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福田平八郎と日本画モダン 後期展示(山種美術館)

2012-07-16 22:07:34 | アート系

福田平八郎と日本画モダンの後期展示を見てきました。

14時半ごろ会場に足を踏み入れたのですが混雑しててびっくり!

前期は閑散としていたのが嘘のよう。

よかった!内容のいい展示なのでもっと多くの方に見ていただければよいなあと思ってましたから。

そしていよいよ後期展示から↑チラシやポスターのメインビジュアルを飾っている「雨」にお目にかかれます。

後期展示の作品の中から気になったものを取り上げてみたいと思います。




☆福田平八郎「鮎」

前期から通しで展示されている鮎3点(「游鮎」「鮎」「鮎」)の奥にまた1点、鮎の絵が。

まず感じたのはグラデーションがキレイ。とても精緻でシャープな印象。

他の3点のゆるいかわいらしさとはまたちょっと異なります。

向かって左の3匹が頭が上、右の2匹は頭が下と配置がばっちりきまっていますね。




☆福田平八郎「雨」

この瓦のくすんだ感じがなんとも言えない。

瓦の淵の直線と曲線のシャープとこのくすみが見事に合う不思議。

なんでもないはずのものに見出すことの出来る美。

それははかなくも消えてしまう雨の跡。

この無常に引き寄せられてしまいます。

ほんと何度見ても飽きませんね。



☆前田青邨「おぼこ」

おぼこはボラの幼名とのこと。

画面上方にのみ描かれる弓なりの小さな魚たち。モノトーンで体の横のクロスした線がシャープ。

かわいらしいというよりも凛々しいという感じ。


☆川端龍子「五鱗」

鯉5匹、頭を皆近づけて集う。そのフォルムが☆のよう花のよう。

どことなく気品のある感じ。

金色の目も意思があるかのようでよい。



☆杉山寧「榕」

ガジュマルの造形の面白さ。熱心にスケッチを取ったというのが納得。

南方イメージのものだけども日本画の岩絵の具のトーンもまたよろし。

中央に描かれるオレンジのはヤツガシラという鳥。



☆小野竹喬「冬樹」

黄色や赤の木々の色使いが面白い。

葉は朱色、雲も朱を帯びてる。空は水色。

色彩の調和のバランスがちょっとすごいなあと。しかもあまり気をてらってやってる感じがしない。



☆加倉井和夫「冱田」

今回見た中で一番ヤバイなあと思った作品。

最初、見てまるで分からなかった。

白い大きな部分と茶色っぽいドット。しかもこのドットの大きさとバランスは一定ではない。ざっくりとしてるが等分をずらしたかのよう。

「冱田」と書いて「こおりた」と読む。

凍ったたんぼ。白いのは凍った部分。ドットは稲を刈った部分の根元のところ。

もう見ようによっては抽象にしか見えない!!



☆中村岳陵「緑影」

パッと見て思ったのはトロピカルだなあと。

光と色の組み方が素晴らしい。影絵のようでもありかつ水のゆらぎで面白いフォルムが交錯する。

文句なく好きな作品。



後期の作品だけでは足りないかと思いきやセレクトしてもこれだけ感じるところがあったということですね。

充実の内容で満足でした。


こちらの図録オススメです。表紙は福田平八郎の「筍」。

7/22まで。

「福田平八郎と日本画モダン」展の関連企画 フォトコンテスト開催のお知らせ
http://www.yamatane-museum.jp/2012/05/photocontest.html.html

半券割引サービスのお知らせ(2012年05月26日)
【特別展】生誕120年 福田平八郎と日本画モダン」展の前期(5/26~6/24)にご来館された方は、本展チケットの半券を後期展(6/26~7/22)にお持ちになると後期展は一般1000円、学生700円になります。是非ご活用ください。
(半券一枚につきお一人様一回限り)



<関連記事>
「日本画モダンとは?―福田平八郎のセンス」山下裕二先生講演会(山種美術館)
福田平八郎と日本画モダン 前期展示(山種美術館)

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