インドと中東の両方でイスラム教徒がアターを高く評価している理由の1つは、アルコールを添加せずに身体に直接塗布できる天然物質のみでアタールを作っているからです。この点で、溶剤と混合し、噴霧器で噴霧される現代の香りとは異なります。
湾岸地域では、年齢が上がるにつれてアタールの評価が高まります。
彼らはデザと呼ばれる木製のたんすのなかに金と共にお香を入れて結婚式の花嫁へのプレゼントとしてきたのです。
ローズオイルは最近女性にも使用されるようになりましたが、伝統的に湾岸では男性的な香りと考えられており、男性は手を握った時に他の人の手に良い香りが残るように、親指と人差し指の間にローズアターを付けます。アラビアの商人は何世紀にもわたってスパイスと香料を交換してきましたが、クウェートで貿易が始まったのは1900年代初頭になってからです。
Pragmati Aroma DistilleryのオーナーであるPushpraj Jainは、次のように述べています。『今日の世代は現代の香水にのみ関心があり、私はそれらの要求を満たすことができるように革新する必要があります。そうでなければ、カナウジが伝統的なアタールとルーアルガラブを供給し続けることができる期間は不明です。』
Muna Lal and Sons蒸留所の調香師は、『合成香料と天然香料の違いは、電子レンジで調理された食品と薪オーブンで調理された食品の違いに似ています。』と言います。それでも彼は、業界が徐々に衰退していくのではないかと恐れています。
ジェッダ(Jeddah)近くの西サウジアラビアのターイフ(Taif、下中央)※の谷は、バラのアタールとローズウォーターで世界的に有名です。タイフィ(taifi)として知られているバラは、太陽光線が香水のエッセンスを含むオイルを減らす前に、蕾が開いたばかりのものを摘み取ります。』
https://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Ta%27if,_Saudi_Arabia_locator_map.png
※ターイフ(タイフ、Ta’if、サウジアラビア西部、マッカ州の都市)は6世紀には、すでに町は存在していました。1517年、オスマン帝国に降伏し、以後1916年までオスマンの支配下にありました
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