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詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

心のかわり

2004年08月12日 | 重い系
食べないと落ち着かない
何がって心が
胃にドーンと重石が沈み込まないと
心は空無で溢れて
自我が飛ぶ

心の穴がぐいっと広がる度に
憑りつかれた妖怪と化して脳が食べ物を口に運ぶ
何の自尊心も無い
見栄も
外聞も

アイデンティティ-はいつもにも増して飛散し薄れてゆく
胃の膨満感を得て心は
引力の線をかろうじて引っ掛けて
地に着いたことなどない日常から乖離した足の
その裏側が地に向かって垂直になる

そうやって一時浮いてはいるが眼下に土の茶色を確認し
紙ふうせんのような自我は
束の間の砂のイスに腰掛ける

砂は少しづつ落ちていってイスの形も無くなり
心は再び空無に押し負かされて
脳は胃に詰め込む石を探して動き出し
何度でも、自我は飛ぶ
                 1997.7.7 pm6:30



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