはりこれは美術館の範疇。
博物、美術っていう区分けをいっしょくたにしてるのだけどとても合ってました。
朽ちた仏像なんかはやはりいいですね。時を越えて今ここに繋がるロマンと、想いを入れて描いた絵画。
ありそうでこういう呼応した展覧会ってないのでは?
もちろん平山が特に仏教遺跡の文化財保護に力を入れていたっということはあったかからだとは思いますが。
第二部 文化財保護活動の結実――「大唐西域壁画」
そして第二部。これはいい意味で裏切られました。ってか、どんな内容か事前に確認してなくって知らなかっただけなのですが。
でっかい!
ここからは完全に平山の絵画で勝負です。
こんな大きいとは。
大唐西域壁画は薬師寺の玄奘三蔵院壁画として平山によって描かれたもの。2000年に完成しています。
大唐西域壁画は7つ場面から構成されています。
第1場面 「明けゆく長安大雁塔・中国」
第2場面 「嘉峪関を行く・中国」
第3場面 「高昌故城・中国」
第4場面 「西方淨土須弥山」
第5場面 「バーミアン石窟・アフガニスタン」
第6場面 「デカン高原の夕べ・インド」
第7場面 「ナーランダの月・インド」
現代の絵画において、昔の絵画にかなわないなと思うのは信仰心だと思います。
キリスト教絵画しかり、仏画しかり。
若冲の動植綵絵もそうですねよね。
平山が実際にどこまで進行していたかはわかりませんが、あれだけ仏教遺跡に思い入れのあったひとです。
そういう強い想いが出ていることで作品としてのパワーがUPしているように感じました。
この中で一番、ガツーンときたのが第4場面 「西方淨土須弥山」。
一瞬、写実絵画に見えるもののじっとみてるとそうじゃない。あれれ?
作家の中で見えている景色を描いててる。
実像と理想がうまく響いてるかのごとく。ほんとこの雄大な山々は見てて気持ちよかったです。
そして最後のコーナーは大唐西域壁画の下絵。うーむ、よいけど、やっぱり実物がいいですね。
というわけですでに会期終了となっております。
でもね、薬師寺に行けば大唐西域壁画は見られるわけです。朱塗りの柱、青の天井に囲まれた姿を見てみたいですね。
おそらく会期途中に行ってたら再訪していたかと思います。
>そんなコラボ誰が考えたんだろう。
気になりますね。ほんと好企画だったと思います~。
めちゃ気になりますね。
そんなコラボ誰が考えたんだろう。