望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

舞台の裏のウラ話 <お客様には見えない苦労編・その2>

2019-06-30 12:42:35 | 舞台・ウラ話

 

美容スチーマーを使うはずが、

思いの外、出る湯気が地味!

 

「これじゃ毒ガスには無理だよね」

 

・・・と、これに関して、少し説明させていただきます。

 

このスチーマーの湯気を見た、ボケたおじいちゃんが、

昔の戦争の記憶がよみがえり、

「毒ガスだー!」と騒ぎ出すシーンがあったんです。

 

だから、このスチーマーは、

おじいちゃんに毒ガスを思い出させるほど、

すごい勢いで!

湯気が出ないと困るのです。

 

 

しかし、おじいちゃんが間違うほどの、

そして、客席からもしっかり見えるほどの湯気って、

 

  いったい、どうやって出せばいいんだ?

 

舞台監督さんと照明さんが知恵を絞って、

試行錯誤を重ねたものの、

どうしてもうまくいきません。

 

台本の書き直しか、という所まで行ったときに、

 

「ロスコで行くか」

 

と、舞台監督さんがつぶやきました。

 

ロスコとは、

舞台でスモークを出すときに使われる装置で、

煙だけでなく、モヤだったり、雲だったり、

 

はたまた、

過去とか空想といった、

なんとなくぼんやりとしたイメージのシーンを作るときにも、

とにかく頻繁に使われます。

 

「あ、そうだよね~」

「なんでそこに気づかなかったんだろう」

「それしかないなー」

「だよねぇ」

「いやー、よかったよかった」

 

などと取りあえずホッとして話していた役者陣が、

はっと我に帰りました。

 

  ロスコを・・・、

    顔に・・・、

     もろに当てるの?!!

 

ロスコはスモークマシンですから、出すのは煙です。

 

それも舞台用ですから、

いくら絞ったところで、かなりの勢いで出ます。

 

もちろん、物を焼く煙ではないので、

あんな焦げ臭さはありませんが、

私みたいにのどが弱い人間は、

袖で待っているときにロスコを焚かれると、

のどがイガイガしたり、咳込むこともあります。

 

以前、ロスコをマックスに焚いた中から登場する、

なんてシーンがあったときには、

咳込まずに響く声を出すのがもう、ドキドキでした。

 

 そんなロスコを、顔に???

 

   <つづく>

 

 

 

  ブログランキング参加中

 人気ブログランキング

 よろしければ、 クリックを

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

参加中。よかったらクリックを!

人気ブログランキングへ