小檜山博さんという北海道出身の作家さんがいます。
JR北海道の車内誌に自身の人生を題材にしたコラムを書いていて、出張でJRに乗るたびに読んでいるのですが、最初の頃「なんて自虐的な人なのだろう」と多少うんざりしながら読んでいました。
今風に言うと「ネガティブ爺さん」です。
でも、もう何年も長い期間読み続けていると、とても暖かい気持ちになるコラムだと感じるようになって、今ではJR移動の楽しみの一つになりました。
今考えると、その自虐的な表現に日本人らしい謙虚さがにじみ出ていて、心に響いていたのだと思います。
今月号のコラムに、お酒をこよなく愛する小檜山さんは、晩酌時に「ビール」「日本酒」「ワイン」「奥様手作りの梅酒」を並べて飲み、それぞれに適した肴について書いてあり、最後に「自身の味覚に問題があるのではないか?」と〆られていました。
読んだ時は「問題あるね」と結論付けていたのですが、昨夜急にこのコラムを思い出し、その4種のお酒を想像の中で飲み進めて行くと、なんとなく良いイメージが沸いてきます。
私は日本酒が苦手ですが、ワインや梅酒と一緒だと、あの濃厚な味もすんなり馴染むような気もしてきますし、たくさん飲んだ気分になるので量もセーブできるような気もします。
第一印象や、自身の常識にこだわりすぎるのは後々損をすることになると、改めて教えてくれた気がします。
「ネガティブ爺さん」などと言って恐縮なので、作品を一冊読んでみることにします。
写真は、JR東日本本社前にいたペンギン。
なぜにペンギンかは不明です。