損保ジャパン東郷青児美術館での、櫃田伸也展-通り過ぎた風景-に行ってきました。
櫃田伸也さんと言えば、奈良美智さんの先生です。
放課後のはらっぱ-櫃田伸也とその教え子たち(愛知県美術館)はとてもよい展示でした。
この展示を見てから、櫃田さんの作品をまとめて見る機会があったらなあと思っていたのです。
今回の展示は損保ジャパン東郷青児美術館大賞受賞記念なのです。
↑のチラシの作品が受賞作の「不確かな景色」。
まずはこの絵から。
優しい色合いと柔らかい印象が自然に描かれたような感じなのですが、とても計算されて政策された画面です。
この作品が一番秀逸だと思いました。
というのは画面を見てて移動する視線の動きが実によく出来ているのです。
自然と画面をまんべんなく視線が移動してくのです。
密と疎のバランスも見事。
なるほど、大賞を受賞したというのは納得です。
「通り過ぎた風景(三角形の空地)」
あと面白いなと思ったのが肌色の使い方。
風景的なのにこの色を上手く用いています。
気持ち悪くならずに温かみで終わらせているところがちょっとない感じだなあと。
「空き地」
もう、なんでもない景色ですよね。
しかも人物は登場しない。そういう意味ではある種の寂しさもなくはんまいのですが、それよりもどpこか温かい印象のほうが残るのです。
しかも、この絵は奥行きがあるようでいて、でも平面的でもあり、基準の場所がないのです。
画面の周辺にいろいろと配置してあって、中央は空っぽ。
なるほど見事に空地です。
「塔」
色合いがなんとも好みです。
山を重ねたかのような現実とは違うフォルム。
ほんとこの線と色の織り成すリズムが心地よい。
ということで↑見てのとおりポストカードを購入しちゃいました。
思ってたよりも長い時間、会場に滞留し気になる作品は何度も見返しました。
これはいい展示な証拠かと思います。
2/13(日)まで。月曜休館。