というわけで久々に栃木まで行ってきちゃいました。
哀愁のベルリン―分断されたドイツを生きた女性写真家の軌跡「ズィビレ・ベルゲマン展」を見てきました。
↑はなんと入場するともれなくもらえる豪華なリスト!っていうかもうパンフレットなクオリティ!!
いいですよね、この写真。
なんていうんでしょう、はっとするような美しさがすっと切り込んでくるかのような感じ。
ふと思ったのはレンピッカの絵画の美しさが頭をよぎりました。
120点余りにも及ぶ作品は見ごたえ十分でした。
面白いなと思ったのは異なるトーンを使い分けているところ。
シャープなモノクロームはもちろん、ポラロイド、そしてポラロイドを複写して水彩紙に印刷したもの、そしてどこか懐かいカラー写真。
時間をかけて行って見た甲斐がありました。
それでもは今回も気になった作品を取り上げてみます。
会場でふられていたナンバーを書いておきますね。
30.動物の召使い
これかわいかった~。
映画の写真なのだそう。
だから作りこまれたセットがなんともいい雰囲気を出しています。でも、このセットの感じは映画よりもむしろ演劇の大道具に近いかも。
そして、その空間に人型の動物さんたちがたたずんでいます。
この動物さんのチョイスが素敵。
ワニ、ブタ、トナカイ、セイウチ、キリン、サイ。
ね?ちょっと見かけない並びですよね。
10.マリーザとリアーネ、ゼリーン
ひなびた海水浴場の廃棄された小屋をバックににらみつけるかのような表情の美女二人。
なんともいい顔しています。
一目見たら忘れられない写真です。
89.ランバ・ザンバ
変身と題されたコーナーに展示されていたのはポラロイドを複写して水彩紙にピグメント印刷をしたもの。
うつっているのはいずれもベルリンの知的障害者。
でもね、すごくいい表情をしてるのです。
ちなみにこの写真のひとは道化ちっくな帽子をかぶっています。
ポラの発色+用紙の選択で絵画のような面持ちです。
60.ポッペンラーデ、ブランデンブルク
これ、ものすごく好みでした!
階段を撮った写真なのですが、階段の側面の格子模様が影になって出てて美しい。
しかも、絵画的な楽しみ方もできてびっくり。
ちゃんと画面の中で視線がまんべんなく移動してくのですよー。
これって写真でやるのってすごく難しいことなのです。
23.アネッテとアンジェーラ、ベルリン
これはポスターに採用されていた写真。
芝生の上、木々の中を向こうへと駆け抜けていく女性二人の後姿。
とくに向かって右の女性のスカートとバッグの織り成すフォルムが素敵!
15.ハイケ、ベルリン
ファッションと題されたコーナー。モデルさんを撮った写真ばかりが並びます。
通りに立つ女性の正面からのショット。
なんてことない写真だと思ったらおお間違い。
奥に広がる道路と建物の織り成す線から広がってくところのおくのほうが白くなってて、ちょうどモデルの頭の後ろにかかっててまるで後光かのよう。
お見事です!きっとこれは計算なしで直感で撮っているかと思います。
42.インヴァリッド通り、ミッテ地区
天使の像が二体。
ごろんと地面に突っ伏してしまってる。
翼を持つものが飛べないどころか、地面に転がってる様がなんとも悲しい。
14.フリーダ、ベルリン
一見、ふつうのお兄ちゃんのポートレート。
ところがなんだか髪がとんがりすぎ。。。。
おいおい。
なんと、髪だとおもってた尖ってるのはなんと釘だったのです。
なるほど、先端が△なわけですね~。
45.マウアー公園、ミッテ地区
ブランコに乗った女性がひっくりかえらんばかり。
つま先は空へと向かい、髪は水平線の少し上。
そしてそらした首の先のあごまでのラインがなんとも美しい。
46.共和国宮殿、ミッテ地区
これは場所がすごいですね。
ただの丸い電灯なんですがものすごい数でシャンデリアみたい。
その下にシルエットで見える人影もものすごい数。
そして、こちらを向いてるのは子供がひとりっきり。
47.シュリンクフール、マールツァーン地区
階段を上る二人の影。
それ以外にもこの写真の中には黒ベタのシルエットの箇所があって、ふつうの実景とのコントラストが面白い。
12.カタリーナ・タールバッハ、ベルリン
冒頭の画像の作品がこちら。
たばこを構えるポーズがなんとも決まっていますね。
そして、堂々とこちらを見据える目。
これもすごく印象に残りました~。
いやー、実は写真を発表してる割にはそんなには写真展には行かないのです。
でも、これは行って大正解!
3/21まで!
図録はなかったので↓を買おうか悩み中。
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