Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

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ブラマンジェ-1

2018年05月10日 | お菓子の歴史

ブラマンジェ-1         

 

古代ローマ帝国崩壊後西ヨーロッパの料理の中でブラマンジェほど長い歴史を持った料理はないだろう。ブラマンジェほど多くの国で愛された
食べ物はないだろう。そしてブラマンジェほど今の世界で軽んじられている食品もないだろう。

時代を背負ってブラマンジェが様々に姿を変える800年ほどの 「ブラマンジェが辿ってきた道筋」 を述べようと思う。( ブラマンジェという言葉は時代によって、国によって変化する。参考のためにレシピ毎にスペルを書いておいた。又、文中に出てくる特徴ある語彙については「中世の料理書」を参照されたい。) 

 

註.長い歴史の中で姿を変える「ブラマンジェ」を見失うことなく読み進めるには; ブラマンジェを最終的にどのような形で食べるのか(スライス、パイ、ドーナッツなど)、ブラマンジェを固める食材に何を使っているのか( トリ肉、米、仔牛の足、ゼラチン、アロールート、コーンスターチなど )等に注目するとぶれずに読み終えることができる。

 

ブラマンジェはローマ時代にはなかったようだ。ローマではゼラチンを絵の具に混ぜて使っていたが、食用にすることは思い至らなかったようだ。
記録が残っていないのか、単に私が知らないだけかもしれないが。)

一番古いレシピは1300年代初めにフランスで書かれた Enseignements の中にある。よく似たレシピを2例引用しよう。

 

119-124. ブラマンジェ:por blanc mengier:

ブラマンジェを作るにはメンドリの手羽と脚を用意して水でボイルする。米を少量用意して澄んだ水に浸して小さな火の上でクックする。肉を髪の毛のように細く裂き、少量の砂糖と一緒にクックする。赤い色素(Lac)を入れなければ、そしてメンドリのブロス又はアーモンドミルクといっしょに米をクックしなければ、この料理は赤くはならない。

 

 “ Mangier “という表記 1400-1600年の間に “ manger ‘ に、1700年には “ mange “ に変わる。

 

105-110. メンドリの白いシチュ :  Por fere blanc brouet de gelines…:

メンドリの白いシチュを作るにはメンドリをワインと水でクックする。

アーモンドを用意して挽きブロスで調えポットの中でクックする。メンドリをピースに切りフライする。ポットの中に全て入れボイルする。
アーモンド、クローブ、シナモン、ロングペッパー、orage , ガリンゲイル、サフランと砂糖を用意して少量の酢で味を調え、全てをいっしょに提供する。これでよいシチュが出来る。

 

 “ brouet “ はシチュを意味する。アーモンドを潰してブロスで漉す。これら2種類の-「白いスープ」と「ブラマンジェ」-料理は1650年頃まで並行して存在する。

 

白く作るのが元来のレシピであろうが、色素を入れる事もあった。Lacはカイガラムシ( Kerria Lacca ) から取る赤い色素である。

肉食が禁じられているレントではニワトリの代わりに白身の魚を使った。アーモンドミルクもレント、断食日に使う牛乳の代用品であるが、近代になるまで牛乳を使ったブラマンジェが存在しないこと、レントにトリを食べることは禁じられていることからブラマンジェは最初からアーモンドミルクを使うことがブラマンジェの条件であり、「病人食」 であったと言えよう。

 

レント; イングランのレントについて説明しておこう。

断食日は卵、乳製品、家禽、野生の鳥を禁じていたようだ。下記の引用文献がそのことをよく示している。出典は1550年の A Proper newe Booke of Cokerye 及び1594年のThe good Huswifes Handmaide for the Kitchin である。一部分を引用した。

マラードは霜が降りてから聖燭祭( 被献日:2/2 )までが適期である。コガモやその他の野生の水禽も同じである。ウッドコックは10月からレントまでの季節、その他のクロウタドリ、ツグミやロビンも同じである。ヒーロン、ダイシャクシギ,, サンカノゴイ,ノスリは季節を問わないが、冬が一番である。キジ、パートリッジ、クイナはいつもいいが、鷹狩りで獲った物が一番である。ウズラ、ヒバリはいつでも良い。野兔はいつも良いが10月からレントにかけてが一番である。
去勢したアカシカ又はダマシカはいずれであろうといつでも良い。角を落とした雄鹿は3月が適期である。真夏には大きくなり5/3の聖十字架発見の記念日 ( Holy Rood Day ) から9/29のミカエルマス( Michaelmas )の間が一番である。成熟した雄のシカは5月が適期であるが同じように考えて良い。仔を連れていない雌シカは冬が適期である。二歳の雄シカと三歳の雌シカはいつでも良い。ニワトリはいつでも良いが、若いハトも同じである。

 

いずれの狩猟鳥、獣もレントまでが旬の時期であることが述べられ、レント以降イースターまではいかなる肉類も食していないことから、レント期間中の食事の内容が伺える。上は1550年のイングランドの有り様であり、断食の内容は地域、国、時代によって多少変動する。

 

1354年のEin Buch von Guter Spiseから引用する。

 

76.ブラマンジェ: Ein blamensir

ブラマンジェを作るには濃いアーモンドミルクを用意する。裂いたメンドリの胸肉をアーモンドミルクの中に入れる。米の粉、脂と砂糖を十分に入れる。これがブラマンジェである。

 

1300年代のドイツで、米とアーモンド、砂糖を料理に使うには相応の財力がなければ作れない料理である。上のブラマンジェと違うところはできあがりの料理の色、「白い」 色にこだわった点だ。手羽や脚の肉ではなく裂いたメンドリの胸肉を使い、高価な輸入品である米を使ったのも白い色を出したいためである。脂はケンネ脂であろう。著者がわざわざ「これがブラマンジェである」と断りを入れたのも納得できる。
この料理はBlanc mange ( 白い食べ物 ) の言葉どおり本当に白かっただろう。病人のための料理ではなく政治力を誇示する為の、アントルメ( コースの途中で出される視覚や味覚を楽しむ一品  )と言える。そして「白い色」は純潔~聖母マリアを表している。

イタリアで1350年頃に書かれたLibro di cucinaから、

 

5.ブラマンジェ :  Blancmange.

ブラマンジェ12人分を作るにはアーモンドを4ポンド、米を1ポンド、メンドリを4羽、グリースを2ポンド、砂糖を1 1/2 ポンド、クローブを1/21/4(オンス)用意する。アーモンドは皮を剥き、一部は取っておく。残りは挽いて澄んだ水に浸けてアーモンドミルクを準備する。
籾殻を取った米を用意して、湯で洗い乾かした後、細かい粉にして篩う。ピースに切ったニワトリを用意して、少しボイルする。
ニワトリの肉を細かく裂いてグリースでゆっくりとフライする。

その間、そのほとんどのアーモンドミルクを平鍋に入れ、ボイルする。取っておいた冷たいアーモンドミルクを米の粉に混ぜて含ませる。
アーモンドミルクがボイルしたら浸しておいた米の粉を平鍋に移す。米粉とアーモンドミルクが濃くなるまでボイルする。裂いてフライしたニワトリの肉と脂をすぐに入れる。

この混ぜ物を鍋底に焦げ付かないように頻繁に混ぜて砂糖を加える。料理がクックしたらボールに入れてサーヴする。この料理をローズウォーター、砂糖、フライし取っておいたアーモンド、クローブで飾る。この料理は雪のように白くてスパイスが効いていなくてはならない。

 

ドイツのレシピを詳しくしたものがイタリアのレシピと言っていいくらいにこの二つのレシピは似ている。それは「ハンザ」が関係している。
1300年になると、舵、羅針盤、海図が一般化し最短航路を船が都市間を結ぶようになり、地中海からジブラルタル海峡を経て大西洋に出る航路が開かれイタリア人、ドイツハンザの商人達が行き来するようになる。1358年になると各都市間でハンザの同盟が結ばれる。
中でもブルヘ( ブリュージュ )は南北貿易の中心地であり、フィレンツェのベルッツィ家( Peruzzi )、バルディ家( Bardi ,アッチャイウォーリ家( Acciaiuoli )など、イタリアの商人達は大きな都市に定住し会社組織を設立した。」ことが大きく影響している。
イタリアはフランスよりもドイツに大きな影響力を持っていた。

 

フランスでは、Le Viandier de Guillaume Tirel dit Taillevent 13861393から、

 

19. 白いシャポンのスープ :  BLANC MENGIER D'UN CHAPPON POUR UNG MALADE.

ワインと水でクックし、切り分けて、ラードでフライする。アーモンドをシャポンの肝とダークミート(モモ肉)と一緒に潰し、ブロスに浸してボイルする。ジンジャー、クローブ、ガリンゲイル、ロングペッパー、グレインズオブパラダイスを(を挽いて)いっしょによくボイルする。よくほぐした(混ぜて濾した)卵黄をたらし入れる。十分に濃いスープであること。

 

199. 部分的に色を付けた白い料理 :  BLANC MENGIER PARTY.

 

湯がいて皮を剥いたアーモンドを用意し非常によく砕き、熱湯につける。(そしてアーモンドミルクを作る)とろみ付けにデンプン又は砕いた米を使う。ミルクがボイルしたら、いくつかに分けて、2つのポットに(2色にするなら)又は( お望みであれば )3又は4つに分けておく。ボールやプレートの上に置いたときに広がらないようにフルーメンティ位の固さにしておく。アルカネット、ターンソウル、良質のアズール、パセリ又はアヴェンスを用意する。ボイルした時発色がいいようにサフラン少量を緑色の(野菜)に混ぜてシーヴする。アルカネット又はターンソウルとアズールも同様にラードの中に混ぜておく。ミルクがボイルしたら砂糖を入れる。それを(火の)後ろに移して、塩を入れ、濃くなって得たい色
が出るまで強く混ぜる。

フランスでは病人用のブラマンジェとアントルメとしてのブラマンジェにはっきりと分かれている。「199. 部分的に色を付けた白い料理」はアルカネットの赤、ターンソウルのムラサキ~赤、アズールの青、パセリとサフランの緑、アヴェンスの緑、何も入れない白の4色の色を付けたアントルメである。下はお馴染みの JELL-O。色はいつも人を引きつけて止まない!?

     

イングランド同時代のレシピ :  The Forme of Cury 1390から、

 

 33.ブラマンジェ FOR TO MAKE BLOMANGER.

米を水の中に一晩入れ翌朝よく洗う。米が割れるまで火にかざす。煮過ぎてはいけない。煮たシャポンの(ホワイト)ミートを用意して細かく引き裂く。アーモンドミルクを用意して米といっしょによくボイルする。ボイルしたら濃くなるようにそこに肉を入れる。ディッシュに入れてその上にたくさんの砂糖を振って、ラードでフライしたアーモンドを突き刺して飾る。サーヴする。

 

1479-1484年に書かれた :  Wel ende edelike spijse, オランダのレシピから、

 

2.4. シャポンのブラマンジェ Een blancmanger met kapoenen

シャポンを水でボイルして白い肉を取る。冷水に入れる。挽いたアーモンド、ライスミルクをポットに入れて火にかける。シャポンの肉を潰す。

アーモンドミルクと混ぜて冷やす。砂糖、ポークの脂を加え、黒くならないように火から下ろす。アーモンドを砂糖と一緒に火を通しブラマンジェの 上に飾る。砂糖を振る。

 

イングランド1435Harleian MS 279から、

 

78.火を使わずにスー ( sew ) に色を付ける : Цветной десерт без огня

アーモンド4ポンド水に入れて皮を剥く。翌朝しっかりと挽く。濃いミルクを絞る。米を用意してきれいに洗い、しっかりと挽く。ミルクと一緒に ストレイナーで漉す。ボイルする。入れ物に分けて入れ白い砂糖を入れる。各入れ物にクローブ、メイス、クベブ、シナモンの粉末、を入れる。

白、 黄色、パセリで緑に色を付ける。各々スライスしてディッシュに入れる。ワインを入れたミルク又はレッドワインを添える。

 

スペイン ( Catalan ) 1520年のLibro de Guisados から、

 

この料理書には病人のためのブラマンジェ、普通のブラマンジェ、フリッターのためのブラマンジェの、3種のブラマンジェがある。

普通の ブラマンジェのレシピは長いので短くまとめたレシピ、魚のブラマンジェ, ひょうたんのブラマンジェが用意されている。

 

2レシピ引用しよう。

 

143.ブラマンジェ 要約 :  Blancmange in a Briefer Summary

米を1ポンド挽いて篩う。殺して直ぐのメンドリの胸肉をクックして細かく裂く。鍋に入れて少量のミルクを入れて胸肉が溶けるまでクックする。
挽いた米を入れてよく混ぜる。1ポンドの米に1羽のメンドリの胸肉、ミルク 2L, 砂糖1ポンドを使う。全て鍋に入れて火が真ん中に当たるように
セットする。濃くなったら脂をたくさん入れて残り火の横に置いて均一になるようによく混ぜる。 砂糖をディッシュの中に振る。

 

237.ひょうたんのブラマンジェ :  MANJAR BLANCO DE CALABAZAS  

一番柔らかいひょうたんを選んでナイフで白いところが出るまで削る。手の大きさ大に切る。水を火にかけてボイルしたらひょうたんを入れる。
クックしたら出してきれいな布の中に入れる。ひょうたんの量に合わせてアーモンドミルクを作る。しっかりと絞って水を出す。
ブラマンジェを作るポット又は鍋に入れる。砂糖を必要量入れ、火にかける。ミルクの中にひょうたんを入れる。ローズウォーターを振りかける。
しっかりとひょうたんを潰す。よくボイルするように強い火を用意する。濃くなるように絶えず混ぜる。固くなったらローズウォーターを入れて少しクックする。火から下ろしディッシュを用意する。上に細かい砂糖を振る。

 

各国色々な特徴がある。スパイスを多用するフランス、それに追従するイングランド。特にフランスはスパイスを社会秩序の保持と外交交渉を有利に 進める為に使ったことが、各国のレシピを比較すると鮮明に浮かび上がってくる。フランスはグレインズオブパラダイスを、イングランドはクベブを、 一体どういう手段で手に入れたモノかと、見たこともないスパイスを使って賓客達を煙に巻く姿が目に浮かぶ。

 

1604年のベルギー(リエージュ), ランスロ・ド・カストー( Lancelot de Casteau’s )によるOuverture de cuisineから、

 

ブラマンジェ :  Pour faire blane menger

シャポン又はニワトリを23日前に殺しておく。クックしたら胸肉を取り、小さなピースに切る。モルタルで挽き、牛乳を2-3スプーン入れて 湿らせる。牛乳7ポンド6オンス、細かい米粉1ポンドをシャポンの肉とよく混ぜる。非常に白い砂糖1 1/2ポンドを鍋に入れて火にかける。 木じゃくしで一日中かき混ぜる。1/4時間ボイルしたらローズウォーター8オンス、塩少量を入れる。プレート又はカップに入れる。 又は四角い中に入れる。

 

1600年代のフランスは、ユグノー戦争の最中にヴァロワ朝が断絶して、新教徒のブルボン家のアンリ世( Henri IV12/13/1553-5/14/1610 がカトリック教徒のフランス王として即位しブルボン朝を開いた。三代目のルイXIV世( Louis XIV9/5/1638-9/1/1715 )の時代には絶対王政 を築き、領土を拡大し最盛期を迎えた時代である。

スパイスを手放し、本来のブラマンジェを作れる時代になったとも言える。

 

少し時代が戻るが、1553年のドイツ, サビナ・ヴェルゼリン ( Sabina Welserin ) によるDas Kochbuch der Sabina Welserinから、

 

183.ブラマンジェ :  Blomenschir

生きていたシャポンから胸肉を取り、冷水に漬ける。それを湯の中で湯がく。小さなボールに入れてクックする。塩は入れない。半分できたらボールに取る。冷めたら糸のように細く裂く。そのあと米1/2ポンド用意して選って綺麗に洗う。再び乾かす。それをモルタルの中に入れてよく叩く。そうすると粉になる。細かいシーヴを通して小さな鍋又は平鍋に入れる。細かく裂いたシャポンも入れる。そのあとスイートミルクを用意して綺麗な入れ物の中でボイルする。ミルクをセットして米を火のおこった石炭の上に置きミルクをその上に注ぐ。ゆっくりと一定の速度で木のスプーンを使って米の粉の中を混ぜる。小麦のポリジのようになるまでクックすることを忘れてはいけない。中に砂糖を振り入れてローズウォーターを入れる。ディシュッに入れて塩を少し入れる。冷ましてサーヴするのであれば冷やす。冷たくなったら鉄のスプーンを添えてサーヴする。ボールの中に綺麗に並べる、これでドーナッツを作る事もできる。

 

この時代あたりから、レシピの内容が細かくなり、再現できるようになる。料理書が貴族の装飾物、蔵書として持っていることがステイタスだった 時代から、「料理を作るための書物」としての地位を得る。調理時間、重さなどが記載されて現在の料理書に近くなった。

Le Viandier 書いたタイユヴァンは字の読めない料理人の為に料理書を書いたのではなく、王様、シャルル世の為に、 料理書を献呈するために料理書を作ったのである。きわめて省略した記載~材料の名前と料理名だけの料理書~であるのも理解できるだろう。

ブラマンジェは固めてスライスするかパイにして食べた。此処ではブラマンジェでドーナッツを作っている稀な例である。

 

1651年のフランス, François Pierre de la Varenne  ( フランソア・ピエール・ド・ラ・ヴァレンヌ、1615–1678 ) による Le Cuisinier françois では2種記されている。一つはアントルメであり、後の一つは朝にブイヨンの代わりに食べる料理として取り上げられている。 この時代はアーモンドミルクに牛乳を入れる、丁度上の100年前のドイツのように、フランスのブラマンジェが新しく変わる転換点である。 少し長いが2レシピ引用しておく。

 

ブラマンジェ (アントルメとしてサーヴする)  :  Blanc manger pour servir d’entremets.

湯がいたアーモンドを1/4ポンドモルタルで潰す。ローズウォーターをスプーンで少しずつ入れる。好みでなければ水を入れる。

ナッツがしっかりと潰れたらトリ又はビーフ、仔牛で作ったハーブを入れていない、クローブを2-3、シナモンを少量入れて 塩で味をつけて澄ませたストックを1/2パイント又はもう少し多く入れる。

アーモンドミルクが足りなければ牛又は山羊のミルク 2-3スプーン入れる。ストックは脂を取って熱くなければならない。

よく混ぜたらモスリン又はリネンで漉す。 シャポンを2オンス又は別のローストした或いはボイルし、骨を取り、筋を取り、皮を取り、チョップするか モルタルで潰したトリの胸肉を加える。トリの代わりに仔牛を使うこともできるがキメが粗くなり繊細ではない。

卵大のクラストを取ったホワイトブレッドを付くこともできるがきめ細かく仕上げるには必要ではない。

モスリンで鶏肉を漉さない者がいるが、アーモンドと一緒に押せば漉すことができる。

肉を潰したら一人がアーモンドとストックを モスリンの中に入れて一人が汁を搾ればよい。

絞ったらもう一度ストックを少量入れて残っている香りを押し出す。 ミルクをキャセロール又は銀のボールに入れる。

1-2個のレモンジュース、約1/4ポンドの砂糖を入れる。 ブラマンジェを石炭の火の上にかける。しばらくすると濃くなる。

スプーンで時々混ぜる。一部分を取ってプレートに入れて冷ます。 冷めてアスピックのようになったらできている。火から下ろす。

 

朝にブイヨンの代わりに食べるブラマンジェ :  Autre blanc manger pour prendre le matin au lieu d’un boüillon.

大きなボールに脂を取り除き、ハーブのきつい香りが付いていない、適度に塩をしたミートストックを用意する。

香りがきついときには アスピックを作るようにホワイトワインを入れてボイルする。約一時間煮る。

焦げないように時々スプーンで混ぜる。 量が半分になったらスイートアーモンドをモルタルで潰しローズウォーター2-3スプーン、冷水、ミルク又はストックを時々入れながら 作ったミルクを加える。

再びブラマンジェを一時間又は濃くなるまで加熱する。前述したようにスプーンで混ぜる。

汁をリネン又はモスリンに 入れて絞って漉す。汁をキャセロール又は銀のボールに入れる。

ピースに割った砂糖を1/4ポンド、シナモンスティックを入れる。

バナナ ( プランエーションから手に入れた果物 ) 、龍涎香、オレンジフラワーウォーター、

レモンジュース又はオレンジジュースを入れる者 もいる。攪拌したものをボイルするまで加熱する。

 

いずれのレシピもストックの中に肉を残していない。ヴァレンヌははっきりとは述べていないが、ストックに仔ウシの関節を使った可能性を 否定できない。フランスでは1691, François MassialotLe Cuisinier Roïal et Bourgeois、イギリス1747年、Hannah Glasse The Art of Cookery にある、仔ウシの膝関節を煮て作ったプディングへと、ブラマンジェは枝分かれをしてデザートの道を進む。

 

 

 


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