望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

舞台の裏のウラ話 <お客様には見えない苦労編・その13>

2019-07-13 08:52:33 | 舞台・ウラ話

 

食べ尽くすための解決法は、

軽くよそえばいいのですが、

よそう方にも、事情があって・・・。

 

ご飯をよそう、下男役の役者さんは、

かなり動きの多い芝居をする上に、

 

そでから物を持ってきたり、順番にハケていったり、

いろいろと仕事が多いのです。

 

彼は彼で、

ここでこの台詞を言った後、

やかんをソデにハケて、戻ってきて、

座って、この台詞を言う。

・・・みたいな状態で、

 

かなり細かい計算をしないと、

いや、いくらきちんと計算をしても、

時間的にギリギリなんですね。

 

そんなギリギリの状況で、

台詞と台詞の合間に、ご飯をよそう、

というアクションまでが入るワケです。

 

それも演出効果を狙って、

バカでかい<しゃもじ>を使ってる

デカいおひつに、デカいしゃもじ!

こんな状態で、

細やかなことをやっていられるワケがないっ!

 

バコっと山盛りによそっちゃって、

 

 (おっとぉ、ごめん~。でも時間がない!)

 

 (うっ

 

みたいな心のやりとりが、

毎回繰り広げられておりまして、

 

上の方のブースから見ている音響さんは、

そのたびに、

「うわ、今日は多いなぁ」などと、

ヒヤヒヤしながら、見ていたのだそうです。

 

 

でも、そのおかげで、アンケートにも、

「本当に食べててびっくりした」

といった声が一杯ありました。

 

彼女の苦労の甲斐があった!

といっても

「もう二度とやりたくない」と言っていましたが(笑)

 

 

そうそう(とまた長くなる

似たような話が、

昔の映画の撮影所でもあったそうです。

 

   <つづく>

 

 

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