カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

橋本市杉村公園の菊花展 リハビリで秋空の下へ

2020年11月07日 | 季節の花

先週の木曜日、とてもいいお天気で、風も温かい日でした。

音和舎さんへ行きますと、「今日は暖かなので、橋本市の杉村公園の

菊花展行こうと、思っているのですが、希望者は言ってください。」

とても嬉しい計画のお誘いでした。

杉村公園は、聴いたことはありますが行ったことの無いところです。

すぐ隣の町ですが、県が変わると、行く機会がなかったのです。

先日行った橿原神宮の菊花展とは、また違った、ローカルな

温かみのある作品の多くを、とても楽しく鑑賞しました。

菊の花について、作品を掲載しながら、調べたことや、

菊の花を詠った和歌について、この機会に多くの知ることがありました。

それらのことを、写真と関係なしに、綴りながら、その楽しみに

惹きこまれていきました。

  季節の花300で調べますと、

菊は・東洋で最も古くからある
 鑑賞植物らしい。
 平安時代に中国から渡来。
 改良が重ねられ多くの品種がある。
それが 園芸品種として普及していった。 そうです。

ところが、万葉集を調べてみますと、菊の花の和歌は全くないのです。

 ただ一首

「父母が 殿の後方(しりへ)の百代草(ももよぐさ)
  百代いでませ わが来たるまで」という和歌があります。

この「百世草」は菊の花のことだそうです。
作者は 生玉部足国(いくたまべのたりくに)と記されていました。

 

古今集になりますと、百人一首にもある、

「心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花」
   凡河内躬恒
   (おおしこうちのみつね)
   百人一首(29)と、菊の花を詠んだのが出てきます。

また、お馴染みの紫式部は、九月九日の重陽の節句の行事に

「菊の露 若ゆばかりに 袖ふれて 花のあるじに 千代はゆづらむ」
   と、菊の花の和歌を詠んでいます。

「濡れて折る 袖の月影 ふけにけり 籬(まがき)の菊の 花のうへの露」
   金槐和歌集 源実朝 

「秋のきく おのずからなる 華は見で うるさく人の 作りなすかな」
   橘曙覧
    (たちばなのあけみ、
    江戸末期の国学者)

『去年の雪』 窪田空穂
 白菊の咲き極まりて衰ふる態(さま)と見むかも紅(あけ)を帯び来ぬ

 

『貫之集』 (のこれる菊) 紀貫之
 秋さける菊にはあれや神無月時雨ぞ花の色はそめける


  『古今集』 (詞書略) 平貞文
 秋をおきて時こそ有りけれ菊の花うつろふからに色のまされば


  『風雅集』 (残菊) 藤原経家
そめかふる籬(まがき)の菊のむらさきは冬にうつろふ色にぞありける

『順徳院百首』 (詞書略) 順徳院
 冬来ても猶時あれや庭の菊こと色そむるよもの嵐に

  『新続古今集』 (弘安百首歌に) 後嵯峨院大納言典侍
おく霜にうつろはんとや朝な朝な色かはり行くしら菊の花

  『草根集』 (残菊) 正徹
 冬草はみながらかれて紫の一もと菊に匂ふ霜かな

万葉集にはたった一首しか詠まれていなかった菊の花ですが

その後の世の歌集には、数多く詠まれているのを、初めて知ることができました。

 

リハビリのお友達と、「綺麗やなぁ!」と語り合いながら鑑賞した

杉村公園の菊花展で、私が最も感動したのは、

市立の小学校の児童の作品が並んでいたことでした。

花を愛で育み育てる児童らの、心の素晴らしい成長の証のように思われました。

 

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2 コメント

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おはようございます! (源爺)
2020-11-08 08:55:04
春の桜の時期には立ち寄っています・・
菊花展も開催されていたのですね・・
丹精された作品ばかり~~
そして歌を愉しまれ優雅な一日をお過ごしになられましたね・・
無粋な私には程遠い世界でございます・・ニッコリ
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源爺さんへ (anikobe)
2020-11-08 15:53:29
いつもお訪ねくださってありがとうございます。
杉村公園はいい所なのですね。

このようにリハビリの、外での歩きがあるのは嬉しいです。

足だけでなく、目も、心も、眠っていたものを覚ましてくれるような気がします。
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