あお!ひー

叫べ!いななけ!そして泣け!雑多なことを書いてみる。

プラド美術館所蔵 ゴヤ -光と影(国立西洋美術館)

2011-10-22 21:44:37 | アート系


「プラド美術館所蔵 ゴヤ -光と影」に行ってきました。

今日からスタートです。

ゴヤの作品て実はあまり見た記憶がないのです。ただ、このチラシの「着衣のマハ」は画像からしても実物が相当によさそうだなあと。

あれ?

今回は入口を入ってすぐ右の階段を下に降ります。いつもとちょっと導線が違いました。



☆「猫の喧嘩」

タピスリー用原画のコーナーにまさかのにゃんこ!

しかも2匹。煉瓦の塀の上でにらみ合い。左に黒猫、右に縞猫。

この縞の転業がすごく合っている。どっちも頑張れ。なんか見ててそう思ってしまう。



☆「着衣のマハ」

この絵を掛けてあるバックを赤にしてたのがチラシのイメージと続いているし何よりもとても特別で素敵なものである感じが出ています。

そして何よりも実物は素晴らしい。

腕を頭の後ろで組んだポーズ。ベッドに横たわるその表情はくつろいでいる。

清楚なふうにみ見えるがやはり官能的に見えてしまう。

意外にも下はスカートではなくってパンツ。って書いたら違ってました。

以下、コメントでご指摘頂きました。

メルベイユスタイル(服装史ではエンパイヤスタイル(英語読み)と呼ばれている)で、極薄の布地のハイウェストのドレスです。

なるほど!kdeさん、ありがとうございます!

しかも金の靴を履いている。

小さな上着の黄色はどことなく蝶の模様にも通じているかのよう。

そしてこのプロポーションはお見事。ウェストのくびれ、バストのボリューム。

というわけで釘付けになってしまいました。いったん見終わってから引き返してもう一度じっくりと見てきたのはいうまでもありません。

ちなみに「マハ」というのは18世紀から19世紀初めにかけてマドリードの下町などで見られたしゃれた衣装で着飾った粋な女性たちのこと。

なるほどちょっと見たことの感じの服なわけです。


というわけで参考に「裸のマハ」。 ※こちらはポストカードは販売されていますが会場で展示されてません。

ほぼ同じ構図でポーズもほぼ同じ。

今回、「着衣のマハ」を見て、「裸のマハ」と並べて見てみたいなと思いました。



☆「<ロス・カプリチョース>37番 弟子のほうが物知りなのだろうか」 [エングレーヴィング、番号、題辞以前の試し刷り]

なんとロバ。この<ロス・カプリチョース>のシリーズは結構な点数あるのですがこれはその中でもかなりユーモラス。

ほっとします。というのも他のものが風刺色が濃いもので。

ロバシリーズはこれも含めて6点ありました。



☆「魔女たちの飛翔」

一目見て感じたのが、異様だなあと。

画面下には頭を抱え地に伏す者と白い布を被って体を隠すように両手を突き出す者。

そして飛翔する3人の魔女。一人の裸の男をかかえ、サーカスの如くジャンプ。

しかもなぞのとんがり帽子。

解説を読むとこれは司教冠で蛇柄の模様は叡智を表すのだそう。

ともかくこの妙なシチュエーションは頭から消えそうにありません。



☆「スペイン王子フランシスコ・デ・パウラ・アントニオの肖像」

実は今回見た絵の中ではこれが一番好き。

家族肖像画のための習作であるというこをさっぴてもこの構成は意図的な木がしてしまう。

顔から胸までは至極まっとうな肖像画。

ところがそこから下へかけては筆致がいきなり激しいスピードのあるものとなっている。

しかも腕のひじから先は描かれていあにのだがこれはこういうものだと納得してしまう。では、逆に先を描くとしたらどんな風なのか想像がつきません。

極めつけは下地のオレンジの塗りの残してあるとfころ。

向かって左のひじから先と越から下、それと画面右下の部分。

調和した美への反乱かのよう。

この絵が見られて嬉しかったです。


☆「<闘牛技>21番 マドリード闘牛場の無蓋隻で起こった悲劇と、トレホーン市長の死」

<闘牛技>のシリーズの中ではこれが一番よいなあと思いました。

左半分を空けて右半分に要素の大半を詰め込んだ画面のバランスが見事。

牛に蹂躙されるひとびと。右上に牛の横向きの姿。突き上げた角にはひとが刺さっている。

準備素描がこのよこに並んでるのですが、ここまで極端な画面構成ではなかったので後でこのように変更したのでしょう。大正解だったと思います。



☆「<妄>13番 飛翔法」 [ゴヤ没後、初版以前の試し刷り]

<妄>のシリーズは狙いが不明でしたがその謎めいたイメージはナンセンスなのだが何よりも絵としてしっかりと描かれたものであることがベースにあるので一概に笑い飛ばせないものがあるのです。

<妄>の中ではこの13番と12番「陽気の妄」の輪になったダンスの倒れんばかりの傾きが印象に残りました。


とこんな感じでいつものように気になったところだけ書いてみました。

今回の展示をかなりの点数を占める版画はやはり大きさが小さいので空いてるうちに行ってみたほうがゆっくり見られるかと思います。

ポストカードは種類が多くて選び甲斐がありました。

2012年1月29日まで。

ゴヤ (ニューベーシック) (ニューベーシック・アート・シリーズ)
ローズ=マリー&ライナー・ハーゲン
タッシェン
ゴヤ ロス・カプリチョス―寓意に満ちた幻想版画の世界 国立西洋美術館所蔵 (Art&Words)
雪山 行二,フランシスコ ゴヤ
二玄社
コメント (2)
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