先日、石橋美術館に行って「コレクションの新地平」を見てきました。
ちょうどスタートしたばかりの初日。
ここはお庭にお花があふれてて行くたびに楽しい気持ちになる。
寒い陽気が続いたあとの暖かい日で助かりました。
さて、今回の展示は抽象表現を中心としたコレクション。
石橋美術館と聞いて思い浮かぶ作品群とは少しイメージが違う感じの絵画たち。
抽象ってはまらないとほんとぽかーんとした突き放された感じだけ残って終わってしまうのですが、今回はかなりツボにはまるポイントありありでした!
気になった作品のみピックアップしてみたいと思います。
☆ジョアン・ミロ「迷宮の星」
でっかい丸=目から零れ落ちる水色の涙が印象的。
星はさまよって泣いているのです。きっと。
☆ピエール・スーラ―ジュ「リトグラフNo.32B」
横に惹かれた黒く太い線。
その隙間のかすれた線が魅力的。
見ててなんだろうこれは?という感じがずっと見てて飽きないのです。
☆ザオ・ウーキー「鳥の飛翔」
まるで象形文字のようなデザインのさまざまな鳥たち。
古代の壁画のようなプリミティブ。かなりお気に入りです。
☆アンリ・ミショー「無題」1973年 ※無題は複数あったので区別するために製作年を表記した。
人体が踊るかのようなフォルム、心地よし。
おそらく指で描いたのではないでしょうか?
茶とブルーの溶けてくさまもよろし。
☆ジャン・フォートリエ「旋回する線」
厚く塗られた絵の具を削って描かれるU字状のフォルム。
シンプルだけどハッとしますね。
☆ベン・シャーン「天飾り」 版画集『リルケ「マルテの手記」より』
黒い線で描かれたシンプルな顔。
よくみてみると、背景のベージュに近い色で詩が裏書きで書かれてる。
この版画集『リルケ「マルテの手記」より』のシリーズは総じて面白かったです。
というのも線がシンプルなモノトーンのと、それに色を加えたものが混載されているにもかかわらず統一感を帯びていたから。
☆アビー・ロイ・ケマーレ「ブッシュ・リーフ・ドリーミング」
オーストラリア現代美術ということで、エミリー・カーム・ウンワリィの作品もありましたがわたしとしてはケマーレに軍配が上がりました。
ゆるいカーブを描いて中央に向かってく無数の葉っぱ。
すごくシンプルなのだけど、赤や黄色の色が少し離れた距離を持って見ることでこちらもゆらいでくかのような錯覚を受けるのです。
とにかく美しい作品でした。
☆白髪一雄「白い扇」
まるで天使の翼のよう!
日本人の作品でぐっとくるのがなかったのでちょっとがっかりしかけてたところにようやく真打登場です。
アクションペインティングはやはりチカラがあります。
この絵の具の凹凸が作家の足のサンプリングでもあり、生きた記録としての説得力なのだと思います。
☆ザオ・ウーキー「24.02.70」
タイトルはおそらくは日付なんおだと思います。
見ててやられた~って感じ。
一見するとどこかの景色のようなのですが、よく見てみると現実にはありえない位置と線と色彩。
この感じは丸山直文さんの作品に通じてるなあと思いました。
ウーキーの作風はいくとおりかあってそのどれもがツボでした。
水墨のも書では描けないようなテイストのがあって面白いと思いました。
予定びっしりの中で行った甲斐がありました。
図録は1500円と安かったので欲しかったのですが、旅程を考えてやむなくパス。ブリヂストン美術館にあったら買ってしまいそうです。
6/24まで。