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パウル・クレー おわらないアトリエ(東京国立近代美術館)

2011-07-11 22:24:03 | アート系
実は2回目になる、パウル・クレー おわらないアトリエ。

この線と色彩のバランス感覚は唯一絶対のもの。

会場に入るとまずはクレーの自画像。

どれも線に味があっていい按配。



・庭園建築のプラン

線ももちろんなのだけども、この作品については色彩の魅力が俄然上回ってる。



・花ひらいて

1925年に描かれた「花ひらく木」を、9年後の1934年に90度回転させて大きくしたもの。

この色のパターン。

線分は緩いカーブを描いていて大きさも微妙にう異なることでリズムが生まれている。

地味な色のトーンで周囲を囲い、中央には明度の高い色彩の構成は見事!


時代ごとのアトリエのコーナーを抜けると制作技法毎のコーナーへ。


プロセス1
写して/塗って/写して|油彩転写の作品

素描を描いて、次に黒く塗った紙を裏返し、何も描かれていない紙に置く。そしてその2枚の上に素描を重ねてなぞって一番したの紙に転写。その上に水彩絵の具で着彩したもの。



・首を傾げている婦人(オレンジ色と黄色)

この雰囲気が猛烈にやばい。

妖しきエロス。でも、壁に飾りたいくらいにいい!



・綱渡り師

この作品は通常のものと特別クラスがありました。こちらは後者。この線と色彩の響きあいは見事。



プロセス2
切って/回して/貼って|切断・再構成の作品

タイトルのとおり、切って貼って再構成!よくやるし、どれも上手い!

上下、左右。自由自在!



プロセス3
切って/分けて/貼って|切断・分離の作品

一度書き終えた作品を切って別々の作品にしてしまったもの。


・カイルアン、門の前で

色と線分の配置がなんとも心地よい。

一見、抽象なんだけども、よーく見ると人とらくだが描かれてる。



プロセス4
おもて/うら/おもて|両面の作品

裏と表に描かれた作品。それと封筒の文字が見えたまま描かれた作品。えっ!これって奈良さんのドローイングと一緒!!ってか、クレーのほうが古いし、奈良さんのは櫃田先生の影響のように思います。


・考え込んで

こういうてろーんとしたテイストのもいいんですよねー。

やはりこの線は目に面白い。



過去/進行形|”特別クラス”の作品たち

クレーが自ら選び非売品として手元に遺したもの。

このコーナーだけでも必見!

ここでクオリティがそれまでよりも一段階あがります。



・襲われた場所

色彩のざっくりグラデーションと矢印の強烈な意思と指向。

なんでもなさそうなものの構成なのに最大の響き。



・来るべき者

木を削ったかのような点描が独特。

この素朴でプリミティブな感じ、なんともいえない味わいです。



・山のカーニヴァル

こちらもプリミティブ。でも、緻密なんですよね、構成が。

一目見て気に入りました。

どことなく加藤泉のペインティングが頭をよぎりました。



お土産の袋も素敵。

小さいサイズは同じデザインでピンク。

なお、会場内は作品の保護のため温度は20度に保たれています。

上着を持っていくほうがよいかと思います。

7/31まで。

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