山種美術館で明日まで開催の「百花繚乱」に行ってきました。
明日までということで会場内は結構なひとの密度。とは言っても見られないほどではなくちょうどいいくらいに活気のある会場となってました。
1.酒井抱一「月梅図」
月の丸、梅の花の丸の呼応。
枝を描いた筆のかすれ具合の味のあること。
5.速水御舟「桃花」
ここにぎゅっと詰まった存在があるといった感じ。可憐だけどはかなげではなく芯の強い感じ。
6.奥村土牛「醍醐」
こちらは逆にはかなさを感じさせる淡いピンクがなんとも言えない。樹の幹のたらしこみもよい感じ。
7.橋本明治「朝陽桜」
何度となく見ているけれどやはり好き。花はデザインなくらいにまで独特なフォルム。銀の線もばっちりと決まってる。
8.加山又造「夜桜」
花ひとつひとつおぼろげなのだけれども、群としての描写でも塊ごとに異なる濃淡で全体に深みを感じさせてくれる。
9.小倉遊亀「憶昔」
このタイトルすぎなあ。とっくりと山吹があたかもエーテルを放つかのようなアウトライン。やらしくなく、自然でもないけれども違和感なくその存在を浮かびあがらせている。
10.「竹垣紅白梅椿図」作者不詳
こちらも何度もみてるけども飽きない。
竹の緑と金が交互に来る構成。空間の間の取り方が秀逸。
11.山口蓬春「梅雨晴」
画面を立てに貫く積層の崖。この大胆な構成やよろし。
13.牧進「初夏の頃」
緑バックのピンクのつつじ、鮮やか。でも、浮いてなくって画面には溶け込んでいる。背景に地味に存在してる直線ベースの竹はデザイン的。
18.高山辰夫「緑の影」
紫陽花は紫なれど、まわりの緑とうまく呼応してる。調和でなく呼応。お互いの存在を消し去りはしない。
28.川端龍子「花の袖」
白い燕子花。質感と迫力がまるで動物かのよう。なんか動き出しそうなその存在。
29.川端龍子「八ツ橋」
燕子花の荒い塗りの隙間の感じが心かき乱される。
みててぞわぞわするんですよ。橋のたらしこみもちょっとヤバめ。
32.小林古径「蓮」
素朴だけども妙に響く。葉の構成がとてもここちよし。
34.杉山寧「紅蜀葵」
装飾として造られていることもあるけどもなんとなく洋画っぽい印象。
でも、岩絵の具で描かれてるのが分かる。
なんか、他にあまり見たことのないトーン。
ちょっと違うのだけどもどことなくこの立ち位置の絶対さ加減は三瀬夏之介に通じるなあと。
36.川崎小虎「草花絵巻(秋)」 ※崎は「大」の部分が「立」
青、緑、黄色のたらしこみがきれい。
42.牧進「明り障子」
画面構成がたまりません!開いた障子の向こうのお庭。
竹、水仙、そして地面と同系色の雀。
この水仙がなんとも可憐。小さき美しきものとして描写されています。
地面の茶色をよく見ると笹の葉のパターンが見える。
43.横山大観「寒椿」
壊れてしまいそうな滲んだ微かな墨線が儚くてよい。
バックのシンプルな緑がかった金地もまたよろし。
44.速水御舟「椿ノ花」
なんだか妙にエロい。なぜだろう。ちょっとひとっぽさも感じるからか?
47.田能村直入「百花」
この細かい筆致ったら!芍薬美しい、紫陽花のグラデーションの可愛らしさ。
これはもう最強ですね。参りました!
さあ、期待の第2室へ。
あれ?廊下の奥に何か転じされてる。
なんと桜をガラス?樹脂?で挟みこんだもの。うむ、素敵です。
51.福田平八郎「牡丹」
画面から放たれるヤバいオーラ。
視界に入るやいなや、一瞬で虜になってしまう。
丁寧に描写された牡丹の花ひとつひとつに表情があるのです。何かしぐさを感じさせてくれる。
53.速水御舟「牡丹花」
タイトルに(墨牡丹)とあるように花びらが水墨で描かれていて異様。
でも、美しさのほうが先に立っているよう。
54.小林古径「牡丹」
大胆に線を使った様がデザイン的でもあり。明らかに作家の中での意思で描写構成されているのがたまりません。
55.川端龍子「牡丹」
はああ。ため息の出る美しさ。白と滲みあう赤のグラデーション。
仄かに紅潮する頬のよう。
想定してた以上によい作品が多く魅了されまくり。
でショップ行ったらいろいろと買っちゃいますよねー。
というわけで百花の便箋。
中はいうとー。
お花がいっぱい!
明日6/5まで。
対象物をずーっと見つめたはてに生まれてくる
線や色の見事さ。
生で見られるとなおさらすばらしいんでしょうね。
心の中まで百花繚乱になりそうです。
代官山に引っ越ししてから、駅から徒歩15分歩くのと、入場料が1.5倍になったのとで足を運んでいませんでしたが、こんな素敵な展示をやっていたとは! チェックしとくんだったぁ!
見終わってもお花いっぱいのうっとりした感じは続きますよ。
さあ、文化村も行かなくちゃ。
「花の画家 ルドゥーテ展」もお花いっぱいでよさげですよー。
>ネコロさん
おお、いいですねー。
徒歩で行けちゃうじゃないですかー。うらやましい。
山種美術館は毎回素敵な展示ですので次回もチェックしてみてくださいねー。