詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

秘密の淵 (Fig.0029)

2006年01月07日 | こころ寄り

待っているのは
無重力の淵
何処にもあるはずのない
終のひずみ

待っているのは
叶わぬ想い
鎖に繋がれた
永久(とわ)の焦がれ

誰も来ないで
誰もいらない
わたし独りの
震える自由。

  L氏の作品に


秘密 (Fig.00169)

2006年01月06日 | こころ寄り

誰にも気付かれないように
こっそり
ひっそり
たまに通るあなたを見ることしか出来ない

誰にも知られちゃいけないの
秘密
秘密
わたしだけ

あなたにも気付かれないまま
わたしはいつか消えてゆくわ

それまではせめて
ここにいさせて
あなたを
見て
いさせて。

  L氏の作品に


旅 2 (Fig.00155)

2006年01月05日 | こころ寄り

何を見ているの
君は気に入ったかい
この街の風景が

旅する君は素適だよ
でも疲れてやしないかい

僕はいいんだ
君が気に入っているのなら

ここで暮らそう
君とならどこだって
僕は嬉しいんだ

毎日散歩しよう
君の好きな道を

一緒に
居ておくれ。

  L氏の作品に


旅 (Fig.00155)

2006年01月05日 | こころ寄り

君と行こうか
旅に、行こうか

君となら独りでもなく
二人でもなく
半人前のわたしには丁度いい相棒かもしれない

車がいいね
君となら

宿がなくても
君と一緒なら車で寝て充分だ

人と話さなくてもいい
君が居れば

怖くないよ
不安じゃないよ

君の暖かな眼が、体が、心が
わたしを包んでくれるから

君と行こうか
何処か知らない街へ

一緒に、行こうか。

  L氏の作品に


ベッド(Fig.00177)

2006年01月04日 | こころ寄り

透き通る事ばかりが得意って
透き通ってしまうのだもの

いつの間に居たのね
一番居たい場所に

どこが一番居心地いいかって
此処よ

何もかもが硬質の最早鉱物の
雨に冷たいひび割れたblue

其処がベッド
憧れのベッド

わたしが眠りたい場所
いつまでも眠りたい青

吐く息までがブルーになって
やがてこの石に溶けて・・・

  L氏の作品に


去るもの (Fig.00158 )

2005年12月28日 | こころ寄り

去るのは君だ
いつも

僕はこの人の居ない部屋で
この窓辺で
揺れる白いカーテン越しに・・・

去るのは君の心だ
いつも

僕はこの変化のない四角い眺めを
昼夜の繰り返しを
僅かな風を
揺れる白いドレープを・・・

去る人よ君は
何処に行くわけでもなく
誰と行くわけでもなく
何処にいるわけでもなく

僕は
残り香のような君の思念を
嗅ぐ

  L氏の作品に


青い雨 (Fig.00173)

2005年12月26日 | こころ寄り

僕の中に降ってくれないか
青く割れたガラスの破片

その透き通ったブルーの光りで刺してくれないか
塞がらない傷を

僕は引き受けるよ
罪を

同化させてくれないか
この夜の青と

無機の美し過ぎる青と
刹那透明なナイフの鋭利と

降らせてくれ
傘もなく一身で浴びよう突き刺す青い雨の中で。

  L氏の作品に


悠久の地平線  (Fig.00181)

2005年12月26日 | こころ寄り

君よ僕を
連れていってくれないか君の場所まで

僕はそろそろいきたくなったよ
向こうの世界へ

僕の役目は終わった気がする
代わりの誰かは作られるだろう心配ないさ

君はいつまで来てくれるの
そのうち消えてしまうんだろう僕なんかの知らぬ間に

だったらお願いだ
僕を一緒に連れていってくれ

僕は時空の彼方
君を見つめてすごすよ悠久の地平線で

ただ
平らかに。

   L氏の作品に


NOT ( Fig.00176 )

2005年12月25日 | こころ寄り

もう来ないでくれ
端から居やしないんだ

いくら言われても
どんなに言われても

居ないんだ
オマエは

このオレに
無いんだ

来ないでくれ
頼むから

ああそうさ
愛なんか

何処にもない
オマエには。

  L氏の作品に


wait (Fig.00064)

2005年12月20日 | こころ寄り

あの街並みのその一廓の
永遠の時間の時の間の
百万分の一の無いも同然の望み

それが貴方に対する私の
全て

人の流れも街の音も
移ろう時も

最早虚ろ
やがてわたしが化石になっても

あなたを慕う
焦がれる永遠の青。

 L氏の作品に


掬い  (Fig.00161)

2005年12月20日 | こころ寄り

嗚呼・・・

終の慰め
悠久の溜息

青い月が蒼い空無に混生し
枯れて立つ木は刹那呼吸する

虚の青の無
空の虚の青

消えゆく青の月
枯れゆく青の木

この胸はいっ時
太古の永遠に掬われるのです

青に抱かれて。

 L氏の作品に