待っているのは
無重力の淵
何処にもあるはずのない
終のひずみ
待っているのは
叶わぬ想い
鎖に繋がれた
永久(とわ)の焦がれ
誰も来ないで
誰もいらない
わたし独りの
震える自由。
L氏の作品に
待っているのは
無重力の淵
何処にもあるはずのない
終のひずみ
待っているのは
叶わぬ想い
鎖に繋がれた
永久(とわ)の焦がれ
誰も来ないで
誰もいらない
わたし独りの
震える自由。
L氏の作品に
誰にも気付かれないように
こっそり
ひっそり
たまに通るあなたを見ることしか出来ない
誰にも知られちゃいけないの
秘密
秘密
わたしだけ
あなたにも気付かれないまま
わたしはいつか消えてゆくわ
それまではせめて
ここにいさせて
あなたを
見て
いさせて。
L氏の作品に
何を見ているの
君は気に入ったかい
この街の風景が
旅する君は素適だよ
でも疲れてやしないかい
僕はいいんだ
君が気に入っているのなら
ここで暮らそう
君とならどこだって
僕は嬉しいんだ
毎日散歩しよう
君の好きな道を
一緒に
居ておくれ。
L氏の作品に
君と行こうか
旅に、行こうか
君となら独りでもなく
二人でもなく
半人前のわたしには丁度いい相棒かもしれない
車がいいね
君となら
宿がなくても
君と一緒なら車で寝て充分だ
人と話さなくてもいい
君が居れば
怖くないよ
不安じゃないよ
君の暖かな眼が、体が、心が
わたしを包んでくれるから
君と行こうか
何処か知らない街へ
一緒に、行こうか。
L氏の作品に
透き通る事ばかりが得意って
透き通ってしまうのだもの
いつの間に居たのね
一番居たい場所に
どこが一番居心地いいかって
此処よ
何もかもが硬質の最早鉱物の
雨に冷たいひび割れたblue
其処がベッド
憧れのベッド
わたしが眠りたい場所
いつまでも眠りたい青
吐く息までがブルーになって
やがてこの石に溶けて・・・
L氏の作品に
去るのは君だ
いつも
僕はこの人の居ない部屋で
この窓辺で
揺れる白いカーテン越しに・・・
去るのは君の心だ
いつも
僕はこの変化のない四角い眺めを
昼夜の繰り返しを
僅かな風を
揺れる白いドレープを・・・
去る人よ君は
何処に行くわけでもなく
誰と行くわけでもなく
何処にいるわけでもなく
僕は
残り香のような君の思念を
嗅ぐ
L氏の作品に
ここに君を置こう
ここに僕を置こう
君に
捧げよう
僕は
変わらない
天空へ続くあまたの想い
天空から降りる終の愛しさ。
L氏の作品に
僕の中に降ってくれないか
青く割れたガラスの破片
その透き通ったブルーの光りで刺してくれないか
塞がらない傷を
僕は引き受けるよ
罪を
同化させてくれないか
この夜の青と
無機の美し過ぎる青と
刹那透明なナイフの鋭利と
降らせてくれ
傘もなく一身で浴びよう突き刺す青い雨の中で。
L氏の作品に
君よ僕を
連れていってくれないか君の場所まで
僕はそろそろいきたくなったよ
向こうの世界へ
僕の役目は終わった気がする
代わりの誰かは作られるだろう心配ないさ
君はいつまで来てくれるの
そのうち消えてしまうんだろう僕なんかの知らぬ間に
だったらお願いだ
僕を一緒に連れていってくれ
僕は時空の彼方
君を見つめてすごすよ悠久の地平線で
ただ
平らかに。
L氏の作品に
もう来ないでくれ
端から居やしないんだ
いくら言われても
どんなに言われても
居ないんだ
オマエは
このオレに
無いんだ
来ないでくれ
頼むから
ああそうさ
愛なんか
何処にもない
オマエには。
L氏の作品に
夢でkissして
寝てる間に
白い廊下
白い壁
わたしを押し付けて
手を絡ませて
動けないままに
kissをして
冷たい唇
冷たい舌
あなたに崩れ落ちるわたし・・・
そのまま青い海に融けるから
夢でkissして
寝てる間に。
あの街並みのその一廓の
永遠の時間の時の間の
百万分の一の無いも同然の望み
それが貴方に対する私の
全て
人の流れも街の音も
移ろう時も
最早虚ろ
やがてわたしが化石になっても
あなたを慕う
焦がれる永遠の青。
L氏の作品に
優しく殺して
そして逝かせて
指で
音で
歌で
激情も無情も
貴方の心が私を貫く
遠く貴方を感じながら
いいわわたしは
貴方に堕ちたい。
L氏の作品に
嗚呼・・・
終の慰め
悠久の溜息
青い月が蒼い空無に混生し
枯れて立つ木は刹那呼吸する
虚の青の無
空の虚の青
消えゆく青の月
枯れゆく青の木
この胸はいっ時
太古の永遠に掬われるのです
青に抱かれて。
L氏の作品に
世界の何処かに居るって
虚無の空
その続きに
わたしには
何の手立ても無くて
待つだけの永遠
想うだけの自由
たまの涙は
地球の磁場に奪われて
あなたは何
わたしは何処。
L氏の作品に